獣医師インタビュー vol. 026
犬と猫の肝臓の病気について
肝臓は「沈黙の臓器」と言われる
だけあり、初期症状は見逃しがちです。
だけあり、初期症状は見逃しがちです。
ペットサロンBEANS | 加藤 由生子 獣医師
加藤 由生子 獣医師
ペットサロンBEANS 院長
酪農学園大学 獣医学科卒業
酪農学園大学 獣医学科卒業
-犬・猫の肝臓はどのような働きをするのでしょうか?また肝臓の病気にかかるとどのような症状が見られるのですか?
肝臓には様々な役割がありますが、大きく分けて4つに分類されます。
1 代謝
2 エネルギーの貯蓄
3 解毒
4 胆汁の生成
です。
炎症や脂肪の蓄積など、なんらかの理由で肝臓が本来の機能を発揮できなくなる状態を肝臓病(肝疾患)といいます。
主な症状としては食欲不振・嘔吐・下痢、元気がなくなる、体重の減少、多飲多尿などが見られます。重症化するとお腹が膨らむ(腹水)、白目や歯茎が黄色くなる(黄疸)、黒色便(メレナ)などが見られるようになり、肝臓でアンモニアなどの毒素の解毒ができないようになると、肝性脳症による神経症状なども見られるようになります。
ただ、これらは他の臓器の病気でも見られる症状でもあるために、肝臓が原因であると見逃しがちです。また肝臓は再生能力が高く、それゆえに症状が見られる頃にはかなり病状が進行しているなどということもあります。肝臓が「沈黙の臓器」と呼ばれているのはそのためです。
1 代謝
2 エネルギーの貯蓄
3 解毒
4 胆汁の生成
です。
炎症や脂肪の蓄積など、なんらかの理由で肝臓が本来の機能を発揮できなくなる状態を肝臓病(肝疾患)といいます。
主な症状としては食欲不振・嘔吐・下痢、元気がなくなる、体重の減少、多飲多尿などが見られます。重症化するとお腹が膨らむ(腹水)、白目や歯茎が黄色くなる(黄疸)、黒色便(メレナ)などが見られるようになり、肝臓でアンモニアなどの毒素の解毒ができないようになると、肝性脳症による神経症状なども見られるようになります。
ただ、これらは他の臓器の病気でも見られる症状でもあるために、肝臓が原因であると見逃しがちです。また肝臓は再生能力が高く、それゆえに症状が見られる頃にはかなり病状が進行しているなどということもあります。肝臓が「沈黙の臓器」と呼ばれているのはそのためです。
-肝臓の病気にはどのようなものがあるのでしょうか?
肝臓病の原因は様々です。ウイルスや細菌、寄生虫の感染によるもの、薬剤や毒物による中毒によるもの、食事や代謝によるもの、腫瘍によるもの、先天的なものなどがあります。また、進行速度よって急性と慢性に分けられます。
犬であればアデノウイルスの感染よって起きる犬伝染性肝炎(犬アデノウイルス1型感染症)などが有名です。治療法のない病気ですが、ワクチンで防ぐことができます。
猫であれば肝リピドーシス、いわゆる脂肪肝が多く見られます。無理なダイエットやホルモンの異常など、特に肥満体型の猫が丸1日食事を摂れない時は要注意です。
犬であればアデノウイルスの感染よって起きる犬伝染性肝炎(犬アデノウイルス1型感染症)などが有名です。治療法のない病気ですが、ワクチンで防ぐことができます。
猫であれば肝リピドーシス、いわゆる脂肪肝が多く見られます。無理なダイエットやホルモンの異常など、特に肥満体型の猫が丸1日食事を摂れない時は要注意です。
-肝臓病の予防に必要な事はなんでしょうか?
