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執筆獣医師:齋藤厚子先生
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

猫の気管支炎とは

感染症などによって気管支に炎症を起こした状態です。

気管は口や鼻から吸った空気を肺まで届ける空気の通り道です。
気管は胸腔内で左右に分岐した後、さらに細かく分岐を繰り返して肺全体に空気を届けます。
この分岐した気管の枝を気管支といいます

気道の粘膜には空気中の異物から体を守る働きがあります。
吸い込んだ空気中には様々な細菌やウイルス、刺激物などが含まれていますが、それらが体内に容易に侵入できないように気道の粘膜は粘液を分泌して粘膜を保護し、粘液に異物をのせて排出しています。
咳やくしゃみ、鼻水、痰はこうした異物を排泄するための体の防御反応です。

細菌やウイルスなどの量が多い場合や強い刺激物を吸引した場合は、粘膜に炎症反応が起こり、気道が腫れて狭くなったり分泌物が増えるために呼吸器症状が強く現れます。
猫はウイルス性疾患などに感染すると咳や鼻水など上部気道症状を示すことが多いですが、それらが悪化すると気管支にまで炎症が波及して気管支炎となります。

気管支炎がさらに進行すると肺炎を起こして命に関わることがありますので、しっかりと治療を行うことが必要です。

猫の気管支炎の症状とは

主に咳が見られます。

気管支炎を起こした時に見られる症状は主に咳です。
猫の咳は吐き気の仕草と似ている場合があるため、区別がつきにくい場合もあります。
判断がつかない場合は動画を撮影しておき、病院を受診する際に見てもらえるようにすると良いでしょう。

咳の他には以下のような症状がみられることがあります。

・食欲低下
・元気がない
・呼吸が速い
・呼吸音が大きい(ゼーゼーする)
・発熱

重症化すると肺炎を起こし、呼吸器症状がより顕著になります。
くり返し咳をしている場合や呼吸の様子がいつもと違って苦しそうと感じた場合はできるだけ早く病院を受診しましょう。

猫の気管支炎の原因とは

感染症によっておこります。

気管支炎を起こす代表的な感染症には以下のようなものがあります。

・ウイルス感染症
・細菌感染症
・真菌感染症
・寄生虫感染症

猫カゼ症状を起こす感染症(猫カリシウイルス感染症、猫ヘルペスウイルス感染症、クラミジア感染症)では、上部気道に炎症を起こし鼻水やくしゃみ、眼症状(結膜炎など)を起こしますが、その炎症が波及して気管支炎を起こすことがあります。

刺激物質を吸引して起こることがあります。

気管支炎は刺激性のある煙やガス、化学薬品の吸引、異物などが原因となって起こることがあります。

またアレルギーによって気管支炎を起こすこともあります。
原因となる物質は花粉やハウスダスト、たばこの煙、芳香剤など様々ですが、それらを長期間吸い続けることによって慢性的に気管支の炎症を起こし、呼吸器症状が持続するようになってしまいます。
これをアレルギー性気管支炎または猫喘息といいます。

猫の気管支炎の好発品種について

好発する品種はありません。

どんな猫にも起こる可能性があります。

猫の気管支炎の予防方法について

感染症対策をしましょう。

気管支炎の原因となる感染症の多くは感染している猫との接触によって伝播します。
そのため、できるだけ外に出さずに室内飼育を徹底することが予防につながると考えられます。

また猫カゼの原因となる疾患には予防接種があります。
定期的に予防接種を受けることでこれらの疾患に対する免疫を維持しましょう。

猫の気管支炎の治療方法について

投薬治療を行います。

感染症によっておこる気管支炎の場合は、原因疾患に応じて抗生物質やインターフェロン、抗真菌剤や駆虫薬を投与します。

気管の炎症によって気道が腫れて狭くなり呼吸が苦しい場合には、気管支拡張剤を投与して呼吸を楽にしてあげる治療も行います。

咳止めは重度の咳で眠れない、体力の消耗が激しい場合などに検討されますが、むやみに咳止めを使用すると気管の分泌物が排出できなくなる可能性があるため、できるだけ使用は控えます。

アレルギー性の気管支炎では、原因となっている物質を極力取り除くことが重要ですが、アレルゲンを特定すること自体難しく、特定できても完全に除去することが難しいケースが多いのが実際です。
そのため気管で起こっている炎症を抑えるためにステロイド剤などの消炎剤を投与します。
高用量のステロイドを長期間投与すると副作用によって他の疾患を誘発する可能性があるため、症状が落ち着いたら投与回数や投与方法の変更(注射薬、飲み薬、吸入薬など)を検討しできるだけ投与量を減らして維持します。

対症療法を行います。

咳によって体力の消耗が激しく食事や水分をしっかりとれていない場合は必要に応じて点滴治療を行います。

気管支炎が重度で肺炎を起こしてしまっているような場合は呼吸状態が非常に悪化します。
中には呼吸困難となる場合もあるため、その場合には酸素室に入り、状態が改善するまで集中治療を行います。

咳がひどく呼吸がしづらい、眠れないなどといった場合には症状を緩和するためにネブライザー(吸入)治療を行うこともあります。

刺激となる物質を取り除きます。

刺激物の吸引によって気管支炎が起こった場合は、刺激物を環境中から可能な限り取り除く必要があります。

また気管内に異物を吸い込んでしまった場合には、異物を除去しない限り症状は消失しません。
気管支鏡や気管洗浄などによって異物を除去する必要がありますが、病院によっては対応が難しい場合もあるため、その場合は対応可能な病院を紹介してもらいましょう。

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