ウィズぺティ
初めての方へ会員登録ログイン買い物かご
TOP > 猫の病気辞典 > 猫の急性リンパ芽球性白血病
Youtube 病気辞典
Youtube 病気辞典

執筆獣医師:齋藤厚子先生
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

猫の急性リンパ芽球性白血病とは

急性リンパ芽球性白血病とは

急性リンパ芽球性白血病は、血液細胞が作られる骨髄の中でリンパ球の未熟な細胞が腫瘍性に増殖してしまう病気です。

赤血球、白血球、血小板などといった血液の細胞は骨髄で作られています。
リンパ球は白血球の細胞の一種で、体を守るために必要な免疫細胞ですが、未熟なまま腫瘍化して増殖したリンパ球は正常に機能しません。
骨髄で腫瘍細胞が異常増殖すると、リンパ球以外の他の細胞の正常な産生が著しく妨げられ、貧血や血小板減少症、好中球減少症などを起こし、様々な症状を示します。

白血病には急性白血病と慢性白血病があり、一般的に急性白血病の方が症状が顕著で進行が早く予後が良くありません。
しかし同じく急性白血病である急性骨髄性白血病に比べると、抗がん剤治療による効果が多少期待できます。

猫の急性リンパ芽球性白血病の症状とは

全身状態の悪化が見られます。

急性リンパ芽球性白血病では、食欲不振などの非特異的な症状の他、血球減少症による貧血や出血傾向、感染症が見られます。
また、血液中に腫瘍性増殖した幼若な細胞が出現して様々な臓器に浸潤し機能を障害するため、消化器症状や腎不全症状、神経症状など症状は多岐にわたります。

・食欲不振
・元気がない
・吐き気、嘔吐
・軟便~下痢
・発熱
・血が止まりにくい
・粘膜の色が白っぽい
・フラフラする
・神経症状
・リンパ節の腫れ
・臓器の腫れ  など

血液検査では白血球(リンパ球)の増加が認められ、血液を顕微鏡で観察すると多くの場合は腫瘍性に増殖した未熟な異常リンパ球が観察されます。

診断のためには血液検査をはじめ、全身の精密検査のためにレントゲン検査、超音波検査、骨髄検査、クローナリティ検査(リンパ球がクローン性に増殖していることを調べる検査)などが実施されます。

猫の急性リンパ芽球性白血病の原因とは

原因は不明です。

急性リンパ芽球性白血病を発症する原因はよくわかっていません。
猫白血病ウイルスに罹患していると発症のリスクはやや高くなるようですが、急性骨髄性白血病と比べるとそこまで顕著ではないようです。

猫の急性リンパ芽球性白血病の好発品種について

好発する品種はありません。

品種や性別、年齢による好発傾向はありません。
比較的若齢でも発症することがあり、発症した猫の平均年齢は5歳以下であったとする報告もあります。

猫の急性リンパ芽球性白血病の予防方法について

予防することは難しい疾患です。

発症原因や関連する因子がよくわかっていないため、効果的な予防方法はありません。
リスクをできるだけ減らすためには猫白血病ウイルスに感染しないように、できるだけ室内飼育をする、同居猫に感染猫がいるなど感染のリスクがある場合はワクチン接種をする、生活環境を分けるなどといったことに気を付けましょう。

猫の急性リンパ芽球性白血病の治療方法について

抗がん剤治療を行います。

急性リンパ芽球性白血病の治療は抗がん剤で行います。
数種類の抗がん剤を組み合わせて行う多剤併用療法を行うことが多いですが、抗がん剤を使用すると血球減少症などの副作用が起こる可能性があります。

もともと白血病によって血球減少症がある場合には治療が難しくなる場合があり、必要に応じて輸血を行ったり、白血球が減少することによっておこる感染症を予防するために抗菌剤を予防的に投与するなどして血球減少症に対処しながら慎重に行う必要があります。

あまりにも状態が悪く抗がん剤治療が難しい場合には、ステロイド剤を投与することで症状を一時的に緩和できることもあります。

急性骨髄性白血病に比べると抗がん剤の治療効果は期待できますが、急性白血病自体、元々あまり予後の良い疾患ではありません。
中には状態が悪く治療がうまくいかないこともありますが、愛猫の苦痛を取り除いてあげるためにどんな治療を選んであげると良いのか、かかりつけの病院でよく相談して治療してあげましょう。

ナンバーサプリのウィズメディカ
ページ先頭へ SSL グローバルサインのサイトシール