肝臓病はその高い再生能力から適切な栄養管理により回復する場合があるため、他の病気と比較して食事療法の重要性が高いといえます。
肝臓の機能が低下すると食事から摂った栄養素をエネルギーとして貯蓄することが上手くできなくなるため、痩せてきます。肝細胞を再生させるためにもタンパク質が必要になりますが、重度の肝臓病になるとタンパク質を代謝する過程でできるアンモニアの解毒ができず、前述した肝性脳症を引き起こす原因となってしまいます。消化性の高いタンパク質の量を制限しながら調節していくことになります。
また、猫の場合は脂質も制限する必要があります。
このような食事制限を行う中で、サプリメントなどの栄養補助食品は必要な栄養素を補充するのに大変便利だといえますね。
肝臓の機能が低下すると食事から摂った栄養素をエネルギーとして貯蓄することが上手くできなくなるため、痩せてきます。肝細胞を再生させるためにもタンパク質が必要になりますが、重度の肝臓病になるとタンパク質を代謝する過程でできるアンモニアの解毒ができず、前述した肝性脳症を引き起こす原因となってしまいます。消化性の高いタンパク質の量を制限しながら調節していくことになります。
また、猫の場合は脂質も制限する必要があります。
このような食事制限を行う中で、サプリメントなどの栄養補助食品は必要な栄養素を補充するのに大変便利だといえますね。
-「毎日良肝 肝臓エキス&プラセンタ」についてご意見をお聞かせください。
「毎日良肝」には「肝臓エキス(肝臓加水分解物)」、「プラセンタ」、「酵母」、「BCAA」、「ウコン抽出物」、「マリアアザミエキス」、「亜鉛」、「オルニチン」の合計8種類が配合されています。
まず、肝臓エキス(肝臓加水分解物)とは、肝臓に消化酵素を加えて消化吸収しやすいように分解したものです。肝臓エキスに含まれた成分は障害を受けた肝臓の酵素活性の正常化、蛋白合成の促進、肝の血流増加作用による肝細胞の保護・活性化による再生のサポートが期待できます。
プラセンタとは哺乳動物の胎盤の事で、こちらのサプリメントには豚由来の物が使われています。プラセンタには「肝細胞増殖因子(HGF)」があり、この働きにより肝細胞の再生を促して肝機能を高め、肝臓の繊維化の分解・除去を促します。また、プラセンタは活性酸素の発生の抑制・除去の作用を持つため、抗炎症作用も期待できます。
酵母は、関節や肝臓、脳を健康に保つ働きがある成分として注目されています。ただ、酵母は安定化させることが難しい物質で、天然の酒酵母の中で安定化させています。
酵母は肝臓の解毒作用に関わる成分であるグルタチオンの合成と再活性化に重要や働きを果たしています。摂取することでグルタチオンが活性化され、抗酸化作用が増強し、肝炎の予防が期待できます。
ウコンは古くから中国やインドで黄疸に効く生薬として用いられてきました。ウコンに含まれる成分の中でもクルクミンと呼ばれる活性成分は肝臓の解毒機能を高める作用と胆汁の分泌を促す作用があり、それによって肝臓の機能を高めることができると考えられています。クルクミンはウコンからその成分を抽出して与えることで効率よく体に吸収させることができます。胆汁の分泌が促進されることで、コレステロール値の低下も期待できます。
BCAAとはバリン・ロイシン・イソロイシンという3つの必須アミノ酸の総称です。BCAAは筋肉で代謝されるため、肝臓に負担をかけないBCAAを補給して肝細胞の回復をサポートするのは理にかなっています。肝臓に負担をかけずにアンモニアの代謝を改善させ、タンパク質代謝を底上げすることで肝機能を効率よく改善し、低タンパク血症・血液凝固異常の改善をも促す結果に繋がります。
シリマリンとはマリアアザミというキク科の植物の種子に含まれる成分です。抗酸化・抗炎症作用、肝臓の再生促進、繊維化抑制、抗腫瘍作用、肝保護作用など幅広い効果が報告されています。ヒトにおいてもヨーロッパでは古くから肝臓や膵臓のケアに良いとされ、長年研究・使用されていました。
亜鉛は身体の老廃物であるアンモニアの代謝に関わる補酵素として働く重要な成分です。ですが、慢性肝疾患や肝硬変になると亜鉛を運搬するアルブミンというタンパク質の合成が肝臓で上手くできず、亜鉛は尿中に排泄されてしまい血中の亜鉛濃度が低下し、結果アンモニアの解毒代謝が低下して肝性脳症が引き起こされてしまいます。これを解決するために、タンパク質の元となるBCAAと亜鉛を補給してあげることが必要になります。
また、テリア系の犬種では銅が肝臓にたまり肝炎を引き起こしてしまう、「銅蓄積性肝障害」が起こりやすいとされています。
亜鉛は銅の吸収を妨げる働きがあるため、亜鉛を含むサプリメントを与えることで、そのサポートも期待できます。
肝臓にはオルニチン回路という代謝経路があります。これはオルニチンというアミノ酸の一種を介して、アンモニアを無毒な尿素に解毒する経路です。オルニチンを摂取するとオルニチン回路が潤滑に回り、肝臓でのアンモニアなどの解毒が促進され、肝臓だけでなく、全身の疲労回復作用がもたらされます。
