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執筆獣医師:齋藤厚子先生
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

猫の外鼻孔狭窄症とは

生まれつき鼻の穴が狭いことによって呼吸器症状を示す異常です。

外鼻孔狭窄とは、短頭種の猫に時々認められる外鼻孔、つまり鼻の穴の狭窄です。
外鼻孔狭窄の猫はしばしば短頭種気道症候群と呼ばれる上部気道の他の異常も伴っており、鼻の奥と喉の奥がつながる部分にある軟口蓋という部分が通常よりも長い軟口蓋過長や気管の低形成、喉頭小嚢外反などといった異常が見られることが多くなります。

通常猫は口呼吸ではなく鼻呼吸を行っているため、口を閉じている時間が長いのが普通ですが、外鼻孔狭窄や短頭種気道症候群の猫は鼻の呼吸がうまくできないために開口呼吸するなど呼吸器症状を示します。

重度の外鼻孔狭窄では興奮時にチアノーゼなどが現れることもあり、外科的な治療が必要になります。

猫の外鼻孔狭窄症の症状とは

開口呼吸などの呼吸器症状がみられます。

外鼻孔狭窄の猫の症状は狭窄の程度や併発している異常の程度によって多少異なります。

外鼻孔の狭窄のみの場合は症状が軽いことが多く、吸気時にいびき音が聴取される程度です。
興奮時や運動をしたときにはいびき音が大きくなり、水溶性の鼻汁を伴ったくしゃみなどをすることも多くなります。

一方、軟口蓋過長や気管の低形成など他の異常を伴っている場合には症状が重くなる傾向があり、鼻での呼吸がうまくできないために開口呼吸したり、興奮時に舌が青っぽくなるチアノーゼを発症することもあります。

猫の外鼻孔狭窄症の原因とは

先天性の異常です。

外鼻孔狭窄や短頭種気道症候群に含まれる異常は、生まれながらにして持っている異常です。

また、肥満は異常を持ってうまれた猫の症状を悪化させる要因になります。

猫の外鼻孔狭窄症の好発品種について

以下の猫種で好発がみられます。

短頭種の猫で好発します。

猫の外鼻孔狭窄症の予防方法について

生まれつきの異常のため予防は困難です。

外鼻孔狭窄にならないように予防することはできません。
呼吸器症状の発症を少しでも抑える、症状を軽減するためには、肥満を予防する、過剰に興奮させない、室温が暑くなりすぎないようにする(特に夏)などといった配慮が必要です。

また、感染症などによって鼻炎を起こすと症状が重篤になりやすいため、定期的に予防接種を受け感染症の発症を予防するとともに、できるだけ室内飼育をして感染リスクを減らすようにしましょう。

猫の外鼻孔狭窄症の治療方法について

根本的な治療方法は外科治療です。

外鼻孔狭窄は鼻の穴の構造的な異常ですので、最も有効な治療方法は手術によって鼻の穴を拡げてあげることです。
狭窄した鼻孔を楔形に切除することで鼻の穴を適度に拡大し、空気の通りを良くしてあげることができます。

外科治療の前には、短頭種気道症候群に含まれる他の異常がないかどうかを確認し、外鼻孔の外科治療を行うことでどれくらいの治療効果が得られるのかをあらかじめ予測することができます。

軽症の場合は内科治療を行います。

症状があまり顕著ではない場合、手術は行わず内科治療や体重管理などで経過を見ることもあります。
内科治療では、鼻や気道の粘膜の炎症・浮腫などを軽減するために消炎剤の投与を行います。

肥満傾向の猫の場合は食事管理によるダイエットを行うと症状が軽減します。
また、過剰な興奮や激しい運動を避けてできるだけ安静に生活することが必要です。

緊急時には酸素吸入など集中治療を行います。

症状が悪化してチアノーゼなど呼吸困難症状を発症した場合には、酸素吸入などが必要です。
気道の通りをよくするために消炎剤を投与しますが、緊急時には即効性のあるステロイド剤を静脈内投与することが必要になります。
また、異常興奮などが見られる場合には鎮静剤の投与が必要な場合もあり、興奮や努力性呼吸によって体温が上昇している場合には体を冷やす処置も行います。

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