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Youtube 病気辞典
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執筆獣医師:齋藤厚子先生
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

猫の「鼻水がでる」症状とは

鼻孔から鼻汁が分泌され、クシャミや鼻づまりなどがみられます。

猫の鼻は、鼻腔内の分泌物と目から鼻涙管を通って流れてきた涙によって常にうっすらと湿った状態で、鼻先を触るとわずかに濡れていますが、健康な状態では鼻水が垂れたり鼻が詰まっているということはありません。
また、猫は犬と違って主に鼻呼吸をしており、鼻が通っている時は口を閉じているのが通常です。

しかし何らかの原因で鼻水が出ると、鼻の通りが悪いために呼吸のたびにズーズーと音がしたり、口を開けていることが多くなり、鼻孔からは水っぽい鼻水や粘性の高い膿性の鼻汁が認められるようになり、鼻の粘膜が弱っていると血の混ざったピンク色の鼻汁などが排泄されることもあります。
クシャミも頻繁に認められるようになり、鼻が詰まっていると匂いを感じにくくなるために食欲が低下し、発熱などもみられることがあります。

鼻水が出る原因はいくつか考えられますが、猫カゼ症状を起こす感染性のものでは両側の鼻から鼻水がみられ、目の症状(結膜炎や目ヤニ、涙目など)がみられることも多くなり、細菌感染を伴っている場合には黄色~緑色の膿っぽい鼻汁や目ヤニが出ます。

一方、腫瘍などが鼻腔内に形成されている場合には、初期には片側だけに症状が出ることが多く、進行するとともに両側に症状が波及したり、鼻筋が腫れて変形する、目が圧迫されるなどといった外貌の変化がみられることがあります。

猫の「鼻水がでる」症状の考えられる病気(原因)とは

感染症によって起こります。

猫カゼ症状を起こす感染症(猫ヘルペスウイルス感染症、猫カリシウイルス感染症、クラミジア感染症)や真菌感染などに伴って鼻汁が出るようになります。

これらは外に出る猫や外で生活していたことのある猫で発症しやすく、免疫が未熟な子猫や、免疫状態が低下した成猫(猫エイズウイルスや猫白血病ウイルスの感染、免疫抑制剤の使用、糖尿病や腫瘍などの疾患による)でも発症がみられます。

鼻腔内に刺激物が存在して鼻汁が出ます。

鼻腔内に草のかけらや小虫、毛などを吸い込んで刺激している場合や、アレルギー症状の原因となる物質(花粉やハウスダストなど)が付着した場合に鼻汁がみられます。
この場合は無色透明な水っぽい鼻水で、異物の場合は異物が侵入した方だけに症状が現れ、アレルギーの場合は両側に症状が出ます。

鼻腔内に腫瘤などができた場合に鼻汁が出ます。

鼻腔内に腫瘍や鼻咽頭ポリープなどの腫瘤が形成された場合にも鼻汁や鼻づまりがみられることがあります。
猫の鼻腔内に発生する腫瘍の中で最も多いのはリンパ腫で、はじめは片側の鼻腔内に発生しますが、進行すると鼻の左右を分ける鼻中隔を破壊して両側の鼻に症状が現れることもあります。

他には、歯の炎症や口蓋裂など、口腔内の異常が原因のことがあります。

上顎の犬歯の歯根炎や膿瘍が鼻腔内に達すると、鼻腔内に膿汁が排出されて膿性の鼻汁が出ます。

生まれたばかりの子猫がうまくおっぱいを飲めず鼻から出てくるという場合には、『口蓋裂』の可能性があります。
口蓋裂は上顎の正中が生まれてくる前に閉じ切らずに生まれてくる先天性の障害で、口腔内と鼻腔が通じてしまっているために口にしたものが鼻から出てきてしまいます。

猫の「鼻水がでる」症状の好発品種について

好発する品種はありません。

好発品種は特にありません。
どんな猫にでも起こる症状です。

猫の「鼻水がでる」症状の予防方法について

ワクチンを接種しましょう。

ネコ風邪症状をおこす疾患は、ワクチン接種で予防できます。
特に子猫や基礎疾患のある猫では感染症のリスクが高いため、ワクチン接種が可能な月齢になったらできるだけ早くワクチン接種を行い、以降も定期的に追加接種を行って免疫を維持しましょう。

室内飼育を心掛けましょう

ネコ風邪症状を起こすウイルス性疾患や、クリプトコッカスなどの真菌感染症は、屋外に出る猫で感染しやすい疾患です。
室内で飼育することでこれらの疾患の感染リスクを下げることができます。

猫ヘルペスウイルスやカリシウイルスは一度感染すると体から完全に排除することができず、免疫の状態が弱まった時に再度症状が現れることが多い疾患です。

感染猫との濃厚接触やケンカによって感染する猫エイズ、猫白血病ウイルス感染症などは、発症すると免疫を低下させ、潜伏感染しているヘルペスウイルスやカリシウイルスが再燃し、いつまで経っても症状が改善しない状態に陥りやすくなります。
これらの感染症もやはり室内飼育で予防できます。

デンタルケアを行いましょう。

猫はなかなか歯磨きをさせてくれない動物ですが、できる範囲内でデンタルケアを行うことで口腔内を健康に保つことも、口鼻瘻孔の形成を防ぎ鼻汁を予防する一つの対策になります。

猫の「鼻水がでる」症状の治療方法について

感染症を治療します。

感染症によって鼻汁が出ている場合、その原因に対する治療をそれぞれ行います。
ウイルス感染症ではインターフェロンや二次感染予防の抗生物質を投与し、真菌感染症では抗真菌薬、細菌感染では抗生物質の投与を行います。

体力が低下するとなかなか症状が落ち着かないため、食欲が低下している場合には高栄養のフードを食べさせる、必要に応じて点滴をするなど、栄養補給も補助的に行います。

鼻腔内の刺激物に対する対策をとります。

鼻腔内に異物が侵入した場合には、異物が除去され刺激がなくなれば症状は改善します。
くしゃみをした拍子や鼻汁とともに流れ出て排除されることもありますが、中には内視鏡などで摘出することもあります。

アレルギーによって鼻汁が出る場合は、アレルゲンを除去することが必要です。
しかし、アレルゲンを完全には除去できない状況も多く、その場合には抗ヒスタミン剤やステロイドなどで炎症反応を抑えて症状を緩和する治療を行います。

外科手術などが必要なケースもあります。

鼻腔内に腫瘍ができている場合や、鼻咽頭ポリープなどができている場合には、外科的に腫瘍やポリープを切除することが必要になります。
猫で多くみられる鼻腔内リンパ腫の場合は、放射線療法や抗がん剤治療への反応が良いため、手術をせずにそれらの治療が選択されます。

歯の根尖膿瘍から鼻汁が出ている場合は、原因となっている歯を抜歯し、口腔内と鼻が連絡しないように歯肉を縫合して穴をふさぐことが必要です。

口蓋裂の場合、食事がうまく取れないと発育不良などを起こすため、外科的に口蓋裂を整復し、口腔内と鼻腔内の連絡を絶つことが必要です。

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