ノミ・ダニ予防の必要性は?予防期間、予防法、注意することは?
動物看護士
小林芽具美
[記事公開日] [最終更新日]
ここではノミ・ダニの予防はどうしてするのか、原因、予防期間などについてご紹介します。
[ 目次 ]
ノミダニの予防はどうしてするの?必要性について
トリミングサロンやペットホテル、ドッグランなどを利用するためにはノミ・ダニ予防必須と言われることが多く、予防している飼い主さんも多いのではないでしょうか。ノミやダニは犬だけでなく人間にも寄生する寄生虫です。動物の血液や皮脂などを食べて生活・繁殖します。ノミはカーペットや布団などで繁殖したり、ダニは人に感染し病気をうつすこともあります。
ノミ・ダニは、ノミやダニに感染されると貧血、皮膚疾患、アレルギー、内部寄生虫感染症、命にかかわる病気に感染することもあるからです。さらに、ノミ・ダニは接触したり、一緒に生活するだけでも他の犬へ移動し感染が広がっていきます。多頭飼育している家では全頭しっかり予防をすることが推奨されます。
特にペットホテルやドッグランなどを利用する方はほとんど必ずと言っていいほどノミ・ダニの予防が義務付けられています。ペット同伴で旅行に行く時などもノミ・ダニ予防していないと宿泊できません、などと断られる場合もあります。
ノミが原因の病気とは?
ノミが原因で実際にどんな病気が引き起こされるのでしょうか。ノミは皮膚疾患、ノミアレルギー、瓜実条虫症、貧血などを引き起こします。
ノミは吸血されるとその部分がとても痒く、犬は我慢できずに掻きむしります。昼夜問わずに掻きむしることで皮膚がただれ、膿んでしまうこともあります。
さらにノミアレルギーでは痒み、脱毛、貧血や我慢できないほどの痒みによりストレスで物を壊すなどの破壊行動や体調不良を引き起こす場合もあります。ノミアレルギーは犬だけでなく人にも起こります。人の場合は強い痒みや赤み、化膿することもあります。
瓜実条虫症は犬の腸などに感染する寄生虫で、感染されると下痢や嘔吐などの消化器疾患を引き起こします。瓜実条虫はノミの体内に生息している事があり、痒みにより犬が身体を噛むことで犬の体内に侵入します。瓜実条虫症は動物病院で投薬などの適切な治療が必要になります。
貧血は子犬や老犬の場合やノミの寄生数がとても多い場合は成犬でも貧血の症状を引き起こします。貧血では元気や食欲がなくなったり、大量に持続的に吸血されると命の危険性もあります。特に子犬や老犬の場合は命の危険性も成犬より高いため注意が必要です。
ダニが原因の病気とは?
マダニが原因で実際にどんな病気が引き起こされるのかご紹介します。ダニは貧血、バベシア症、Q熱、ライム病、日本紅斑熱などの病気を媒介します。近年では犬や猫だけでなく人間に感染し、亡くなるケースも増えてきているようです。
マダニは吸血するととても大きく巨大化します。そのため、初めてマダニを見る飼い主さんは皮膚にできものが急にできたと動物病院を来院することもあります。とても大きく、皮膚にこびりついているものだから中には取ってしまおうとピンセットなどを使用し自宅で取ってしまう飼い主さんもいますが、これは絶対にしてはいけません。マダニは顎が強く、引っ張ると顎だけそのまま皮膚についたまま外れてしまいます。そのまま放置するとその部分の皮膚が炎症を引き起こし化膿してしまい事があります。そのため、愛犬に吸血している際に見つけた場合は自宅でどうにかするのではなく、動物病院を受診しましょう。
予防方法や期間は?
ノミ・ダニの予防方法は愛犬の身体に寄生させないことが一番です。そのため、動物病院などで処方されているノミ・ダニ予防薬を1カ月に1回、愛犬に塗布するもしくは服用させることが重要です。予防をしていても身体にノミ・ダニが付着することはあります。そのため、散歩後のブラッシングや身体の確認をしてから室内に入るようにしましょう。他にもカーペット、ベッド、布団、愛犬の生活スペースのこまめな掃除を行いましょう。一度身体に感染し室内にノミ・ダニを持ちこんでしまうと部屋のいろんな場所で繁殖・増殖をしてしまいますので、室内のこまめな掃除を心がけましょう。
ノミ・ダニの予防期間は1年中することが推奨されています。ピークシーズンは5月ごろ~9月ごろですが、他の季節でもノミは13℃で活発化します。飼い主さんの中には12月ごろまで予防すれば冬場は必要ないと思っている方もいますが、冬場でも室内が過ごしやすいように暖房を付けている方がほとんどです。ノミ・ダニも繁殖しやすい環境が冬場でも整っているため、1年中の予防が推奨されています。
予防の際の注意点は?
ノミ・ダニ予防の際の注意点は3つあります。
1つ目はホームセンターなどで販売されているノミ・ダニ予防薬は「医薬部外品」と呼ばれるもので、効果にばらつきがあったり、予防効果にも限度があります。そのため、ノミ・ダニ予防をするときは動物病院で処方されている予防薬を使用するようにしましょう。
2つ目は動物病院で処方される予防薬も獣医師から伝えられる注意事項をしっかり守るようにしましょう。皮膚につけるタイプのものは24時間後はシャンプーしてしまうと効果が薄れてしまうので、シャンプーは避ける、成長期の犬では体重を測ってから正しいサイズのものを使用するなど説明されますので、きちんと守るようにしましょう。
3つ目はノミ・ダニの感染を見つけても、素手で触ったり、つぶしたりしないようにしましょう。ノミもダニも、人間にも感染する病気を持っている事があります。感染を見つけたら、自分でどうにかしようとせずに動物病院に相談しましょう。
さいごに
ここではノミ・ダニの必要性についてお話しました。ノミ・ダニは吸血する前は目で確認することは難しく、ぱっと見るだけでは自分の愛犬に感染しているのかわかりません。しかし、目に見えなくてもノミ・ダニは愛犬の身近に潜んでいます。すでに感染しているかもしれません。ノミ・ダニは愛犬だけでなく、人間の命も脅かす恐ろしい生き物です。しっかり予防し、家族を守りましょう。
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