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獣医師インタビュー vol. 025
犬と猫の皮膚の病気について
毎日のスキンケアによって
維持できるのが理想。
京橋コパン動物病院 髙倉 裕人 獣医師
京橋コパン動物病院 | 髙倉 裕人 獣医師
髙倉 裕人 獣医師 京橋コパン動物病院 院長
麻布大学獣医学科卒業
-犬の皮膚トラブルについて教えて下さい。
動物病院において犬は皮膚トラブルでの来院が、病気の中では最も多いです。
皮膚は内臓と違い普段目に見えるので飼い主様が異変に気づきやすいというのも要因の一つだと考えます
一言で皮膚トラブルと言っても、犬アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、細菌や真菌の感染症、ノミ・マダニ・シラミなどの寄生、自己免疫疾患、ホルモン性疾患、ストレス性疾患など、多岐にわたります。
特に多いのは犬アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、細菌や真菌の感染症でしょう。
犬アトピー性皮膚炎は簡単に言うと環境性のアレルゲンに対するアレルギーによって引き起こされる皮膚炎で、柴犬、シーズー、フレンチブルドッグ、パグ、ウエストハイランドホワイトテリア、ラブラドール、ボストンテリアなどが好発犬種ですが、すべての犬種で起こり得ます。
犬アトピー性皮膚炎で痒みが出やすい部位としては耳や手足の先、腋や内腿ですが、これらの部位の痒みは食物アレルギーでも見られます。
食物アレルギーに特徴的な病変部位としては、目や口まわり、背中、肛門周囲などがあります。
-犬アトピー性皮膚炎と食物アレルギーについて教えて下さい。
犬アトピー性皮膚炎は環境性のアレルギーですので、季節性があります。
花粉やハウスダストマイト(室内に生息するチリダニの死骸)の量が多くなる春先から夏にかけてが痒みのピークとなり、アレルゲンがあまり飛ばない冬場には痒みは落ち着いてきます。
一方食物アレルギーは一年中痒みがあるのが特徴です。
痒みの初発時期は、犬アトピー性皮膚炎では2~3歳が多いのに対して、食物アレルギーの場合は1歳未満から何らかの症状を出すことが多いです。
また、食物アレルギーの子は1日の排便回数が3回以上と多くなることがあります。
似たような症状の犬アトピー性皮膚炎と食物アレルギーですが、このような違いがあります。
愛犬が何に対してアレルギーを持っているかはアレルギー検査を実施しないとわかりません。 
痒みが強いタイミングでの検査が望ましいです。
-食物アレルギーの治療について教えて下さい。
食物アレルギーの治療はアレルギーの原因となるものを含まない食事に切り替えるしかありません。
-アトピー性皮膚炎の治療について教えて下さい。
アレルギーによって炎症が起きた皮膚はバリア機能が喪失し、細菌など悪化因子の侵入を容易にし、より炎症が増すという悪循環に陥ります。
この悪循環を断つことが重要となります。

対処法としては、
①アレルゲンの回避
②炎症への対処
③悪化因子のコントロール
④皮膚のケアです。

①ダニに対してカーペット畳、布団などのこまめな掃除・洗濯、カビが生えやすいエアコンフィルターの清掃、散歩後はワンちゃんや飼い主様に付着した花粉を取り除くようにブラッシングなどを心掛ける、空気清浄機の設置など、極力アレルゲンを回避するよう努めましょう。

②アレルギーの痒みによる苦しみから早く解放してあげるにはお薬を使用する必要があります。アレルギーの子に対してよく使われるのはステロイド剤です。
即効性があり痒みを抑える能力が高く比較的安価なため、アレルギー治療には必須とも言える薬ですが、長期間投与することで副作用が出ることもあるため注意が必要です。
そのため外用剤と併用したり、免疫抑制剤を使用することもあります。
近年は犬の皮膚科の研究が進みステロイド剤に変わる即効性のある薬剤や、月に1回の注射で痒みを抑えられる薬剤なども登場しています。かかりつけの獣医師に相談してみましょう。

