猫の尻尾のベタベタは病気なの?スタッドテイルを理解しよう
スタッドテイルが起こる仕組み
スタッドテイルになりやすい猫とは
スタッドテイルは動物病院に行くべき?
スタッドテイルは継続的なお手入れが必要
スタッドテイルのお家でのお手入れ
まとめ
スタッドテイルって病気なの?
スタッドテイルは尾腺炎、尾腺過形成とも呼ばれています。尻尾の背中側の付け根から、過剰に皮脂が分泌されることで起こる症状です。脂と汚れがたまり皮膚が炎症を起こし、皮膚がデコボコになってしまう事から「スタッド(鋲)テイル」という名称になったのです。
現在では尻尾の毛が過剰な皮脂でベタベタしているだけの状態から、皮膚炎を起こしてデコボコの状態まで幅広い意味でスタッドテイルと呼んでいます。
スタッドテイルが起こる仕組み
猫ちゃんが自分のにおいを付ける行為をマーキングと言います。マーキングというと、おしっこをシャッ!とかけるところを想像する方が多いでしょう。他に猫ちゃんがご機嫌そうに頭をスリスリ、顔をスリスリしてくるのも自分のにおいをつけているマーキングです。
尻尾の付け根の背側にもにおい付けに使われる分泌腺があるのですが、ここから過剰な脂が分泌されるのがスタッドテイルの原因になっています。なぜ尻尾の分泌腺から大量の脂が出てしまうのでしょうか?
男性ホルモンに関係しているのではと言われていますが、実ははっきりした理由は分かっていないのです。
スタッドテイルになりやすい猫とは
スタッドテイルのはっきりした理由は不明ですが、なりやすいと言われている猫がいます。ペルシャ等の長毛の猫ちゃん、サイアミーズ(シャム)のような東洋系の猫ちゃんに多くみられています。
また、去勢していないオス猫ちゃんに多いです。そのため男性ホルモンが関係していると考えられているのでしょう。
ただし、少ないですがメス猫ちゃんにも起こる事がありますし、去勢をしたら治るということでもないようです。
スタッドテイルは動物病院に行くべき?
スタッドテイル症状は、軽度のものから重度のものまで個体差が大きいです。
軽度
・尻尾の毛がベタベタして汚れている
・毛が固まり分かれて皮膚が見える
・ワックスのような分泌物が付いている
皮膚に大きな異常がなければ、マメに洗浄して清潔にしてあげましょう。見た目には分からなくても猫ちゃんが気にしているようでしたら、かゆみがあるのかもしれません。症状が悪化しないように、早めに獣医師さんに相談しましょう。
中度~重度
・皮膚が赤みを帯びている
・猫ちゃんがしきりに噛んでいる
・毛が抜けて皮膚が露出している
・嫌な臭い
・発赤や黒いブツブツがある
・皮膚がボコボコしている
皮膚に異常がみられたら動物病院で診察してもらいましょう。脂や汚れがたまり、毛穴が細菌感染による炎症を起こしている可能性があります。
通常の治療は、症状の出ている部分の毛を刈り、抗脂漏性シャンプーで清潔な状態にします。細菌感染を起こしている場合は、抗生物質を使用する場合もあるでしょう。飲み薬や塗り薬を処方されることも多いです。
また未去勢のオス猫ちゃんの場合は、去勢をおススメされるかもしれません。100%ではありませんが、症状の軽減にはとても有効だと言われています。
スタッドテイルは継続的なお手入れが必要
スタッドテイルは再発の可能性がとっても高いです。継続的にお手入れしなければなりません。毛や皮膚の状態にもよりますが、1か月に1度位はシャンプーしてあげましょう。
流石に毎月は難しいと思うかもしれません。猫ちゃんはシャンプーが嫌いな子が多いですよね。
しかし、全身をシャンプーしなくても良いのです。尻尾の汚れたところだけで大丈夫です。
一人ではできない場合は、家族にお手伝いしてもらったり、動物病院やサロンに部分シャンプーのみお願いしたりするのも良いでしょう。
お出かけが苦手な猫ちゃんの場合はペットシッターに相談してみてください。
スタッドテイルのお家でのお手入れ
それではお家でのお手入れの仕方を簡単に説明します。皮膚に異常がみられない軽度なスタッドテイルの猫ちゃん用です。
動物病院で治療中の場合は、必ず獣医師の指示に従ってくださいね。参考までに、塗り薬を処方された場合、患部を清潔にしてから塗布しないと効果があまりないので、お家でのお手入れは大切です。
最低限用意するもの
・動物用クレンジングオイル
・猫用シャンプー、リンス
・タオル
・コーム
・ドライヤー
「動物用クレンジングオイル」はオイルタイプやクリームタイプ、泡タイプなど様々あるようです。どうしてもない場合は人間用のクレンジングオイルでも代用可能ですが、動物用を推奨します。また、シャンプー、リンスについても動物病院やサロンなどでおススメがあるか聞いてみると良いでしょう。
通常はシャンプー前にブラッシングをするのですが、脂と汚れで固まった状態の場合は無理にブラシを入れないでください。皮膚が引っ張られて負担が大きくなります。
はじめに汚れの部分にクレンジングオイルを馴染ませます。指で優しくもんで、脂汚れが馴染んで来たらぬるま湯で良く流しましょう。
このあとに、シャンプーです。優しく、しっかり洗ってあげましょう。小さめのスポンジを使うのも良いですね。そしてすすぎもしっかり流してください。
リンスもした方が良いです。コップなどによく薄めたリンス液を作っておき、サッとかけるだけでOKです。時間の短縮にもなります。
部分シャンプーですので、リンスの量が多くならないように気を付けましょう。
最後もしっかりすすいでください。ただし、毛を刈っている場合はリンス不要です。
タオルで水気をしっかり取り除いたら、ドライヤーで乾かします。
温風は低めに設定して下さい。温度設定が難しい場合は、ドライヤーを離して固定するか、誰かに持っていてもらうと良いです。
また、冷風を上手く使って熱くならないようにしましょう。
ドライヤーの風で毛が分かれますので、乾かしながら皮膚の状態をチェックできますね。ゆっくりコームで溶かしながら乾かしましょう。
猫ちゃんに声をかけながら、ゆったりした雰囲気を醸し出しながらも手早く作業することを意識して下さい。
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