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Youtube 病気辞典
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監修: 葛野 宗 獣医師
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

犬の「咳」症状とは

犬は様々な原因によって咳が見られます。

咳とは、外からの異物に対する防御反応です。犬でもよく見られます。

ホコリなどの異物や刺激物、冷たい空気が気管に入ってきたときにも咳は見られますが、生理現象である場合は特に問題ありません。

しかし、病気によって咳が見られることもあります。
咳がひどい場合は、眠ることができなくなり衰弱してしまうこともあります。

咳の原因となる疾患としては、呼吸器疾患、循環器疾患が挙げられます。

犬の「咳」症状の考えられる病気(原因)とは

呼吸器疾患

咳の原因となる呼吸器疾患として気管虚脱が挙げられます。気管虚脱とは、気管軟骨が弱くなってしまうことと気管筋が伸びてしまうことで気管の機能が低下してしまう疾患です。
軽度の気管虚脱の場合、とくに症状が見られないこともあります。進行してきますと、咳やアヒル様呼吸音と呼ばれる「ガーガー」鳴くような呼吸が見られるようになります。さらに進行してきますと、呼吸困難が見られます。舌の色が色になっている場合、チアノーゼと呼ばれる低酸素状態で非常に危険な状態です。最悪の場合は呼吸停止を引き起こし、死に至ることがあります。

咳の原因となる呼吸器疾患としてケンネルコフという感染症が挙げられます。犬パラインフルエンザウイルス、犬アデノウイルス2型、気管支敗血症菌(ボルデテラ)などの病原体が原因となります。これらの病原体が単独あるいは複合感染によりケンネルコフが発症します。
もっとも特徴的な症状は乾いた咳で、運動時に悪化することがあります。声帯の炎症を伴うときは、鳴き声がかすれたり、咳をした時にガーガーという呼吸音が見られることもあります。
二次的な細菌感染によって分泌物が増加し、乾性から湿性の咳へと変化が見られることがあります。

咳の原因となる呼吸器疾患として慢性気管支炎が挙げられます。慢性気管支炎とは、気管虚脱や心疾患などの具体的な疾患が存在しないにもかかわらず、気道の炎症により湿性の咳が2か月以上持続する疾患です。
気管支から分泌される粘液を排泄する際に咳が出るようになります。
湿性の痰が絡んだような苦しそうな咳が見られます。首の気管を圧迫することで容易に咳が生じます。進行すると運動不耐性、努力性呼吸、チアノーゼが見られるようになります。

循環器疾患

咳の原因となる循環器疾患としては、僧帽弁閉鎖不全症が挙げられます。僧帽弁閉鎖不全症とは、加齢に伴って僧帽弁が変性を起こし正常に閉鎖できなくなる疾患です。全身へ充分な血液を送り出せなくなることで、様々な症状を引き起こします。
僧帽弁閉鎖不全症の初期は症状は認められませんが、進行すると咳が見られるようになります。これは、血液の逆流によって肥大した心臓が、その上に位置する気管支を圧迫してしまうためです。

また、僧帽弁閉鎖不全症はさらに進行すると肺水腫を引き起こします。肺水腫とは、本来空気が出入りする肺に水が溜まってしまう状態です。
呼吸困難、頻呼吸が見られ、努力呼吸をおこなうための特徴的な姿勢をとります。必発ではありませんが、咳も見られます。循環器疾患が原因となる肺水腫は、最終的に呼吸不全に陥り死に至ります。

犬の「咳」症状の好発品種について

以下の犬種で好発がみられます。

気管虚脱は、ヨークシャーテリア、トイプードル、マルチーズなどの小型犬の中年齢層で多く見られます。

僧帽弁閉鎖不全症は、キャバリアキングチャールズスパニエルで特に多く、遺伝的な素因があると考えられています。また、チワワ、トイプードル、ミニチュアダックスフント、マルチーズ、シー・ズー、ポメラニアンなどで多く見られます。

犬の「咳」症状の予防方法について

ケンネルコフはワクチン接種による予防が期待できます。

犬アデノウイルス2型、犬パラインフルエンザウイルスは一般的な混合ワクチン(5種、6種、8種など)に含まれていますので、ワクチン接種により予防することができます。また、犬アデノウィルス2型、犬パラインフルエンザウイルスに加え、気管支敗血症菌(ボルデテラ)に効果のある鼻に入れるタイプのワクチンもあります。しかしながら、ケンネルコフはさまざまな病源体が関与する感染症であるため、混合ワクチンを接種したから確実に予防できるというわけではありません。

犬の「咳」症状の治療方法について

内科療法

気管支拡張薬、鎮咳薬、去痰薬、抗炎症薬などを用います。

また、肥満であることが咳の悪化につながるため、食事コントロールによりダイエットをおこなうことが推奨されます。

感染症や循環器疾患のような咳の原因となる疾患がある場合は、その疾患の治療もおこないます。

ケンネルコフの場合は、抗菌薬の投与をおこないます。

僧帽弁閉鎖不全症、肺水腫の場合は、利尿薬、強心薬、血管拡張薬の投与をおこないます。

外科療法

疾患によっては外科療法が有効である場合があります。

気管虚脱の治療として、気管リングを用いて気管を矯正する方法、気管外にプロテーゼを装着して気管を矯正する方法、気管内にステントを設置して気管を拡げてあげる方法、などがあります。外科療法は、高価になってしまう方法、合併症のリスクが高い方法などもあり、メリットとデメリットを考慮したうえでの選択になります。

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