環境エンリッチメントとは?犬も猫もストレスがない幸せな生活を
環境エンリッチメントとは犬や猫の幸福な暮らしに欠かせないもの
「環境エンリッチメント」あまり聞きなれない言葉かもしれません。環境エンリッチメントとは「動物福祉の立場から、飼育動物の幸福な暮らしを実現するための具体的な方策」と定義されています。では犬や猫にとって幸福な暮らしとは何でしょうか。
健康で飼い主さんと暮らすことはもちろん、犬や猫の本能が刺激され、ストレスや退屈をを解消できる暮らしだと考えらえれます。動物園や水族館では、動物たちの環境エンリッチメントを重視した展示が増えています。例えばヒグマの餌をチップの下に隠して餌を探しながら食べさせたり、木やプールを設置して遊んだりできるようにしている動物園があります。
他にもオラウータンのロープ渡りは有名です。またホッキョクグマの餌を、氷の中に入れて与えている動物園もあります。ペンギンエリアには波があるプールを設置して、自然に近い環境を作っている水族館も。動物園や水族館に行ったときは、意識して見学してみてください。
犬や猫も本来の習性や行動が満たされる環境に置かれると、退屈な時間やストレス・不安が減少すると言われています。大げさにする必要はなく、生活環境を少し工夫するだけで、環境エンリッチメントは可能です。例えば猫は高い場所に行けるようにする、犬はフード探しゲームなどで刺激を受けることができます。
犬や猫の食事の与え方を工夫してみよう
犬は嗅覚を使ったゲームで探す欲求が満たされます。フードを詰めることができるおもちゃを、家の中に隠すゲームはおすすめです。匂いをかぎ分けて探す喜び、見つけたときの充足感は犬ならでは。狩猟本能がある犬なら、フードを見つけたら飼い主さんに報告するようになるかもしれません。
野生の猫は、食料となる小動物の狩りに1日の多くを使っています。そのため食事の回数は、1日複数回です。フードを何回かに分けて、与えるようにしてみましょう。さらに転がすとフードが出てくるおもちゃを使って、狩猟本能を刺激してあげましょう。少しずつ食べるので、早食いや肥満予防もできますよ。
犬は社会性のある動物、一人ぼっちの時間は少なめにしてたっぷり運動
犬は本来、群れで暮らす社会性のある動物。愛犬にとって、飼い主さんやその家族は群れのメンバーです。そのため、家族が出かけてしまった日中を1匹で過ごすことは退屈で、苦痛に感じがち。留守番中に吠えたり、破壊活動をしたりしている場合は、1匹で過ごす時間がストレスになっている可能性があります。
当然飼い主さんは、1日中犬と一緒にいるわけにはいきません。それでも毎日一緒に遊ぶ時間を取る、たっぷり運動をさせることが重要です。ひっぱりっこゲーム、取ってこいゲームなどで一緒に楽しく過ごすだけでもかなり効果的です。留守番中も、おやつを入れるおもちゃで遊べるようにしてあげましょう。
猫には上下運動ができるスペースが大事
猫は高いところを上り下りすることが大好き。キャットタワーがあれば、運動不足やストレス解消になります。部屋や外を見渡せるように設置すると、なおよいでしょう。キャットタワーに小部屋が付いているタイプは、潜むことができるので人気です。壁に取り付けるキャットウォークもあると、猫は喜び
ます。
キャットタワーやキャットウォークを置くスペースがない場合は、出窓や本棚、タンスなどを上手に利用します。物を置かないスペースを作り、ケガをしないようにしてあげましょう。窓辺に置くと、小鳥や虫を眺められるのでおすすめです。
犬も猫も落ち着いて過ごせる場所を作る
犬はかつて、体の大きさにちょうど合った木のうろや洞穴で生活していました。家では体の大きさにあったクレートを用意し、好きな敷物を敷いて犬の巣穴にしてあげましょう。パーソナルスペースができることで、犬は落ち着いて過ごすことができるようになります。
猫も狭くて暗い場所が大好き。見知らぬ来客や何かに不安を覚えたときも、入り込める場所があると静かに過ごすことができます。クレートは便利ですが、ほどよい大きさのダンボールに敷物を入れるだけでも十分です。
犬も猫もおもちゃは大事なグッズ
犬も猫も、それぞれの特性にあったおもちゃを用意します。おもちゃは知能を刺激し、退屈を解消してくれるグッズです。年齢は関係なく、シニア犬やシニア猫にも与えて遊びましょう。飼い主さんとのコミュニケーションツールとしても、おもちゃは重要です。
犬はロープなど噛むことができるおもちゃ、またパズルになっているような知育おもちゃもおすすめです。他にもボール、噛むと音がなるおもちゃなどを与えましょう。噛むおもちゃは、固すぎるものだと歯を傷めるので気を付けてください。
猫には狩猟本能が刺激される、ひらひらするおもちゃや、ネズミなど小動物のおもちゃがいいでしょう。猫が興奮するように、おもちゃの動かし方を工夫して遊んでください。
どちらの場合も、安全な素材を使っているもの、壊れにくいもの、誤飲する危険性が少ないものを選びます。出しっぱなしにすると、すぐに飽きてしまいます。必ず片づけて、飼い主さんがおもちゃ遊びのコントロールをすることが大事です。
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