監修: 葛野 宗 獣医師
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犬の肥大型心筋症とは
犬ではまれな心臓病です。
心臓の筋肉である心筋が異常に厚くなる疾患です。血液が貯蓄・排出される空間である心房室が心筋により圧迫され面積が狭まることで、心臓が本来の機能を失います。猫ではよく見られる疾患ですが、犬ではかなりまれな疾患です。
運動したがらない、疲れやすいなどの運動不耐性、早く浅い呼吸、開口呼吸などの呼吸不全がみられます。
犬の肥大型心筋症の症状とは
運動不耐性、呼吸器症状、不整脈による突然死などがみられます。
心筋により心房室が圧迫されることで、心房室に十分な量の血液が流入できず、心臓の全身に血液を送るポンプとしての機能が阻害されます。また、心臓のかたちがいびつになることで左心室と左心房の間にある弁（僧帽弁）がきちんと閉まらなくなる僧帽弁閉鎖不全症が続発します。
僧帽弁閉鎖不全症では心臓が収縮する際に、心室→心房に血液が逆流してしまうため、左心房が血液の圧力により拡張します。左心房は肺からの血流を受けるため、左心房の拡張は肺での血液うっ滞を引き起こし、血管から染み出した水分で肺が水浸しになる肺水腫などの症状がみられます。
犬の肥大型心筋症の原因とは
原因はよくわかっていません。
犬においてまれな疾患であり、原因はあまりよくわかっていません。
犬の肥大型心筋症の好発品種について
以下の犬種で好発がみられます。
- ジャーマンシェパード
- ドーベルマン
ジャーマン・シェパードが好発犬種だと言われています。
犬の肥大型心筋症の予防方法について
予防法はありません。
未だ予防法は確率されていません。
犬の肥大型心筋症の治療方法について
人や猫での肥大型心筋症の治療をおこないます。
犬における症例数が少ないため治療法の研究が進められている段階にあり、現時点では犬における肥大型心筋症では、人や猫での治療方法を適応しています。
肥大型心筋症では心筋が異常に厚くなり心房室の容積が狭くなりますが、心臓の強い収縮を抑える目的でCaチャネル拮抗薬やβ受容体阻害薬などを使用します。また、うっ血による症状（肺水腫など）を抑えるために利尿薬を、血流をスムーズに送るために血管拡張薬を投与します。
