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TOP > 犬の病気辞典 > 犬の「開口呼吸・呼吸が早い(頻呼吸)」症状
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監修: 葛野 宗 獣医師
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

犬の「開口呼吸・呼吸が早い(頻呼吸)」症状とは

生理的なものと病的なものがあります。

開口呼吸、呼吸が早い場合は、特に問題無い場合もあります。
暑い、緊張、などが原因で呼吸が早くなっている場合は、すぐに落ち着くことが出来ます。

痛みによって呼吸が早くなる場合もあります。このような場合は、痛みの原因を探して対処してあげる必要があります。

その他には、呼吸器の疾患や循環器の疾患で呼吸は早くなる場合があります。

犬の「開口呼吸・呼吸が早い(頻呼吸)」症状の考えられる病気(原因)とは

呼吸器疾患

・肺炎
ウイルス、細菌、真菌などが原因となって肺炎を引き起こします。細菌性肺炎が最も良く見られる感染性の肺炎ですが、何らかの基礎疾患がある場合に発症するとされています。
唾液、食べ物、胃液などを吸引することで生じる肺炎を、誤嚥性肺炎と呼びます。誤嚥をしたからと言って、必ずしも感染性肺炎を発症するわけではありません。

症状としましては、頻呼吸、呼吸困難、努力呼吸などが見られます。これらの症状に加えて、発熱が見られることがあります。この場合、胸部の聴診をすると水泡音、捻髪音が聴取されます。


・慢性気管支炎
慢性気管支炎とは、気管虚脱や心疾患などの具体的な疾患が存在しないにもかかわらず、気道の炎症により湿性の咳が2か月以上持続する疾患です。
気管支から分泌される粘液を排泄する際に咳が出るようになります。
湿性の痰が絡んだような苦しそうな咳が見られます。首の気管を圧迫することで容易に咳が生じます。進行すると運動不耐性、努力性呼吸、チアノーゼが見られるようになります。

循環器疾患

・僧帽弁閉鎖不全症
犬で最も多い心疾患であり、左心室と左心房の間にある僧帽弁がきちんと閉まらなくなる疾患です。僧帽弁閉鎖不全症は、動物病院での健康診断などで聴診された時に心雑音があり診断される場合、飼い主さんが愛犬が最近疲れやすくなったり咳が見られるため受診した際に診断される場合、などがあります。

僧帽弁閉鎖不全症は、初期の臨床症状が見られず心臓の拡大が見られない段階では治療対象にならない場合があります。進行しますと、全身に血流を巡らせる働きが十分に機能しなくなり、心臓が拡大し、疲れやすい、咳、などの症状が見られるようになり、治療が必要になります。

僧帽弁閉鎖不全症はさらに進行すると肺水腫を引き起こします。肺水腫とは、本来空気が出入りする肺に水が溜まってしまう状態です。
呼吸困難、頻呼吸が見られ、努力呼吸をおこなうための特徴的な姿勢をとります。循環器疾患が原因となる肺水腫は、最終的に呼吸不全に陥り死に至ります。

熱中症

熱中症は、高温多湿環境下において、高体温および脱水によって生じる全身性の疾患です。
犬の熱中症は、高温多湿環境への長時間の曝露、熱放散能の低下、過度の運動、などが原因となりますが、条件が揃えば30分程度の運動でも熱中症が起こることがあります。
熱放散能が低下する要因としては、短頭種、肥満、呼吸器疾患や心疾患の悪化、などが挙げられます。

熱中症の症状としては、頻呼吸、頻脈、粘膜のうっ血や充血などが挙げられます。より重篤になりますと、虚脱、運動失調、嘔吐、下痢、流涎、意識消失などが認められます。
熱中症に伴い高体温になると、細胞を構成する蛋白質が変性し全身の臓器の機能が障害を受けます。高体温の状態が持続すると、脱水に加えて細胞障害がより一層深刻になり多臓器不全に陥ります。

犬の「開口呼吸・呼吸が早い(頻呼吸)」症状の好発品種について

以下の犬種で好発がみられます。

僧帽弁閉鎖不全症は、キャバリアキングチャールズスパニエルで特に多く、遺伝的な素因があると考えられています。また、チワワ、トイプードル、ミニチュアダックスフント、マルチーズ、シー・ズー、ポメラニアンなどで多く見られます。

熱中症は、フレンチブルドッグ、イングリッシュブルドッグ、パグなどの短頭種で多く見られます。

犬の「開口呼吸・呼吸が早い(頻呼吸)」症状の予防方法について

早期発見・早期治療をおこないます。

早期発見・早期治療が重要になります。

熱中症は、温度管理、体重管理によってある程度予防することが可能です。

犬の「開口呼吸・呼吸が早い(頻呼吸)」症状の治療方法について

呼吸器疾患

細菌性の疾患である場合は、抗生物質を投与します。抗生物質の感受性が合えば72時間以内に症状の改善が見られるとされています。

その他の治療としては、気管支拡張薬、鎮咳薬、去痰薬、抗炎症薬などを用います。

循環器疾患

臨床症状が強く見られる場合、肺水腫を起こしたことがある場合は、強心剤に加え利尿剤や血管拡張剤を投与します。治療をおこなっていても肺水腫は再発することが多いため、呼吸が速い、舌の色が紫、などの症状は危険な徴候であるため注意が必要です。

熱中症

熱中症の治療の中心は、冷却処置とダメージを受けた臓器の機能回復です。

スプレーを用いて常温の水を噴霧する、水で濡らしたタオルで全身を覆った後に扇風機で送風して気化熱を利用して徐々に冷却する、凍った保冷剤をタオルで包み太い血管の走っている腋窩部や鼠径部に挟む、などの方法が用いられます。

臓器障害が認められる場合は、酸素吸入、輸液療法、抗生物質の投与、などをおこないます。

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