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Youtube 病気辞典
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監修: 葛野 宗 獣医師
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

犬の「いびきがひどい」症状とは

呼吸器の問題が隠れている可能性があります。

犬も人間のように様々な原因からいびきをかくことがあります。

フレンチブルドッグ、パグ、シーズーなどの短頭種は、先天的に鼻の孔が小さいことがあります。これを外鼻孔狭窄と呼びますが、呼吸する時に音が鳴り、いびきが見られることもあります。
アレルギー性鼻炎などの疾患で一時的な鼻詰まりが見られることもあります。
また、犬は人間と同じように肥満が原因となっていびきが見られることがあります。肥満になることで脂肪が気管を圧迫してしまうためです。飼い主さんが食事管理をおこない、肥満にならないように気を付けてあげましょう。

肥満は食事管理で予防できますが、呼吸器の疾患によっていびきが見られることもあります。今まで見られなかったいびきが見られるようになった、いびきがひどくなった、などの場合は何らかの疾患が潜んでいる可能性があるため、動物病院で診てもらいましょう。

犬の「いびきがひどい」症状の考えられる病気(原因)とは

軟口蓋過長症

軟口蓋とは、嚥下する際に食べ物が鼻に入るのを防ぐ蓋ですが、犬の軟口蓋は端が喉頭蓋の端と重なるか重ならないか程度の長さが正常とされています。軟口蓋が喉頭蓋の先端を超えて伸展している状態で、それによって臨床症状が見られる状態を軟口蓋過長症と呼びます。
軟口蓋過長症の症状として、いびきや吸気時の喘鳴がよく見られます。多くの場合は開口呼吸を伴い、進行してしまいますと呼吸困難、チアノーゼ、高体温などが見られるようになります。

短頭種気道症候群

短頭種気道症候群とは、短頭種特有の気道の解剖学的な異常の総称のことで、外鼻孔狭窄、軟口蓋過長、喉頭虚脱、咽頭虚脱、気管低形成、気管虚脱などが2~4つ複合的に見られます。

鼻から喉までの上部気道の閉塞が特徴とされ、スターター音と呼ばれるいびきのような呼吸音が見られます。吸気努力と呼ばれる息を吸いにくい状態が見られるようになり、換気が難しくなってしまうことから、高体温もよく見られます。開口呼吸が見られている時はすぐに処置が必要です。

気管虚脱

気管虚脱とは、気管軟骨が弱くなってしまうことと気管筋が伸びてしまうことで気管の機能が低下してしまう疾患です。

軽度の気管虚脱の場合、とくに症状が見られないこともあります。進行してきますと、咳やいびきなどが見られるようになります。さらに進行してきますと、呼吸困難、チアノーゼ見られ、最悪の場合は呼吸停止を引き起こし、死に至ることがあります。

犬の「いびきがひどい」症状の好発品種について

以下の犬種で好発がみられます。

軟口蓋過長症は、ブルドッグ、フレンチブルドッグ、パグ、シーズーなどの短頭種でよく見られますが、ヨークシャーテリアやポメラニアンでも見られることがあります。

短頭種気道症候群は、ブルドッグ、フレンチブルドッグ、パグ、シーズーなどの短頭種でよく見られる疾患です。

気管虚脱は、ヨークシャーテリア、トイプードル、マルチーズなどの小型犬でよく見られる疾患です。

犬の「いびきがひどい」症状の予防方法について

肥満にならないようにしましょう。

いびきの原因がどのようなものであっても肥満によって症状が悪化します。短頭種気道症候群のように生まれ持った解剖学的な異常は予防することは出来ませんが、肥満にさせないことで症状の悪化は防ぐことが出来ます。

犬の「いびきがひどい」症状の治療方法について

軟口蓋過長症

軟口蓋過長症が軽度である場合、減量、首輪を使っている場合は胴輪へ変更、運動制限、温湿度管理をおこないます。咽喉頭部の炎症や浮腫を軽減するために消炎剤を投与することもあります。

軟口蓋過長症が重度で緊急事態である場合は、酸素吸入、咽喉頭部の炎症や浮腫を軽減するための消炎剤の投与、興奮を抑制するための鎮静剤の投与、アイシングをおこないます。

軟口蓋過長症の最も有効な治療法は外科療法となり、軟口蓋の長い部分を切除します。

短頭種気道症候群

肥満の防止、室温管理、パンティングが見られた際の酸素投与をおこないます。それでも悪化してしまう場合は、外科的療法が選択される場合があります。

外鼻孔狭窄が見られる場合、鼻の穴を拡げてあげる手術をおこないます。
軟口蓋過長が見られる場合、軟口蓋の長い部分を切除します。軟口蓋過長は、単独よりも他の要因と合わせて症状が見られる場合が多いため、軟口蓋の切除のみでは症状が改善されないこともあります。
喉頭虚脱の場合、喉頭小嚢を切除します。

外科的療法をおこなった場合、予後は良いという報告があります。

気管虚脱

ステロイド剤や抗菌剤などによる内科的療法がおこなわれます。
呼吸困難による低酸素状態が見られる場合、酸素投与が有効とされています。マスクによる酸素投与、ICUケージでの管理、などの方法があります。高体温が見られる際は、アイシングをおこない冷却してあげます。

内科的療法に対して反応が悪い場合、外科的療法が選択されることがあります。気管リングを用いて気管を矯正する方法、気管外にプロテーゼを装着して気管を矯正する方法、気管内にステントを設置して気管を拡げてあげる方法、などがあります。

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