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Youtube 病気辞典
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執筆獣医師:齋藤厚子先生
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

猫の「嘔吐」症状とは

頻繁に嘔吐を繰り返す場合は病気の可能性があります。

猫は毛玉を吐き出す習性があるため、比較的よく吐く動物と認識されがちですが、嘔吐を繰り返す場合には注意が必要です。
嘔吐は様々な病気に伴って現れる症状の一つで、病気のサインでもあるからです。

病的な嘔吐の場合は、嘔吐だけでなく以下のような症状を伴っています。
・食欲不振
・元気がない
・涎を大量に垂らす
・発熱
・ぐったりしている
・水を飲んでも吐く
・下痢あるいはしばらく便が出ていない
・血便(黒色便~鮮血便)
・嘔吐物に異物や虫、血が混ざる

一度吐いただけで元気も食欲もあるのであればあまり心配いりませんが、嘔吐が続く場合は水分補給が難しく、脱水にも陥りやすいため、できるだけ早く病院へ連れて行きましょう。

猫の「嘔吐」症状の考えられる病気(原因)とは

毛玉や異物の摂取などが原因です。

子猫や健康な若い猫で多い嘔吐の原因は、毛球症や異物摂取などです。
便検査や駆虫を行っていない子猫では、回虫などの寄生虫がお腹の中にいるために嘔吐することがあり、吐物に白い細長い虫が混じていることもあります。

猫の体に有害な植物や食品、化学物質の誤食による中毒(タマネギやたばこ、チョコレート、ユリ科の植物、塗料など)も嘔吐を引き起こします。

胃腸の病気によって起こります。

感染症や胃腸で起こった炎症、腫瘍などが原因で嘔吐が起こります。

感染症によって起こる嘔吐としてはウイルス感染(猫汎血球減少症や猫伝染性腹膜炎など)、細菌感染(サルモネラなど)、寄生虫感染(回虫や条虫など)があります。

猫の消化管に起こる腫瘍としてはリンパ腫が多く、中には比較的若い猫でも発生することがあります。
肥満細胞腫は消化管にできて通過障害から嘔吐を起こすこともありますが、皮膚や肝臓、脾臓にできた場合でも、腫瘍細胞から放出されるヒスタミンという物質の作用によって消化管に潰瘍を起こし嘔吐を起こします。

腸重積で嘔吐が起こることがあります。
腸重積は腸の中に腸が入り込んでしまう病気で、腸閉塞を起こし、治療が遅れると命に関わります。
子猫の時期に起こることが多い病気です。

その他の内臓疾患やホルモン疾患でも嘔吐がみられます。

上記以外に以下のような原因でも嘔吐が起こることがあります。

・尿路閉塞(尿毒症)
・腎臓病
・肝臓病
・膵炎
・糖尿病
・神経疾患
・甲状腺機能亢進症
・腫瘍疾患
・薬の副作用(抗がん剤や抗生物質など)
・便秘 
・ストレス など

これらを鑑別するためには、血液検査や便検査、尿検査をはじめ、レントゲン検査や超音波検査、あるいは必要に応じて内視鏡やCT・MRI検査などが必要になります。

どのような状況で吐いているのか(食後だけ、食事と関係なくいつでも、排便時など)、嘔吐の頻度、吐いたものの色や量、治療中の病気の有無、排便排尿できているかどうかなどは診断を進めていく上でヒントになる情報ですので、病院を受診する際に説明できるようにメモしておきましょう。

猫の「嘔吐」症状の好発品種について

全猫種で好発します。

特にありません。
嘔吐は様々な理由で様々な年代の猫に起こる症状です。

猫の「嘔吐」症状の予防方法について

誤飲誤食に気を付けましょう。

猫が誤って飲み込んだり口にしたりすると危険なものは手の届かないところに片付けるようにしましょう。

室内飼育をお勧めします。

屋外で有毒な物質を口にしたり、ウイルス感染症や寄生虫感染が起こることを予防するためには、室内で飼育することをお勧めします。

健康診断を定期的に受けましょう。

ワクチン接種時などに定期的に便検査や尿検査、血液検査などを受け、病気の早期発見に努めましょう。

猫の「嘔吐」症状の治療方法について

原因に対する治療を行います。

嘔吐の治療には、なぜ嘔吐が起こっているのかを突き止める必要があります。
飼い主さんからの情報を元に様々な検査を行い、原因を突き止め、それぞれに対する治療を行います。

異物の摂取に対しては催吐処置や内視鏡での摘出、状況によっては開腹手術が必要です。
有毒物質を口にして中毒症状を起こしている場合には、解毒薬や吸着剤、点滴などによる集中治療も必要です。
寄生虫感染に対しては駆虫薬を投与します。

尿路閉塞など排尿に問題が生じて尿毒症から嘔吐が起こっている場合には、尿路の閉塞を直ちに解除する必要があります。

内臓疾患が見つかった場合には投薬治療や点滴治療、腫瘍疾患の場合は手術や抗がん剤治療などを治療方法として検討します。

ストレスが原因と考えられる場合には、ストレスの原因をできるだけ取り除き、落ち着いて休める場所を作ってあげたり、飼い主さんとのスキンシップでストレスを発散させてあげる必要があります。

対症療法を行います。

原因がはっきりとわからない場合、対症療法を行って状態の回復を待ちます。
対症療法としては吐き気止め、胃粘膜保護剤、脱水予防のための点滴などを行います。
吐き気が落ち着いてきたら、やわらかい食事を少量ずつ食べさせ、症状が再発しないかどうかを見ながら食事を元に戻していきます。

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