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犬にリンスは必要?リンスの役割や注意点について解説

トリマー
坂本 はるか
[記事公開日]  [最終更新日]
犬を飼育していると、月に1度ほどのシャンプーは欠かせません。家でシャンプーをするときに、リンスをするかしないか迷ったことはありませんか?特に短毛の犬だと、リンスは必要ないと感じる方も多いのではないでしょうか。

今回は、犬にリンスは必要なのか、リンスを使用する際の注意点や、人間と犬の皮膚の違いについて解説します。
[ 目次 ]
犬にリンスは必要?リンスの役割や注意点について解説

シャンプー後の犬にリンスは必要?

結論からお伝えすると、シャンプー後の犬にリンスやコンディショナーは、なるべく使用しましょう。

自宅でシャンプーをする場合、多くの人は「犬用のシャンプー」を使用します。シャンプーは、犬の被毛や地肌の汚れを洗い流す役割をもっていて、シャンプー後の犬の被毛は、キューティクルが膨らんだ状態です。キューティクルとは、外部の刺激から毛髪を守る役割があり、キューティクルが傷んでしまうと、毛並みが悪くなります。長毛の犬の場合は毛が絡み、毛玉になりやすくなります。

キューティクルを閉じるためには、リンスを使うようにしましょう。特に冬場には必ず使用することをおすすめします。冬は空気が乾燥し、被毛の摩擦により静電気が起きやすくなります。静電気を防ぐためにも、リンスを使用しましょう。

リンスを使用する際の注意点

リンスを使用する際には、犬の皮膚にべったり付けてしまわないように注意しましょう。皮膚につけると毛穴のつまりを起こしたり、余分な油分を残してしまったりすることで、皮膚に炎症が起こる恐れがあります。

また、リンス剤を使用したあとは、しっかり洗い流すようにしましょう。被毛の保湿もできるので、リンス剤が残っていた方が良いと思われる方もいますが、リンスが残ると、被毛がべたつき、毛玉ができやすくなります。リンスを使用したあとは、シャンプーと同様にしっかり洗い流すことを意識してください。

さらに、リンスはなるべく水で薄めて使用することをおすすめします。犬用のリンスのボトルを見ると使用方法に「10~20倍に薄める」と記載のあるものもあります。リンスを薄めて使用すると、リンス剤をムラなく犬の被毛に伸ばすことが可能です。洗い流すときも、原液で使用するよりも短時間で流すことができます。なるべく水で希釈して使用しましょう。

犬にリンスは必要?リンスの役割や注意点について解説

人間と犬の皮膚の違い

人間と犬の皮膚には大きな違いが4つあります。順番にご紹介します。

・表皮のちがい
表皮とは、皮膚の一番外側にある組織のことです。人間の表皮は約15層になっているのと比べて、犬は3層ほどしかありません。そのため、犬の表皮は薄く、刺激や乾燥に人間より弱いと言われています。


・ターンオーバー
表皮は一定の周期で生まれ変わります。この周期のことを「ターンオーバー」と言います。人間の場合、約28日周期でターンオーバーがあります。犬の場合は約22日とされていて、人間より少し周期が短いのが特徴です。皮膚に異常がある犬は、このターンオーバーの周期が健康の犬より早くなり、フケが多くなる傾向にあります。


・汗腺のちがい
汗腺は汗を分泌する器官です。汗腺には「アポクリン腺」と「エクリン腺」の2種類があり、人間と犬とでは、この2種類の汗腺の場所が全く異なります。

人は、全身の皮膚に「エクリン腺」が存在し、「アポクリン腺」は脇や耳など限られた場所に存在しています。犬の場合、「エクリン腺」は肉球にのみ存在し、全身には「アポクリン腺」があり、特に背中に多く存在しています。


・PHのちがい
皮膚のPHにも違いがあります。人間の皮膚はPH4.5-6.0と弱酸性で、犬の皮膚は約PH7.5(犬種によって多少の違いあり)と弱アルカリ性です。


このように人間と犬の皮膚にはさまざまな違いがあるため、犬をシャンプーするときには必ず「犬用のシャンプー・リンス」を使用してください。

愛犬に合ったリンスを選ぼう

犬用のリンスには敏感肌用や、リンスインシャンプーなどさまざまな種類があります。リンスを選ぶ際には、愛犬の皮膚の状態を観察し、犬に合ったシャンプーを選ぶようにしましょう。

また長毛の犬には、保湿性が高く、被毛が絡みにくいリンスを選ぶことをおすすめします。被毛を乾かす際に、洗い流さないトリートメントを併用して使用すると、さらに日頃のブラッシングの負担を軽くすることができるでしょう。

犬にリンスは必要?リンスの役割や注意点について解説

まとめ

この記事では、犬にリンスは必要か、リンスを使用する際の注意点やメリット、人間と犬との皮膚の違いについて解説しました。犬の被毛を保護するキューティクルはシャンプーをすることで膨らんでしまいます。キューティクルを閉じるためにもリンスを使用することをおすすめします。

リンスを使用するときには、皮膚にべったりと付けないように注意が必要です。また、洗い流しも十分に行う必要があります。洗い残しがあったり、皮膚にリンスが付いたりすると、毛穴がつまり、炎症を起こしてしまう恐れがあるので気を付けましょう。

犬の皮膚は、人間の皮膚とは違うところが4つもあるため、必ず犬用のシャンプーとリンスを使用するようにしましょう。リンスを選ぶ際には、愛犬の皮膚の状態や被毛の長さなどを参考に選ぶと良いでしょう。

愛犬の被毛を守り、日頃のお手入れを少しでもラクにできるために、自宅でシャンプーをした際には、リンスを使用してみてはいかがでしょうか。

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