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首輪とハーネス、愛犬のお散歩にはどっちがいい?

愛玩動物飼養管理士
松尾猛之
[記事公開日]  [最終更新日]
楽しいお散歩の必需品となる首輪やハーネス。
それぞれどんな特徴があって、ウチの愛犬にはどちらで歩かせた方がいいの? とお悩みの皆様へ、商品の良さと問題点、選ぶ際のポイントを詳しく解説いたします。
[ 目次 ]
首輪とハーネス、愛犬のお散歩にはどっちがいい?
日課であり、楽しいスキンシップのひと時でもある、愛犬とのお散歩。
そのお散歩に欠かせないのが、愛犬と飼い主をつなぐ「犬具」です。

「犬具」に含まれるのは、飼い主が持つリードと、愛犬が身につける首輪あるいはハーネス(胴輪)。

どちらが使いやすくて、ストレスにならないか。
それぞれの特徴や適性のポイントなどを挙げながら、愛犬ファーストの気持ちで考えていきましょう。

首輪のメリット、デメリット

古くから多くの家庭で愛用されている、首輪にリードの組み合わせ。
いちばんのメリットは「手軽さ」です。

首輪は装着が簡単で、普段も愛犬が着けたままで過ごせるアイテム。
飼い主の準備は、首輪にリードを接続するだけとなります。毎日のお散歩に手間が掛からず、愛犬にとってもストレスがありません。

また首輪は、「愛犬の首まわりをそのまま具現化したもの」という意味での利便性もあります。
洋服やレインコート、エリザベスカラーなどの着用を検討する時、号数選びにおいては首まわりのヌードサイズを測る必要が出てきますが、着けている首輪の周囲を測ればおおよその目安となりますので、愛犬の首にメジャーを巻きつけるなどの手間が省けるのも、効率的な点となるでしょう。

一方でデメリットは、お散歩中の動きに対応しにくい点です。
愛犬が先に行きたがる、あるいは予期せぬ方向へ進もうとすると、飼い主はリードでその動きを制御することになりますが、リードの引っぱりによる衝撃は首へと集中します。

勢いがついた状態では、のどや器官への負荷を大きくするため、体質によっては首輪の使用が向かない場合もあります。

お散歩中の引っぱりが強い時や、それによって苦しそうな様子を見せるようなことが多い時には、使っている首輪の種類(素材、機能など)を見直し、お散歩専用の首輪、またはハーネスへの切り替えを検討しても良いでしょう。

首輪とハーネス、愛犬のお散歩にはどっちがいい?

ハーネスのメリット、デメリット

ハーネスは胴輪とも呼ばれ、介護用を除いて主に上半身を覆う形で装着する点が、首輪との大きな違いになります。

ハーネスの最も大きなメリットは「機能性の良さ」です。
愛犬の体をコントロールできる部分が広くなるため、お散歩中の誘導が安定して、急な動きにも柔軟な対応がしやすくなります。

また、強い引きによる衝撃も分散されるので、愛犬にとっては苦しさや窮屈さが少なく、首や器官への負担も小さくなる(あるいはゼロになる)のは、使いやすさにつながるポイントといえるでしょう。
グイグイとリードを引っぱっていくような愛犬の場合には、ハーネスによって勢いを緩和しやすくなる効果が期待できます。

逆にデメリットとしては、商品選びの難しさが挙げられます。
ハーネスにはさまざまな種類があり、構造によっては操作性だけでなく、着用の方法や難易度も大きく変わります。愛犬の体や動きに合った商品でなければ、着用中の歩様に影響が出たり、生地に被毛が擦れたりといった不具合も起きかねません。

ハーネス自体をはじめて使用する場合には、店舗で実物をよく確かめて購入するようにしましょう。毎日使うものですから、店舗スタッフとの相談や試着ができる店舗であれば、なお安心して初日から使うことができますね。

もう1つ、ハーネスの種類によっては、洋服やレインコートとの併用ができるかどうかの懸念もあります。
首輪ならリードの通し穴1つで解決しますが、ハーネスの場合にはリードとの接続が立体的なものもあるため、寒い季節や雨の日にもお散歩させたい場合には、洋服またはレインコートの上からハーネスを装着することも考えておかねばなりません。

服の上からではサイズ感が変わってきますので、調節によってサイズの融通が利きやすいハーネスなら、なお使いやすくなります。

首輪とハーネス、愛犬のお散歩にはどっちがいい?

どちらを選んだとしても、大切なのは……

首輪もハーネスも、さまざまな素材の商品があり、重さや装着感、お手入れの方法なども変わってきます。

しかしどちらを選んだとしても、愛犬のために何よりもしっかり考えなければいけないのは、安全性です。

引っぱりに耐えられるだけの強度があるかどうか、愛犬の歩行に支障が出るような作りになっていないかなど、特に実物を見ることができないネット購入の場合には、十分な情報の記載を確認する必要があります。

また使用中においても、生地や金具の破損によって、リードとの接続が外れてしまうなどの不具合は、実は意外と少なくありません。首輪やハーネス、リードは毎日のように使用するものですから、いずれ寿命がくる消耗品であるという認識を持っておくことは、とても大事なのです。

公道でのお散歩中にトラブルが起きたことで、リードの繋がりが外れた愛犬が車にはねられてしまった例も、現実としてあります。安全性が保証されたメーカーの商品を選ぶことはもちろん、毎回お散歩前の用具点検についても、必ず行うようにしましょう。

首輪とハーネス、愛犬のお散歩にはどっちがいい?

楽しいお散歩を、ストレスなく。

首輪もハーネスも、デザインだけでなく、素材や機能のこだわりが年々多彩になっている印象があります。そしてお散歩中の安全を守るための技術が上がっていることも、忘れてはいけないポイントとなるでしょう。

これはペット用品全般に共通しますが、ペットのためだけではなく、飼い主である人間にとっても使いやすいものこそが、本当に良い商品といえるのです。

使用中のことだけでなく、装着からお手入れまでトータルで考えることも大事。
愛犬がほぼ毎日、そして長い時間にわたって身に着けるものを、妥協なく選んであげてほしいと思います。

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