猫の「いびきがひどい」症状とは
鼻の奥でズーズー大きな音がするときは注意が必要です。
猫も寝ている時にいびきをかくことがあります。
小さな音でプスプス、プープーいうくらいであれば特に問題はありません。
しかし、今までいびきのなかった猫にズーズー、グーグーと大きないびきがみられるようになった場合や、寝ている途中で苦しくなって目覚めるようないびきの場合は要注意です。
猫のいびきがひどい場合には、鼻腔内や鼻から喉にかけて(鼻咽頭)構造的な異常や炎症などの問題が起こっていることが考えられます。
いびきは寝ているときに見られますが、起きている時にも以下のような症状を伴っていることがあります。
・口を開けて呼吸する
・鼻水や鼻血が出る
・くしゃみを頻繁にする
・目ヤニや涙が出る
・食欲が低下する
・元気がない
鼻が詰まっていると、呼吸だけでなく嗅覚が低下することで食欲が落ちたり、ぐっすり眠れないことで元気がなくなったりします。
猫の「いびきがひどい」症状の考えられる病気(原因)とは
先天的な構造の異常で起こります。
鼻の短い品種の猫では、生まれつき外鼻孔や鼻腔内が狭い、軟口蓋(鼻の奥と喉がつながる部分にある粘膜の襞)が長い、気管虚脱や喉頭虚脱が起こりやすいなどといった構造的な異常を抱えていることがあります。
そのような異常が存在すると、空気の通り道が狭くなるために大きないびきが起こります。
炎症や異物、腫瘍などによって鼻腔内が狭くなって起こります。
猫カゼ症状を起こす感染症(ヘルペスウイルス、クラミジア、カリシウイルスなど)によって鼻炎症状を発症すると、鼻腔内に鼻汁などの分泌物が溜まり、鼻腔内の粘膜も炎症によって腫れて鼻腔が狭くなるためにいびきがひどくなります。
他には、鼻腔内に異物を吸引してしまった場合や、アレルギーなどで鼻の粘膜に炎症が起こった場合、鼻腔内に腫瘤(鼻咽頭ポリープや腫瘍)が形成された場合にも同様の症状が見られます。
重度の肥満もいびきの原因になります。
肥満傾向の猫では、鼻咽頭周囲に付着した脂肪によって空気の通り道が狭くなりいびきがひどくなります。
猫の「いびきがひどい」症状の好発品種について
以下の猫種で好発がみられます。
- エキゾチックショートヘア
- スコティッシュフォールド
- バーミーズ
- ヒマラヤン
- ペルシャ
短頭種の猫には先天的な構造の異常が起こりやすい傾向があります。
猫の「いびきがひどい」症状の予防方法について
感染症はできるだけ予防接種で予防しましょう。
猫カゼ症状を起こす感染症の多くは予防接種で予防できます。
定期的に追加接種を行い、体に免疫を付けて発症を予防しましょう。
また、室内飼育にすることでも感染症のリスクはかなり減らすことができます。
肥満を予防しましょう
肥満は呼吸状態を悪化させるだけでなく、様々な疾患の引き金になります。
適切な食事管理を心がけ、太らせすぎないようにしましょう。
猫の「いびきがひどい」症状の治療方法について
感染症による猫カゼ症状やアレルギーなどの炎症には投薬治療を行います。
ウイルス感染症や細菌感染による猫カゼ症状には、インターフェロンや抗生物質の投与で治療を行います。
アレルギー症状によるものの場合は、可能であればアレルゲンを除去することが第一ですが、花粉などが原因でアレルゲン除去ができない場合には抗ヒスタミン剤やステロイド剤など、炎症を抑える治療で対応します。
鼻腔内の異物、ポリープ、腫瘍の場合は検査・治療のために内視鏡などを行います。
鼻腔内に異物が入っている可能性がある場合や、腫瘍などの占拠性病変が疑われる場合には、検査と治療の可能性を含めて、内視鏡検査を行います。
検査時に異物が確認された場合には除去し、ポリープがある場合には付け根を確認して切除します。
腫瘍の場合は組織を採取してまずは検査を行い、腫瘍の種類によって抗がん剤治療や放射線治療、外科手術との組み合わせなど、治療方法を検討します。
猫では鼻腔内のリンパ腫の発生が多く、抗がん剤や放射線での治療を行います。
先天的な構造の異常には外科的な対応が必要なことがあります。
短頭種で多く見られる外鼻孔狭窄症や軟口蓋過長症が原因の場合、程度が重度で呼吸状態に支障をきたす場合には外科的な治療が必要になります。
外鼻孔を形成して広げる手術や、軟口蓋の過長部分を切除する治療などを行います。
軽度の場合には肥満を予防し、あまり興奮させない、感染症をできるだけ予防することなどで対応が可能です。