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監修: 葛野 宗 獣医師
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

犬の気管支拡張症とは

様々な原因で非可逆的に気管支内腔が拡張した状態のことを言います。

気管支拡張症とは、様々な原因によって気管支壁が破壊された結果起こる二次的な変化であることが多く、非可逆的に気管支内腔が拡張した状態です。

犬の気管支拡張症の症状とは

呼吸器症状が見られます。

気管支拡張症の臨床症状としましては、発咳、頻呼吸、呼吸困難などがよく見られます。

気管支拡張症により粘液線毛クリアランスの低下が起こり、粘液や滲出液の貯留、細菌の二次感染によりさらに炎症反応が引き起こされる、それらの炎症により気管支壁の破壊をさらに進行させるという悪循環に陥ります。

気管支拡張症の診断は、胸部X線検査、CT検査、気管支鏡検査などで診断可能ですが、胸部X線や気管支鏡では病変を見逃す可能性もあり、ヒトではCT検査が最も感度の高い検査とされ、犬においてもCT検査が重要な診断のツールとなります。

 

 

犬の気管支拡張症の原因とは

様々な原因から発症します。

犬の気管支拡張症の原因としましては、真菌や寄生虫の慢性感染、Bordetella bronchicepticaの慢性感染、好酸球性気管支肺症、繰り返す誤嚥性肺炎、非感染性慢性気管支炎、異物の誤飲など、様々です。また、先天的な線毛異常を引き起こす原発性繊毛運動不全症などは慢性感染を起こしやすいため、気管支拡張症を引き起こすリスク因子として知られています。

犬の気管支拡張症の好発品種について

以下の犬種で好発がみられます。

気管支拡張症は、中~高齢以上の犬で起こりやすく、基本的にはどの犬種でも起こり得ますが、トイプードル、アメリカンコッカースパニエル、シベリアンハスキーなどが好発犬種と言われています。

犬の気管支拡張症の予防方法について

原因疾患の早期発見・早期治療をおこないます。

多くの場合で気管支拡張症は二次的な変化であるため、気管支拡張症を引き起こす基礎疾患の早期発見・早期治療をおこなうことが、気管支拡張症の予防につながると言えます。

犬の気管支拡張症の治療方法について

原因疾患の治療および対症療法をおこないます。

気管支拡張症の治療は、原因疾患の診断および治療が最も重要となります。基礎疾患に対するアプローチをしたうえで症状が継続する、症状が再発する、細菌感染を繰り返す、といったような場合は気管支拡張症に対する治療を考慮します。

ヒトではび漫性の気管支拡張症に対しては、症状のコントロールと感染に対する治療および予防目的で吸入による去痰薬や抗菌薬の投与が治療の主体となりますが、動物でその効果は検証されていないのが現状です。また、マクロライド系抗菌薬には抗炎症効果もあると言われており、ヒトの気管支拡張症では長期におよぶマクロライド系抗菌薬の経口投与が気管支拡張症の進行を遅らせるとも言われていますが、これについても動物ではその有効性は検証されていないため使用には注意が必要とされています。

現状、犬におけるび漫性の気管支拡張症に対する治療はエビデンスが無いため、発咳などの症状により生活の質が著しく低下している場合において経験的に治療がおこなわれています。粘液線毛クリアランスを改善させる可能性が示唆されているメチルキサンチン誘導体であるテオフィリンが使われたり、気管支肺胞洗浄および培養検査で繰り返す細菌感染が問題になっていると確定している場合には、予防目的の経口マクロライドとしてアジスロマイシンの12~16週間と長期投与をおこなわれる場合があります。

限局性の気管支拡張症であれば病変部の肺葉切除で治癒が可能であるとされています。

基礎疾患に対する治療およびその反応によって病態の進行および予後は異なりますが、発咳などの症状が続くものの、気管支拡張症の症例の多くは数年にわたって生存可能であるとされています。

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