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獣医師インタビュー vol. 028
犬と猫のお口の病気について
ワンちゃん、ネコちゃんの
8割が歯周病。
箱崎 加奈子 獣医師
ペットスペース&アニマルクリニックまりも | 箱崎 加奈子 獣医師
箱崎 加奈子 獣医師 ペットスペース&アニマルクリニックまりも 院長
麻布大学獣医学部獣医学科卒業
-ワンちゃんネコちゃんのお口のトラブルは多いのでしょうか?
実際に診察していてもほとんどの子で歯肉の炎症や歯垢・歯石の蓄積が見られます。ワンちゃん、ネコちゃんの8割が歯周病。そんな情報を目にした方も多いのではないでしょうか。デンタルケアの意識は高まり、たくさんのケアグッズも販売されています。なにがしかのホームケアをされているご家庭も多いですが、それでも口腔内のトラブルを抱えている子は多いです。口の痛みで食事が食べられなくなってしまったり、腫れたり、膿が溜まるなど重篤な症状で全身麻酔下による処置、治療を行うことも少なくありません。
-歯周病について教えて下さい
主に細菌によって口腔内で起こる炎症の総称です。歯肉が炎症を起こしたり、腫れたり(歯肉炎)、歯を支えている歯周組織が破壊されてしまう(歯周炎)こともあります。さらに進行すると歯の根元(歯根部)が膿んだり、歯を支える顎の骨(歯槽骨)が溶けてしまいます。歯がぐらつくことにより、痛みが出たり、口臭も気になります。特に猫は痛みにより食事が摂れなくなってしまうことも少なくありません。最終的には歯が抜け落ちたり、下顎が骨折してしまうこともあります。また、歯周病菌が血流にのって、心臓・肝臓・腎臓など内臓にも影響することもあります。
-歯周病の原因を教えてください。
歯垢(プラーク)が蓄積することが原因です。歯垢は細菌の塊で、これを放置すると細菌自体や細菌の出す毒素によって歯肉に炎症が起こります。
わずか2~3日間で歯垢が石灰化し、歯石に変化します。人間では歯垢から歯石へは20日ほどかかると言われているので、私たちよりも歯周病になりやすいといえるでしょう。
歯の表面に付いた歯垢(プラーク)歯石は歯周ポケット(歯と歯茎の間)に入り込み、歯の根元が化膿したり、顎の骨を溶かし、歯周病は重篤化します。
歯垢が溜まる原因はいくつかありますが、食べれば当然食べかすが溜まるので、歯磨きの習慣がない場合、歯垢は溜まります。食事内容(ドライフードかウェットフードかなど)、飲水量、唾液の質、歯並びなどによっても歯垢の溜まりやすさは異なります。中には歯磨きの習慣がほとんどなくても歯垢が溜まりづらい子もいます、反対にしっかり歯磨きをしていても歯垢がすぐに溜まってしまう子もいます。また加齢によっても変化していきます。一般的に高齢になると唾液の分泌が低下してくるので、デンタルケアの重要性は高まっていきます。
-歯磨きは毎日必要なのでしょうか。
お伝えしたように、歯磨き習慣がなくても口腔内トラブルのない子もいますが、ワンちゃん、ネコちゃんの寿命は15年前後。この間ずっとお口の中はピカピカということはなかなか考えられません。歯周病を患ってから、歯磨きの重要性を痛感する飼い主さんはとても多いもの。ぜひ、子犬さん、子猫さんの時から毎日の歯磨きを習慣としたいところです。具体的な方法は、最終目標としては私たち人間の歯磨きと同じような形を目指していただくようによくご説明します。毎食後、歯ブラシを使って、食べかす、歯垢を落とせると理想的です。私たちのように歯を磨いた後に口をゆすぐことができないので、それらを考慮して歯ブラシや歯磨きシート(ガーゼなどでもOK)を水でゆすぎながらすると良いでしょう。歯垢などの汚れを取るような成分の入った市販の歯磨きジェルやペーストも有効だと思います。
人間のお子さんが小さい頃からご両親と歯磨きの練習をするように、ワンちゃん、ネコちゃんも少しずつステップアップしながら、歯磨きに馴らしていきます。
小さい頃からの歯磨き習慣が理想的ですが、歯磨きは重要性に気づいたときから始めるのでも遅くはありません。ただし歯肉に炎症や歯がぐらついてる場合などは痛みがあることもありますので、慎重に始めてください。一度痛い経験をさせてしまうと、警戒してしまったり、時には攻撃的に嫌がるようになってしまうこともあります。まずは治療をして、痛みを取ってからの方がスムーズに歯磨きを始めることができます。受診して、歯の状況を正しく把握することが大切です。歯磨き練習にはステップアップのコツがありますので、動物病院などでご相談いただけると良いと思います。
