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Youtube 病気辞典
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執筆獣医師:齋藤厚子先生
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

猫の「急に痩せる」症状とは

食べているのに痩せてしまうことがあります。

猫が急に痩せてしまうときには、2つのパターンがあります。
① 食べているのに痩せてしまう
② 食べることができず痩せてしまう

どちらも病気が原因で起こりますが、食欲は元気のバロメーターでもあるので、ご飯を食べているのに痩せてしまう場合は異変に気づくのが遅くなりがちです。

それぞれのタイプでは、下記のような症状を伴っていることがあります。
① 食べているのに痩せてしまう場合
・食欲亢進
・水をたくさん飲む
・下痢や軟便
・割と元気
・興奮しやすい
・瞳孔が開きがちになる
・夜鳴きをする
・便の中に白い虫が混ざる

② 食べることができず痩せてしまう場合
・食欲低下
・嘔吐
・下痢
・脱水
・口を痛そうにする
・涎が多い
・元気がなくぐったりとしている

他にみられる症状を手掛かりにできるだけ早く体調の変化に気づき、治療につなげたいものです。

猫の「急に痩せる」症状の考えられる病気(原因)とは

内分泌疾患や寄生虫感染によって起こります。

食べているにもかかわらず痩せてしまう場合は、以下のような疾患の可能性があります。

・甲状腺機能亢進症
・糖尿病
・消化管内寄生虫

甲状腺機能亢進症は10歳以上の高齢の猫で起こりやすいホルモン疾患です。
喉のあたりにある甲状腺から分泌されるホルモンが過剰になってしまう病気で、代謝が亢進するために食欲が旺盛になり食べているにも拘らず痩せてしまいます。
甲状腺ホルモンは体の代謝を上げる作用があるため、甲状腺機能亢進症の猫は年の割に活発で元気なようにみえますが、心拍数の上昇や高血圧、夜鳴き、興奮しやすい、消化管運動が亢進して便が柔らかくなるなどといったあまり好ましくない変化がみられ、その一つに急激な痩せも含まれます。

糖尿病はインスリンというホルモンが不足する、あるいは正常に作用しないことによって起こる病気です。
重要なエネルギー源である糖を血液中から吸収・利用できないため、血糖値が上昇し、尿量・飲水量が増えます。
初期には食欲が亢進することが多いですが、進行すると体は糖の代わりに脂肪を分解してエネルギーを得ようとするようになり、体の痩せが目立つようになります。
このころには食欲は逆に低下し、高血糖による臓器障害も起こり、重症化するとぐったりと昏睡状態に陥ることもあります。

割と若い猫でも見られるものでは、消化管内の寄生虫症があります。
回虫やサナダムシ(条虫)などといった寄生虫が消化管内にいると、猫が腸で吸収するべき栄養分を横取りされてしまい、痩せてしまいます。
寄生虫がいるときには軟便~下痢をすることがあり、便の中や吐物に虫体が混ざって出てくることもあります。

体調不良から食事が十分とれず痩せてしまいます。

『食欲不振』は非特異的症状と言って、特定の疾患に特有の症状ではなくどんな疾患でも見られることがある症状の一つです。
食欲不振が長期化すると体はみるみる痩せてしまいます。

食欲不振の原因は、ウイルス疾患などの感染症や内臓の異常によって体調が悪化し食欲が急激に低下して痩せてしまう場合、口の中の異常によって食べることができなくなり痩せる場合、腫瘍性疾患によって悪液質となり痩せる場合など、様々な原因があります。

・ウイルス疾患(猫エイズウイルスや猫白血病ウイルスの発症期など)
・腫瘍性疾患
・腎臓病
・肝臓病
・呼吸器疾患
・心疾患
・消化器疾患
・口腔疾患(歯周病、口内炎、口腔内腫瘍)

これらを鑑別するためには、他にみられる症状をたよりに、血液検査、尿検査、便検査、レントゲン検査、超音波検査など、全身をくまなく検査して異常を見つけ出す必要があります。

猫の「急に痩せる」症状の好発品種について

好発する品種はありません。

品種による好発傾向は特にありません。

猫の「急に痩せる」症状の予防方法について

健康診断を定期的に受けましょう。

多くの疾患は血液検査、尿検査、便検査を行うことである程度診断が可能です。
体調不良時に検査をするのはもちろんですが、ワクチン接種時期などに合わせて定期的に健康チェックをしてあげることが、様々な疾患の早期発見につながります。

猫の「急に痩せる」症状の治療方法について

原因疾患に対する治療が必要です。

検査によって痩せる原因がはっきりしたら、それぞれの疾患に対する治療が必要です。

甲状腺機能亢進症と診断された場合には、抗甲状腺薬を投与して過剰なホルモンの働きを抑制します。
糖尿病では食事療法やインスリン投与を行い、寄生虫症では駆虫薬を投与します。

その他の疾患に対しても同様に投薬治療や食事療法などを行います。

歯周病や口内炎などの口腔内疾患が原因でご飯が食べられない場合には、必要に応じて歯科処置や抗生剤、消炎剤、インターフェロンなどの投与を検討します。

腫瘍疾患では手術や抗がん剤治療で治療が可能かどうか検討し、治療が難しい場合には痛みをとる緩和療法や高栄養の食事で体力の回復を図るケアなどが行われます。

ウイルス疾患の末期症状として痩せてきてしまった場合には、食事だけでなく体温の調整なども難しくなることがあります。
嗜好性の高い食事を少しでも食べさせ、体温が低下しないように暖かい環境でゆっくりとケアしてあげましょう。

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