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Youtube 病気辞典
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監修: 葛野 宗 獣医師
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

犬の「発熱」症状とは

体温が40℃を超えていたら危険な状態です。

犬の平熱は37~38℃程度であり、人間の平熱よりも高いですが、犬の体温が39℃を超えると発熱があると言えます。体温が40℃を超えると危険な状態であり、何らかの大きな問題が存在することになります。

犬の体温は直腸で測りますが、自宅で体温を測ることは難しいと思います。普段よりも耳が熱い、脇やお腹が熱い、ぐったりしている、などといった時は、発熱の可能性がありますので、動物病院で診てもらいましょう。

犬の「発熱」症状の考えられる病気(原因)とは

細菌やウイルス感染による病気

・感染性心内膜炎
感染性心内膜炎とは、心内膜や心臓弁膜に細菌が感染することで弁の機能不全を来す心疾患です。症状は様々ですが、発熱、食欲不振、活動性低下などの非特異的な症状のみ見られる場合もあり、確定することが難しいこともある疾患です。
僧帽弁と大動脈弁が好発部位であるため、左心不全徴候が見られることが多いとされています。運動を嫌がるようになる、咳が頻繁に見られるようになる、呼吸が浅く速くなる、肺水腫を引き起こす、などが見られます。肺水腫を引き起こすと、血中の酸素量が低下することで粘膜が青白く変化するチアノーゼが見られることもあります。
さらに重篤な場合は、体温、心拍数、呼吸数、白血球数などに異常が認められる全身性炎症反応症候群、全身に細菌が感染が広がってしまう敗血症、全身に血栓ができ出血しやすくなる播種性血管内凝固、などが見られるようになります。

・犬パルボウイルス感染症
犬パルボウイルス感染症は、感染後4~14日間の潜伏期間を経て臨床徴候が出現します。糞便や吐物を経口・経鼻的に摂取することで感染します。仔犬では離乳期後の生後4~12週齢の移行抗体の低下を機に感染のピークを迎えますが、生後6ヶ月齢まではよく見られます。罹患率および死亡率が高く、重度の胃腸症状を引き起こす感染症です。
一般的な臨床徴候は、急性の嘔吐、下痢、元気消失、食欲不振、発熱ですが、腸重積を伴うこともあります。その結果脱水症状が生じます。

自己免疫性や腫瘍などの炎症性の病気

・特発性免疫介在性多発性関節炎
非感染性、非びらん性の多発性関節炎のうち、既知の多発性関節炎では説明できないものを特発性免疫介在性多発性関節炎と呼びます。
組織学的には重度の骨膜炎が見られる一方、関節軟骨や骨にほとんど病変が認められず、この点が関節リウマチとの違いです。
発熱、食欲不振、活動性の低下などの非特異的な症状に加え、跛行や負重の忌避行動を示します。とくに移動性の跛行は多発性関節炎に特徴的です。しかし、関節症状が必ずしも認められず、約3割では発熱や活動性の低下などの全身症状しか示さないと言われています。

・リンパ腫
リンパ腫とは、白血球の1つであるリンパ球が腫瘍性に増殖する疾患です。多中心型、消化器型、皮膚型、胸腺型、節外型などの悪性腫瘍が発生する部位によって分類されており症状が異なります。
多中心型リンパ腫は犬のリンパ腫においてもっとも発生率が高い種類です。初期症状ではリンパ節の腫れが見られる以外無症状であることも多く、進行とともに発熱、元気消失、食欲不振などの非特異的な症状がみられます。

熱中症

熱中症は、高温多湿環境下において、高体温および脱水によって生じる全身性の疾患です。
犬の熱中症は、高温多湿環境への長時間の曝露、熱放散能の低下、過度の運動、などが原因となりますが、条件が揃えば30分程度の運動でも熱中症が起こることがあります。
熱放散能が低下する要因としては、短頭種、肥満、呼吸器疾患や心疾患の悪化、などが挙げられます。

熱中症の症状としては、発熱、頻呼吸、頻脈、粘膜のうっ血や充血などが挙げられます。より重篤になりますと、虚脱、運動失調、嘔吐、下痢、流涎、意識消失などが認められます。
熱中症に伴い高体温になると、細胞を構成する蛋白質が変性し全身の臓器の機能が障害を受けます。高体温の状態が持続すると、脱水に加えて細胞障害がより一層深刻になり多臓器不全に陥ります。

犬の「発熱」症状の好発品種について

全犬種で好発します。

感染性心内膜炎、犬パルボウイルス感染症は、感染が原因となるため、あらゆる年齢、犬種で起こり得ます。

リンパ腫は、ボクサー、バセットハウンド、ロットワイラー、アメリカンコッカースパニエル、イングリッシュコッカースパニエル、ゴールデンレトリーバー、シェットランドシープドックなどが好発犬種だと言われています。

熱中症は、フレンチブルドッグ、イングリッシュブルドッグ、パグなどの短頭種で多く見られます。

犬の「発熱」症状の予防方法について

予防出来る病気もあります。

感染性心内膜炎は、細菌感染が原因となるため、その原因になり得る疾患が見付かった場合、すぐに治療しましょう。歯周病、膿皮症、尿路感染症、呼吸器感染症などを治療せずに様子を見ていると感染性心内膜炎の原因なり得るため、早期発見、早期治療を心がけましょう。

犬パルボウイルス感染症は、ワクチン接種である程度予防することが出来ます。

熱中症は、温度管理、体重管理によってある程度予防することが可能です。

犬の「発熱」症状の治療方法について

細菌やウイルス感染による病気

・感染性心内膜炎
細菌に応じた抗生物質の投与をおこないます。急性期の1~2週間は抗生物質の静脈内投与などで集中管理をおこない、その後経過良好であったも6~8週間抗生物質の投与を継続します。
心不全が発症している場合は、僧帽弁閉鎖不全や拡張型心筋症の治療と同じように治療します。血管拡張剤、強心剤、利尿剤などを用います。感染性心内膜炎は、治療に対する反応が悪く予後は非常に厳しいとされています。90%が5ヶ月以内に死亡してしまったという報告があります。

・犬パルボウイルス感染症
低血糖、脱水、電解質異常に対する輸液、感染にたいする治療、嘔吐に対する治療を入院下でおこないます。疼痛に対する治療、ウイルスに対する治療もおこなわれます。発症から24~72時間程度の早い段階から経口での栄養補給を開始します。

自己免疫性や腫瘍などの炎症性の病気

・特発性免疫介在性多発性関節炎
免疫抑制療法により治療を開始します。まずは副腎皮質ホルモン剤単独による治療をおこないます。ほとんどの場合で長期投与が必要になるため、肝障害や消化管障害を考慮したケアも必要になります。副腎皮質ホルモン剤で症状の改善が乏しい場合、免疫抑制剤を追加することがあります。

・リンパ腫
リンパ腫は、抗がん剤への反応性が比較的良いため、多剤併用療法といういくつかの種類の抗がん剤を組み合わせて使用する治療法が選択されます。

熱中症

熱中症の治療の中心は、冷却処置とダメージを受けた臓器の機能回復です。
スプレーを用いて常温の水を噴霧する、水で濡らしたタオルで全身を覆った後に扇風機で送風して気化熱を利用して徐々に冷却する、凍った保冷剤をタオルで包み太い血管の走っている腋窩部や鼠径部に挟む、などの方法が用いられます。
臓器障害が認められる場合は、酸素吸入、輸液療法、抗生物質の投与、などをおこないます。

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