ウィズぺティ
初めての方へ会員登録ログイン買い物かご
TOP > 獣医師インタビュー
獣医師インタビュー vol. 022
犬と猫のシニアの病気について
なるべく長く元気でいてもらうため。
箱崎 文彦 獣医師
箱崎動物病院 | 箱崎 文彦 獣医師
箱崎 文彦 獣医師 箱崎動物病院 院長
日本獣医生命科学大学卒業
-犬や猫にも認知症があるのですか?
犬にも、人間の認知症と同じような症状が出る病気があり、正確には認知機能不全症候群と言います。 獣医療や食事の質の向上、何よりペットを家族の一員として扱うようになり、ペットを取り巻く環境が良くなったことで、ペットの寿命はここ数十年で各段に長くなりました。
そのような中で、8歳以上の犬の実に14%の犬において、認知症が発生するという報告があります。柴犬・秋田犬・甲斐犬などの日本犬に発症が多いです。ゴールデン・レトリーバー、チワワ、ミニチュアダックスフンドなどの、洋犬における発症は少ない傾向にあります。 また、猫は犬ほど認知症は多くないですが、15歳以上になると、発症することもあります。認知症の原因として、人間では遺伝的な要素のほかに、動脈硬化や高コレストロール血症が関係するとも言われており、毎日摂取する食事や栄養分が大きく影響してきます。
-認知症はどんな症状が出るのですか?
徘徊や昼夜逆転、夜鳴き、おトイレの失敗、感情の起伏が激しくなり攻撃的になる、などが症状として現れます。
具体的には、例えば独りでいることに対して不安感が強くなったり、足腰が弱くなって思い通りに身動きが取れないため、飼い主を呼ぶために常に吠えたりします。 認知症の介護は、人間の赤ちゃんのお世話に例えられることがあります。24時間付きっきりになり、常に介助が必要になる。大変ですよね。そして認知症を患う犬は高齢であり、飼い主もまた、苦楽を共にしてきた分、ご高齢であることが多く、体力的にも負担が大きくなりやすいです。
-認知症は、治療や予防ができるのですか?
犬や猫で有効とされている治療薬は、日本では扱いが困難で、サプリメントが治療の主体になります。サプリメントの成分としては、DHAやEPAが含まれたものが注目されています。このほか規則正しい生活や散歩などの運動、飼い主さんとのコミュニケーションを通した日常の刺激が、予防や症状の改善につながります。
また認知症は、脳の重度に進行した老化が、一番の原因と言われています。そのため、老化を抑える作用のある成分、例えば抗酸化作用のある脂溶性ビタミンなどの摂取が予防につながります。これらは、バランスの取れた食事による摂取が理想的です。けれども、ペットフードが主であり、また手作り食は栄養バランスを取るのが難しいペットにおいて、サプリメントによる摂取が、最も手軽で安心できる方法です。サプリメントは、継続してこそ効果を発揮します。そのため、なるべく愛犬愛猫が好む剤型(粉か錠剤か)や味を選んであげられると良いですね。
その点、ウィズペティの「毎日一緒DHA&EPA」は、錠剤タイプか粉末タイプかを選べますし、無香料、無着色、保存料・化学調味料未使用の上、国内で製造されているので、安心してペットに与えることができると思います。
-DHAやEPAという成分は、認知症とどう関わってくるのですか?
DHAやEPAは主に青魚の脂肪に多く含まれ、体を構成するのに必要な必須脂肪酸の1つになります。DHAは脳や神経組織の発育・維持に欠かせない成分です。DHAが低下すると、脳の老化が進み、認知機能低下の要因になると言われています。逆に、しっかり摂取することで、成長期で脳や神経が発達段階の子犬や子猫においては、発育が促される効果が期待できます。
またEPAは血液の流れをスムーズにすることで動脈硬化を防ぎ、血液中のコレステロールを下げる効果もあります。これらより、DHAやEPAは判断力や集中力を高め、認知症の予防や改善につながると言われています。DHAは人間同様に犬や猫も体の中では作ることができません。近年、ペットフードもお肉を主体としたものが増えており、魚に多く含まれるDHAやEPAを食事だけで補うことが難しくなっています。サプリメントでしっかりと摂取しましょう。
-他にも認知症予防に勧められる成分を教えて下さい。
認知症の発症には、炎症反応や酸化ストレス、つまりは加齢が関わっていることが報告されています。酸化ストレスから体を守り、加齢の進行を抑制する代表的な栄養素として、抗酸化物質であるビタミン群(ビタミンA、ビタミンE、ビタミンC)があげられます。なかでもビタミンEは強い抗酸化作用を持つとともに、抗炎症作用も持ち合わせます。血管や毛並みの老化を防ぎ、血行を促進するなど、生活習慣病の予防にも効果があります。またビタミンB12は気持ちを落ち着かせる効果もあるため、ちょっとした生活環境の変化でストレスを感じやすいペットには、ぜひ摂取してほしい成分です。
このほか、亜麻仁油に含まれるαリノレン酸は、体内でDHAやEPAに作り替えられます。血液中のコレステロールを下げる役割もあるため、認知症の予防にも効果的です。またイチョウ葉エキスは、脳の老化を引き起こすタンパク質の生成を抑制し、脳の血流を良くする効果が期待できます。
また、人間の認知症やアルツハイマー病の予防効果を期待されるフェルラ酸が最近注目されています。
認知症発症原因の1つであるリン酸化タウタンパク質の蓄積を低下させる作用と、アルツハイマー病の原因物質であるβ-アミロイドペプチドによる脳内炎症やアセチルコリン(神経伝達物質)の低下を抑制すると言われています。
また、フェラル酸には他の栄養成分を酸化から守る強い酸化防止の効果があるため、熱に弱いDHA・EPAを酸化から守る働きが期待できます。
-ありがとうございます。最後に、愛犬愛猫家の皆様へ向けてのメッセージをお願いいたします。
認知症のペットのお世話は、今までずっと、私たち飼い主を癒してくれたペットたちに対する最後のお礼だと思います。けれども、現実には相当の労力と覚悟が必要になります。
ペットの寿命は私たち人間よりずっと短く、元気に見えても7歳を超えたらもうシニアの範囲になります。家族の一員であるペットが、看取る最後まで、なるべく長く元気でいてもらうためにも、シニアと呼ばれる年齢になったら、サプリメントを活用しながら、体のバランスを取れると良いですね。
獣医師箱崎動物病院
箱崎 文彦 獣医師
※以上の記事は、獣医師個人の感想であり効果・効能を示すものではありません。
ページ先頭へ