-歯磨きの重要性はわかりました。犬猫用口腔サプリメント「毎日口健 ラクトフェリン&KT-11」について、ご意見をお聞かせください
口腔ケアの基本は歯周病の原因である細菌の塊である歯垢(プラーク)を物理的に歯磨きで除去することですが、サプリメント「毎日口健 ラクトフェリン&KT-11」の併用は大変有効だと考えます。また、お口を触られることに抵抗がある子、攻撃性のある子、特にネコちゃんに歯磨きを受け入れてくれない子は多いです。
うちの子は歯磨きができない、と諦めるのではなく、「毎日口健 ラクトフェリン&KT-11」の活用をおすすめしたいです。
歯周病菌の抑制、抗炎症、免疫活性などを期待できる「毎日口健 ラクトフェリン&KT-11」は、デンタルケアの1つのアプローチとなるでしょう。「毎日口健 ラクトフェリン&KT-11」に配合されている成分として、感染防御機能を持ったラクトフェリン、機能性乳酸菌であるKT-11(クリスパタス菌)、優れた消臭・殺菌・抗炎症効果がある甜茶抽出物は歯周病菌の増殖を防ぎます。
お口の健康というと、歯石の付着を心配する方も多いかもしれませんが、表面的な歯石の除去だけでは歯周病のコントロールは難しいです。歯石だけを除去し、歯はキレイだし、口臭も気にならない、と安心していたら歯根部の歯周炎が重篤化していた・・・というケースもあります。歯周病菌によって作られるタンパク分解酵素により歯肉の細胞が破壊され、炎症や出血、さらに進行すると歯槽骨の破壊による将歯の脱落へとつながります。グロビゲンは歯周病菌の出すタンパク分解酵素を抑制する効果があり、歯周病の進行を抑制し、歯槽骨の破壊による将来的な歯の脱落を防ぐことが期待できます。
そのほかにも、お口の健康維持に必要な「ルブス抽出物」、「ポリグルタミン酸」、「ナタマメ」、「アスコフィラン」などの複数の成分が配合されているのでおすすめできます。
ルブス抽出物に含まれる甜茶ポリフェノールには優れた消臭・殺菌・抗炎症効果が期待できます。また「ルブス抽出物」と「ポリグルタミン酸」には唾液の分泌量を促進する効果もあります。唾液の分泌が増えることによって口腔内を洗浄し、唾液に含まれる免疫物質が口腔内で正常に作用することで歯周病菌の増殖を抑制するため、口臭対策と歯周病予防におすすめの成分です。

「ナタマメ」は古くから漢方薬として重宝されてきた歴史があり、膿を排出し炎症を抑える働きがあることから、「膿とり豆」と呼ばれ、蓄膿症などの治療に用いられてきました
この抗炎症の働きが歯茎の腫れや出血などの症状(炎症)を抑える働きとしても活用できるためペット用の歯磨きガムなどでも広く使用されています。
免疫賦活作用を持つ「アスコフィラン」を摂取し続けることで、口腔内の細菌やウイルスの増殖を効果的に抑制し、歯周病などの発症を予防する効果が期待できます。
前段でお話した通り、歯周病菌は歯垢の中で増殖し、進行すると歯槽骨を破壊して歯を失う原因となるだけでなく、炎症を起こした歯周組織から感染が起こるため、歯周病菌と炎症のコントロールが歯周病ケア、進行抑制では重要です。
また歯磨き習慣ができている場合でも、歯周病菌の抑制、抗炎症、免疫活性などを期待できる「毎日口健 ラクトフェリン&KT-11」をプラスすることでさらに良い状態を維持することができると考えています。
-最後に一言
自分では歯を磨いてくれないワンちゃん、ネコちゃんたちの歯を守るのはご家族の重要な役割です。どうしても加齢とともに歯を失ってしまう子も多いです。治療のため、全身麻酔下でたくさんの歯を抜歯しなければならない子もいます。
そして、自分のせいだ・・・と責める飼い主さんも多くいらっしゃいます。
お忙しい生活の中、毎食後歯磨きをするのはなかなか大変かと思いますが、適切なデンタルケアで愛犬・愛猫ちゃんのお口の健康寿命を延ばしてあげてください。
獣医師ペットスペース&アニマルクリニックまりも
箱崎 加奈子 獣医師
※以上の記事は、獣医師個人の感想であり効果・効能を示すものではありません。
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