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獣医師インタビュー vol. 027
犬と猫の体重について
肥満になると体に様々な
悪影響を及ぼします。
加藤 由生子 獣医師
ペットサロンBEANS | 加藤 由生子 獣医師
加藤 由生子 獣医師 ペットサロンBEANS 院長
酪農学園大学 獣医学科卒業
-肥満によって起きる問題にはどのようなものがありますか?
肥満は摂取したエネルギーと消費するエネルギーのバランスが崩れることで起きてしまいます。一般的に適正体重を15~20%以上を超えてしまうと肥満といえます。
肥満になると体に様々な悪影響を及ぼします。心臓へ負担がかかるため心臓病の原因や悪化に、首回りの脂肪が気管を圧迫することでの呼吸困難、体重の増加による関節への負担や麻酔や手術でのリスクの増加などが挙げられます。
また、肥満が原因、また悪化させる可能性のある病気としては糖尿病が挙げられます。
-犬・猫の糖尿病についてお聞かせ下さい
糖尿病とは血糖値(血液中のブドウ糖)が慢性的に高くなる病気です。食事を摂ることで血糖値は上がりますが、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンによって肝臓や筋肉ではブドウ糖はグリコーゲンというエネルギー源となり、脂肪組織では脂肪として蓄えられます。この仕組みによって血糖値は一定に保たれているのです。
糖尿病ではこのインスリンの分泌量が減少したり、働きが弱くなってしまったために血糖値が高い状態が続いてしまいます。ヒトの糖尿病は、大きく2種類に分類されます。膵臓の細胞が様々な原因で障害を受け、インスリンを分泌する力が弱まってしまうインスリン依存型のⅠ型糖尿病。もうひとつは肥満やストレスによって膵臓の働きが弱まったり、作られたインスリンが十分に作用しないことによって発症するⅡ型糖尿病です。ヒトの場合は多くはⅡ型糖尿病で、中高年の発症が多いのが特徴です。
-犬・猫の糖尿病はヒトとは違うのですか?
犬や猫の場合、犬はヒトのⅠ型に、猫はヒトのⅡ型糖尿病に似ていると言われています。犬の糖尿病は膵臓のβ細胞の破壊を特徴としているため、インスリン欠乏になり、生存にインスリンの注射が不可欠となります。また、犬の肥満は必ずしも糖尿病の直接的な原因となるわけではありませんが、インスリン抵抗性の原因となり、糖尿病を悪化させることになります。糖尿病になりやすい犬種というのはありませんが、8歳以上の中高齢での発症が多く、性ホルモンが関わる糖尿病もあるために比較的メスに多く見られます。
一方、猫の糖尿病はヒトのⅡ型糖尿病に類似しており、肥満は特に危険因子となりえます。インスリンの分泌は残っておりインスリンの注射は不可欠ではありませんが、高血糖の状態が長く続いたり、慢性膵炎などで膵臓の破壊が進行すると治療にインスリン注射が必要となってきます。犬と同様に好発の猫種はありませんが、中高齢での発症が多く、去勢オスでの発症が多いのは肥満が関係しているようです。
-糖尿病になるとどのような症状が見られるのですか?
水を飲む量が増え、おしっこの回数・量が増える、食欲の増加または食欲不振、食べているのに痩せてくるなどの症状が見られます。重症化すると食欲がなくなり、糖尿病ケトアシドーシスという病態に進行して命に関わります。
-糖尿病はどのような治療をするのですか?
