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Youtube 病気辞典
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執筆獣医師:齋藤厚子先生
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

猫の「粘膜が白っぽい」症状とは

口の粘膜や耳の内側が白っぽくなります。

猫は全身毛で覆われているため、ヒトでいう「血色が良い・悪い」という状態はわかりにくいことがあります。
しかし、口の中の粘膜の色や耳の内側、あるいは肉球や鼻が黒くなければその色味で血色を測ることができます。

健康な猫ではこれらの部分はピンク色をしています。
粘膜が白っぽい時は、それこそ人でいう血色が悪い状態にあたり、貧血や血液循環に異常が起こっている可能性があります。

下記のような症状がないかをチェックした上で、病院を受診して検査を受けましょう。

・歩くときにフラフラする
・歩いてもすぐに座り込む
・呼吸が浅く速い
・開口呼吸している
・倒れる
・尿の色が濃い黄色~オレンジ色(時に茶褐色)
・便の色が真っ黒

猫の「粘膜が白っぽい」症状の考えられる病気(原因)とは

貧血が起こっています。

粘膜の色が白くなる原因の一つには貧血があります。
貧血は以下のような様々な原因で起こるため、血液検査やレントゲン、超音波検査など全身的な検査を行い、原因を探していきます。

・出血(消化管出血や腹腔内出血、胸腔内出血、交通事故などによる外傷など)
・溶血性貧血(免疫の異常、ヘモプラズマの感染、タマネギなどの中毒性物質の誤食など)
・腎性貧血(腎障害に伴う貧血)
・感染症(猫エイズウイルス、猫白血病ウイルスなど)
・腫瘍性疾患(リンパ腫、白血病などの骨髄系腫瘍)
・骨髄の低形成

骨髄に異常があることが疑われる場合には、骨髄検査が必要になります。

ショック状態による血圧の低下が疑われます。

ショック状態とは、何らかの原因で全身の血液循環が低下し、体に酸素が十分に行き渡らなくなった状態のことです。
ショック状態に陥ると血圧の低下によって可視粘膜が蒼白になります。

ショック状態は強い痛みや大量出血、アナフィラキシー反応、敗血症、熱中症などに伴って起こることがあります。

猫の「粘膜が白っぽい」症状の好発品種について

好発する品種はありません。

品種による好発傾向は特にありません。

猫の「粘膜が白っぽい」症状の予防方法について

腎疾患の早期発見に努めましょう。

腎疾患は、初期は症状が現れにくいことがありますが、健康診断で尿検査、血液検査、レントゲン検査を受けていれば早期発見が可能で、初期の段階から治療を実施できれば進行を効果的に抑制できます。

中高齢になったら、あるいは若い内からでも年1回程度健康診断を受けることをお勧めします。

室内飼育を徹底しましょう。

ウイルス性疾患などの感染症は外に出ることでほとんど感染します。
室内飼育を徹底すれば感染猫との濃厚接触を避けることができ、また感染症を媒介する節足動物とも接触する機会を減らすことができ、交通事故による怪我やそれに伴う出血のリスクも減らすことができると考えられます。

猫の「粘膜が白っぽい」症状の治療方法について

貧血の原因を探り治療します。

貧血の治療にはなぜ貧血になっているのかを知ることが最も重要です。
来院時にすでに重度の貧血により命の危険がある場合には、全身的な検査を行いながら、輸血も検討しなければなりません。

出血を起こすそれぞれの疾患に対しては止血剤の投与や、場合によっては手術を適用して止血を行います。

また溶血性貧血の場合には、溶血を抑制するためにステロイドや免疫抑制剤を投与したり、ヘモプラズマによる場合は抗菌薬、中毒による場合は点滴などで対症療法を行います。

腎不全による貧血では造血ホルモンであるエリスロポエチンの補充を行い、血液の腫瘍性疾患に対しては抗ガン剤治療などを行います。

ショックの場合は緊急治療が必要です。

ショック状態は全身の血液循環が極度に低下した状態です。
迅速に治療しなければ命を落としてしまう危険があります。

大量出血による場合は、出血を止めることも必要ですが、まずは血圧をあげるために急速に点滴を行い、輸血が可能であれば輸血を行います。

アナフィラキシーショックなどによって起こった場合には、アドレナリンやステロイド、抗ヒスタミン剤を投与し、急速点滴で血圧を上昇させます。

ショック状態をひとまず脱した後に、原因疾患が存在する場合(敗血症など)にはその治療を行います。

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