③皮膚のバリア機能低下により異常繁殖した細菌や真菌は痒み止めの薬を使っても減らすことはできません。
抗生物質や抗真菌薬の内服や外用剤などを使用する必要があります。

④皮膚は全体重の12%を占める最大の臓器です。
外の環境には乾燥、紫外線、微生物など体にとって不利益な要因がたくさん存在します。


これらから体内の環境を守るという大きな役割が皮膚にはあります。また、体内の水分やミネラルが体外へ奪われないようにする役割もあります。スキンケアはアレルゲンが体内に侵入しないようにするために重要です。
外からのスキンケアとしては、洗浄や保湿があります。シャンプーによる洗浄は皮膚に刺激となるアレルゲンや汚れ、角質を除去することができます。シャンプーの種類も多様ですので、その子の皮膚の状態にあったシャンプーを獣医師と相談して決めましょう。保湿剤を使用することで皮膚の水分保持力を高め、また、洗浄による皮膚の負担を軽減してくれます。内からのスキンケアは、生活改善や栄養管理があります。健康な皮膚を維持するためには、人間と同じで規則正しい生活を送ることが重要です。十分な睡眠時間、適度な運動、ストレス緩和を心掛けましょう。栄養管理としては適切な食事、サプリメントの投与が重要となってきます。
-犬猫用皮膚・毛艶サプリ「毎日美肌 PS-B1&ローヤルゼリー」についてご意見をお聞かせください。
この「毎日美肌」には皮膚の健康に配慮された栄養素が配合されています。
ローヤルゼリーには豊富なビタミン、ミネラル、アミノ酸が含まれています。
ローヤルゼリーに含まれるビタミンB2,B6は皮膚の新陳代謝に関わり、毛質を良好にする効果があります。接種が不足すると過剰なフケや皮脂バランスが悪化します。
月見草油に含まれるγ-リノレン酸には抗炎症作用があり、リノール酸は皮膚からの水分の喪失を防ぐ作用があります。
ビオチンはビタミンB7とも呼ばれ、皮膚の乾燥やフケ、脱毛を抑える作用があります。
αトコフェロールはビタミンEの中で生物学的活性最も高く、活性酸素によるダメージから細胞膜を保護してくれます。
免疫力を上げるには腸内環境は非常に重要です。腸内環境を整えるPS-B1が配合されていることにより、アレルギー症状の緩和や、効率よく栄養を吸収でき毛ヅヤが改善するなどの効果が期待できます。

細胞性免疫の活性化および抗腫瘍効果が報告されているβグリカンですが、その免疫賦活作用や免疫調整作用によりアレルギー性疾患に対する効果も期待されています。
このように、「毎日美肌」には皮膚の健康に必要な栄養がたくさん配合されています。
最近は手作り食を与えられている飼い主様も増えています。
手作り食は嗜好性が良く、添加物を使用しないため安心して与えられるのがとても良いところですが、栄養をバランスよく配合するのが難しい印象です。
手作り食を続けることによって皮膚や毛に栄養が行きわたらず、皮膚病になる子も近年増えています。
嗜好性の問題で皮膚の療法食に切り替える事が困難な子もいます。
その場合は本品のようなサプリメントで栄養素の補給をしてあげましょう。
粉末タイプなので普段の食事のトッピングとしても使いやすいです。

わんちゃんほど多くはありませんが、猫ちゃんにもアレルギーなどによる皮膚病が起こります。
ミルク味で嗜好性が良く、猫ちゃんもよく食べてくれる印象です。
食物アレルギーの疑いがある子は原材料を確認し、獣医師に相談しましょう。
-ありがとうございます。最後に、愛犬愛猫家の皆様へ向けてのメッセージをお願いいたします。
症状が悪い時はお薬が必要ですが、最終的には薬を使わず、シャンプーによる洗浄、ブラッシング、サプリメントや食事による栄養管理など毎日のスキンケアによって維持できるのが理想と考えます。
獣医師とよく相談し、愛犬愛猫にとって最適な方法を見つけてあげましょう。
獣医師京橋コパン動物病院
髙倉 裕人 獣医師
※以上の記事は、獣医師個人の感想であり効果・効能を示すものではありません。
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