生活習慣の改善や食事療法、運動療法によって血糖値のコントロールを行います。また、インスリン反応性であればインスリンの注射も必要になります。基礎疾患や併発疾患がある場合、血糖値のコントロールに影響が出ることも多いために同時に治療を行います。インスリン注射による血糖値のコントロールはその子に適切なインスリンの種類・投与量・投与間隔などを見極め、自宅で飼い主さんが注射を行います。
-「毎日習慣 サラシア&イヌリン」についてご意見をお聞かせください。
「毎日習慣」には血糖値の上昇を抑える作用を持つものとして「サラシア」、「イヌリン」、「桑の葉」、血糖値を下げる作用を持つ「バナバ」、「クロム」、そして糖類の吸収を
抑制する作用を持つ「難消化デキストリン」「マイタケ末」「ギムネマ」の計8種類の成分が配合されています。
サラシアは南アジアや東南アジアに生息するツル科植物で、古くから薬草として用いられてきました。小腸での糖の吸収を阻害することで血糖の上昇を抑えます。また、脂肪燃焼の効果も認められています。
イヌリンはゴボウ・ニンニク・ニラ・タマネギなどに含まれる多糖類の一種で、消化・吸収されにくい水溶性の食物繊維として分類されます。その性質から胃から小腸への食べ物の移動を緩やかにするため、糖の吸収速度も遅くなり、結果食後の血糖値の上昇を緩やかにします。他にも脂質代謝の改善効果や腸内環境を整えることによる便秘の改善などの効果も期待できます。
桑の葉には糖質を分解する酵素を阻害する働きがあり、腸管からの吸収を抑えることで食後の血糖値上昇を緩やかにします。他にも便通の改善、内臓脂肪を減少させる効果、血中脂質の改善などの効果が報告されています。
ギムネマはインド原産の多年草で小腸での糖の吸収阻害する効果が報告されています。また、摂り過ぎた糖を中性脂肪として体に蓄積されにくくする働きや脂質の吸収を抑える働きがあることもわかっています。
マイタケに含まれるβグルカンは免疫力を高めガンを抑制する効果があることで有名ですが、食物繊維として食事中の糖や脂肪の吸収を緩やかにする効果もあります。また、インスリンの感受性を高めるアディポネクチン分泌の正常化を促す効果が得られたり、マイタケに含まれるグリスリンという成分はインスリン抵抗性を改善するとも言われています。他にも中性脂肪やコレステロールを下げる作用もあり、ビタミン豊富なマイタケは血糖値や脂質、肥満の気になる犬猫には必要な成分とも言えますね。
難消化デキストリンはトウモロコシが原料の水溶性食物繊維です。糖の吸収を緩やかにすることで血糖の上昇を抑えます。他にも整腸作用や血中の中性脂肪の上昇も抑える作用、内臓脂肪を抑える作用、ミネラルの吸収促進作用なども認められています。
バナバは熱帯地域に分布する植物で、インスリンに似た働きを持つと言われており、フィリピンでは薬用植物として指定されています。
クロムは体内に微量に存在する必須ミネラルの1つで、糖・タンパク質・脂質などのあらゆる代謝に関わっており、特にインスリンの増強作用やコレステロール値の低下作用などが注目されています。
-「毎日習慣 サラシア&イヌリン」をおすすめする理由は?
糖尿病は過剰に摂取した糖分を処理するため、膵臓からインスリンが過剰に分泌されることにより膵臓が疲弊した結果として起きる場合があります。「毎日習慣 サラシア&イヌリン」には血糖値の上昇を抑える効果を持つ成分が入っているため、糖尿病の予防が期待できます。また、糖尿病の予防はもちろん、糖尿病と診断されてからも体重管理は非常に重要になります。「毎日習慣 サラシア&イヌリン」には脂肪燃焼の効果、内臓脂肪を減少させる効果、血中脂質の改善など肥満の予防・改善も期待ができる成分も含んでいるためおすすめできます。
また、こちらは脱脂粉乳が主成分となっているため香りも良く、与えやすくなっているのもポイントですね。
-ありがとうございます。最後に、愛犬愛猫家の皆様へ向けてのメッセージをお願いいたします。
ヒトにおいても肥満は万病の元といわれますが、ワンちゃんやネコちゃんにおいてもそれは同様です。特に糖尿病は食事管理と血糖のコントロールを生涯続けていく必要のある病気です。肥満になったら必ずかかる病気ではありませんが、リスクは高くなります。大切なペットを守るためにも、食事の管理やサプリメント、適度な運動などで予防していきたいですね。
獣医師ペットサロンBEANS
加藤 由生子 獣医師
※以上の記事は、獣医師個人の感想であり効果・効能を示すものではありません。
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