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Youtube 病気辞典
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執筆獣医師:齋藤厚子先生
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

猫の「急に太る」症状とは

猫は様々な理由で太ったように見えることがあります。

食欲旺盛な若い猫がふっくらとしている場合には単純に太っただけですが、食事量が変わっていない、あるいはむしろ少し食欲が落ちた猫に体型の変化が見られる場合には、何らかの病気によってお腹だけがポッコリと膨らみ、体はむしろ痩せているというケースもあるため、注意が必要です。

何らかの疾患が原因でお腹が膨れている場合には以下のような症状が見られることがあります。
・食欲低下または食欲の異常亢進
・多飲多尿
・元気がない
・嘔吐
・お腹以外は痩せている(筋肉が落ちている)
・排尿、排便がうまくできていない
・お腹が膨れて波動感がある

特に高齢の猫のお腹が急に膨らんだ場合には、重要な疾患が隠れていることがあるため、検査を受けるために病院を受診しましょう。

猫の「急に太る」症状の考えられる病気(原因)とは

病気以外の原因でも急に太ることがあります

避妊手術や去勢手術をすると、ホルモンのバランスの変化や消費カロリーの減少から、食べる量があまり変わっていないのに太ってしまうことがあります。

また外に出る未避妊の雌猫が急に太った場合には、妊娠しているかもしれません。
猫の妊娠期間は約2カ月で、妊娠後期になると急にお腹が大きく膨らみます。

それ以外では単純に食べ過ぎ、運動不足、ストレスによる食欲亢進によって太ることが考えられます。

内分泌の病気で太ることがあります

甲状腺機能低下症や副腎皮質機能亢進症という内分泌疾患で太ることがあります。

甲状腺機能低下症では体の代謝が低下し、体に脂肪がつきやすくなったり高脂血症になりやすくなります。
しかし猫で自然発症することは稀で、逆に高齢の猫では甲状腺機能亢進症となり食べているのに痩せてしまうことの方が多くなります。
甲状腺機能亢進症の治療として甲状腺を切除した時などに甲状腺機能低下症が起こることがあります。

副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)は、副腎皮質から出るコルチゾールというホルモンが過剰になる病気で、副腎の腫瘍や、副腎を支配している下垂体(脳の一部)に腫瘍ができることで発症します。
特徴的な症状にはお腹の膨満、過食、筋肉の萎縮、多飲多尿などが見られ、肥満と勘違いされることもありますが、進行すると糖尿病や甲状腺機能低下症の原因となることがあり注意が必要です。
高用量のステロイド剤を長期間服用している場合に、医原性の副腎皮質機能亢進症が起こることもあります。

太ったように見えているだけの病気もあります

実際には太っていないのに、お腹が膨れているために太ったように見える場合もあります。

例えば腹水の貯留や、お腹の中にしこりができた場合、未避妊の雌では子宮に膿が溜まる子宮蓄膿症などによってお腹が膨れることがあります。

排便や排尿に障害があり、重度の便秘や大量の尿がお腹にたまっている場合にもお腹が膨れて太ったように見えることがあります。

猫の「急に太る」症状の好発品種について

好発する品種はありません。

好発品種は特にありません。

猫の「急に太る」症状の予防方法について

適切な食事管理と適度な運動で予防できます。

猫の肥満は糖尿病や下部尿路疾患、関節疾患や心臓病などのリスクを上げてしまうため、肥満にならないように心がけましょう。

肥満を防ぐためには食事管理が最も重要です。
食事量は一日の給餌量をきちんと決めて、測って与えるようにしましょう。
避妊・去勢手術後はどうしても太りやすくなるため、食事内容を変更する必要もあるかもしれません。

また、猫が適度に運動できるように高い場所に上り下りできるような環境を作ったり、おもちゃで遊んでスキンシップを図ることも重要です。

定期的に健康診断を受けましょう。

病気に関しては、早期発見に努めることが重要です。
日常生活では飲水量の変化や食欲、排尿・排便の状態を少し気にかけるようにし、ワクチン接種時などには定期的に尿検査や血液検査を受け、健康チェックをするようにしましょう。

猫の「急に太る」症状の治療方法について

肥満に対しては食事管理が重要です。

食べ過ぎや避妊・去勢手術後の体重増加に対しては、食事管理が重要です。
食事を毎回ちゃんと測って与えること、状況に応じて食事内容を変更することを検討し、おやつを与えすぎている場合には控えるようにしましょう。

内分泌疾患には主に投薬治療を行います。

甲状腺機能低下症が原因の場合、不足しているホルモンを補充する治療を行います。
甲状腺の切除後の発症の場合は、しばらくすると自然に甲状腺ホルモンが上昇してくるケースもあり、その場合は投薬が必要なくなります。

副腎皮質機能亢進症では、副腎皮質で過剰に分泌されるコルチゾールの合成を抑制するお薬を投与します。
副腎に腫瘍ができている場合や、下垂体に巨大な腫瘍ができている場合には、手術を検討することもありますが、特に下垂体の手術は専門医による高度な技術が必要となるため、多くは投薬による治療が行われます。

その他の疾患に対しては詳しい検査に基づいて治療を行います。

雌猫の子宮蓄膿症に対しては、子宮卵巣摘出術を行います。

腹水やお腹の中のしこりに対しては、レントゲン・超音波検査や必要に応じて針を刺して腹水やしこりの細胞を検査し、治療方針を検討します。

便秘に対しては排便を促し、必要に応じて浣腸などの処置や食事変更・投薬を行います。
排尿障害に対してはその原因を検査し、膀胱の収縮を補助するお薬などの投薬を行います。

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