まず、肝臓エキス(肝臓加水分解物)とは、肝臓に消化酵素を加えて消化吸収しやすいように分解したものです。肝臓エキスに含まれた成分は障害を受けた肝臓の酵素活性の正常化、蛋白合成の促進、肝の血流増加作用による肝細胞の保護・活性化による再生のサポートが期待できます。
プラセンタとは哺乳動物の胎盤の事で、こちらのサプリメントには豚由来の物が使われています。プラセンタには「肝細胞増殖因子(HGF)」があり、この働きにより肝細胞の再生を促して肝機能を高め、肝臓の繊維化の分解・除去を促します。また、プラセンタは活性酸素の発生の抑制・除去の作用を持つため、抗炎症作用も期待できます。
酵母は、関節や肝臓、脳を健康に保つ働きがある成分として注目されています。ただ、酵母は安定化させることが難しい物質で、天然の酒酵母の中で安定化させています。
酵母は肝臓の解毒作用に関わる成分であるグルタチオンの合成と再活性化に重要や働きを果たしています。摂取することでグルタチオンが活性化され、抗酸化作用が増強し、肝炎の予防が期待できます。
ウコンは古くから中国やインドで黄疸に効く生薬として用いられてきました。ウコンに含まれる成分の中でもクルクミンと呼ばれる活性成分は肝臓の解毒機能を高める作用と胆汁の分泌を促す作用があり、それによって肝臓の機能を高めることができると考えられています。クルクミンはウコンからその成分を抽出して与えることで効率よく体に吸収させることができます。胆汁の分泌が促進されることで、コレステロール値の低下も期待できます。
BCAAとはバリン・ロイシン・イソロイシンという3つの必須アミノ酸の総称です。BCAAは筋肉で代謝されるため、肝臓に負担をかけないBCAAを補給して肝細胞の回復をサポートするのは理にかなっています。肝臓に負担をかけずにアンモニアの代謝を改善させ、タンパク質代謝を底上げすることで肝機能を効率よく改善し、低タンパク血症・血液凝固異常の改善をも促す結果に繋がります。
シリマリンとはマリアアザミというキク科の植物の種子に含まれる成分です。抗酸化・抗炎症作用、肝臓の再生促進、繊維化抑制、抗腫瘍作用、肝保護作用など幅広い効果が報告されています。ヒトにおいてもヨーロッパでは古くから肝臓や膵臓のケアに良いとされ、長年研究・使用されていました。
亜鉛は身体の老廃物であるアンモニアの代謝に関わる補酵素として働く重要な成分です。ですが、慢性肝疾患や肝硬変になると亜鉛を運搬するアルブミンというタンパク質の合成が肝臓で上手くできず、亜鉛は尿中に排泄されてしまい血中の亜鉛濃度が低下し、結果アンモニアの解毒代謝が低下して肝性脳症が引き起こされてしまいます。これを解決するために、タンパク質の元となるBCAAと亜鉛を補給してあげることが必要になります。
また、テリア系の犬種では銅が肝臓にたまり肝炎を引き起こしてしまう、「銅蓄積性肝障害」が起こりやすいとされています。
亜鉛は銅の吸収を妨げる働きがあるため、亜鉛を含むサプリメントを与えることで、そのサポートも期待できます。
肝臓にはオルニチン回路という代謝経路があります。これはオルニチンというアミノ酸の一種を介して、アンモニアを無毒な尿素に解毒する経路です。オルニチンを摂取するとオルニチン回路が潤滑に回り、肝臓でのアンモニアなどの解毒が促進され、肝臓だけでなく、全身の疲労回復作用がもたらされます。
-「毎日良肝 肝臓エキス&プラセンタ」をおすすめする理由は?
「毎日良肝:ミルク味粉末タイプ」には上記の8つの成分が含まれており、肝臓の健康維持のために良く配慮されたサプリメントだといえます。また、含有量もすべて記載されているため、安心できます。
さらに無香料・無着色・保存料未使用、化学調味料未使用、そして国内工場での生産なので安心して大切なペットに与えることができますね。
また、犬猫の好きな脱脂粉乳に混ぜてある粉末タイプなので食事に振りかけたり、溶かして舐めさせたりと与えやすいのもポイントです。
さらに無香料・無着色・保存料未使用、化学調味料未使用、そして国内工場での生産なので安心して大切なペットに与えることができますね。
また、犬猫の好きな脱脂粉乳に混ぜてある粉末タイプなので食事に振りかけたり、溶かして舐めさせたりと与えやすいのもポイントです。
-ありがとうございます。最後に、愛犬愛猫家の皆様へ向けてのメッセージをお願いいたします。
肝臓は「沈黙の臓器」といわれるだけあり、初期症状は見逃しがちです。ですが一方で、再生力が強く毎日の食事やサプリメントで予防・回復も可能なのです。
食事もサプリメントも長く続けることが大切になります。愛犬・愛猫の健康のために無理なく続けられる方法を探しましょう。
ペットサロンBEANS
加藤 由生子 獣医師
加藤 由生子 獣医師
※以上の記事は、獣医師個人の感想であり効果・効能を示すものではありません。