夏場の散歩で知っておくべき危険と対策 ~ダックスフンド~
そもそも犬は「暑さ・熱」が苦手!
犬を飼っている方に必ず知っておいてほしいのが、「犬は体温の調節をするのが苦手」ということです。
ダックスフンドも例外なく、犬が汗を出せるのは足の裏(肉球周辺)のみで、人間のように大粒の汗を流して体温を調節することができません。汗を流す代わりに口を大きく開けて、舌をべろんと出したままハァハァとパンティングすることで、身体の熱を外に逃がしています。
またブラッシングやトリミングが不十分だと、抜けた毛や長毛が絡まり被毛が厚くなってしまいます。特にダックスフンドは、ロングコート、スムースコート、ワイヤーコートと3つの毛質に分かれますが、どの種類でも換毛期を経て夏用の被毛になります。換毛期に抜けるはずだった毛が残ったままでいると、毛の間に熱がこもりやすくなってしまいます。
夏場の散歩でダックスフンドにとっての危険と対策
夏の暑さは、対策や予防をしなければ人間にとっても危険です。ダックスフンドにとっての危険と、それにたいする対策を知りましょう。
1、日差しによる日射病、日焼け
厳しい日差しを長時間浴びると、頭痛、嘔吐、めまいなどの症状が起きる可能性があります。また被毛が薄い部分や被毛自体が日焼けして、皮膚病や脱毛の危険があります。なるべく日陰のある道を散歩コースにする、日傘で日陰を作る、クールベストやクールウェアを着用させるなど対策をとりましょう。
2、脱水症状
普段の散歩では帰宅してから水を飲ませる飼い主さんも多いかと思います。しかし夏場は日陰を選んで散歩したとしても、高温多湿のために脱水症状が起きやすくなります。10分おき程度に休憩時間をつくり、水を飲ませてあげましょう。
3、熱中症
夏場に最も注意すべき症状のひとつです。気温や湿度が高すぎる、水分補給が十分でない、身体の熱を逃がすことができていないとリスクが高まります。さらにダックスフンドはサイズ別にカニーンヘン、ミニチュア、スタンダードと三種がいますが、どのダックスフンドも脚が短いため地面との距離が近く、飼い主さんが感じているよりも高い気温をダックスフンドたちは感じることになります。さらに地面がアスファルトの場合には太陽光の照り返しによって、下からも熱気を受ける状態です。なるべく日陰を利用し、時々愛犬の身体を触って熱さを確認しましょう。クールベストやクールウェア、濡れタオルなどで身体の熱を冷まし、照り返しがきつい場所では抱きかかえることで熱中症を予防しましょう。
4、肉球の火傷
じりじりと日差しに照らされたアスファルトやコンクリートを触ると、熱くてとても裸足では歩けません。そのような道をダックスフンドたちは肉球で歩きます。成長と共に肉球も硬く強くなってはいきますが、焼ける様な熱さの場所を歩けば火傷を負います。なるべく日陰の場所を歩き、場合によっては靴下や靴を履かせましょう。どうしても通り道にこのような場所があるときはその場所だけ抱きかかえるなどしてあげてください。
どの危険にもきちんと対策や予防はできます。特にすべてに共通するのは「日が出ている時間を避けて散歩する」ことです。日差しが弱い朝早くや、風も涼しくなる夕方、完全に太陽が落ちた夜などに散歩時間を作りましょう。ダックスフンドのためでもあり、一緒に散歩する飼い主さんの体調的負担も軽減できます。
もしダックスフンドが熱中症や火傷になったら
散歩中や帰宅後に愛犬の様子を観察しましょう。歩き方や立ち姿がふらふらしている、ぐったりして動きが鈍い、嘔吐や下痢をする、食欲がない、よだれが多く出ている、パンティングとは違う呼吸で息苦しそう、などの症状がみられたら熱中症を疑ってください。
少しでも疑いがあったらすぐに涼しい場所へ連れて行き安静にさせます。可能であれば全身を、特に首元、前脚の付け根、後脚の付け根を氷のうや凍らせたペットボトル、保冷剤などで冷やしてください。少し塩を混ぜた水を飲ませることができれば効果的ですが、あまりにもぐったりしていて反応が鈍い場合には、無理に飲ませると誤飲の危険性があります。
動物病院へ連れて行ける状態であればすぐに受診しましょう。症状の進行によっては点滴などの治療が必要です。また自宅での看病で回復したとしても、内臓などみえない部分にダメージを受けている可能性もあります。放って置くと様態が急変して最悪の事態になりかねませんので、必ず動物病院で受診してください。
肉球に火傷を負うと、歩くことを拒否する、びっこを引いて歩く、肉球が腫れる、赤みがかる、皮が剥ける、水疱ができるなどの症状がみられます。肉球の傷から細菌が浸入して別の病気を招く危険性もありますので、すぐに動物病院で受診しましょう。
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