愛犬の無駄吠えが簡単に治せる魔法の掛け声
愛玩動物飼養管理士
大谷幸代
[記事公開日] [最終更新日]
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愛犬の無駄吠えが治らない原因は飼い主さんにあった
玄関チャイム、来客、屋外からの騒音と条件反射のように突然愛犬が激しく吠えたてることがあります。
多くのご家庭で愛犬の無駄吠えには何等かのお悩みを抱えていることでしょう。特にダックスの様に体は小さくても声が太く響きやすい犬種の場合、近隣への迷惑も気になるところです。
実はこの犬の無駄吠えがなかなか治らない、何度叱っても効き目がないというお悩みの原因は飼い主さんの行動と関係しています。
飼い主さんが犬への対処の方法、言葉のかけ方を見直すだけで簡単にお悩みは解消することが出来ます。
叱る、怒る、脅かすは逆効果
多くのご家庭でみられるケースとして、犬が無駄吠えを始めると
・低く厳しい口調で叱る
・大声で犬の名前を呼ぶ
・ダメ、いけないと叱る
・手を振りかざし犬を怯えさせ、禁止行為であることを理解させる
といった行動を飼い主さんが取っています。
犬は飼い主の状況を理解し、一旦は無駄吠えを控えますが数十秒もすればまた同じように吠え始めます。
この繰り返しを犬と飼い主さんとで一日に何度も繰り返すというご家庭も多いことでしょう。
犬のしつけの手法には様々な内容があり、中には犬と人間の上下関係を活用し上位者である人間が威嚇、恐怖を与えることが効果的だとする手法もあります。しかしこのような手法は条件反射的に起こる行動にはあまり効果がありません。
犬が冷静な判断が出来る精神状態にある状況であれば、飼い主の反応を予測しイタズラを控えるなどの行動を選択しますが、玄関チャイムや来客、屋外からの騒音の様に突然の出来事には冷静な判断をする余裕はなく本能のままに行動してしまうからです。
このような条件反射的な行動は
・狩猟本能
・警戒心
・防衛本能
に基づき起きています。そのためなかなかしつけだけで完全に抑え込むことはできないでしょう。
その上理性や冷静さを失っている状態に犬に向かって飼い主さんが厳しい態度を示せば犬は勘違いを起こします。
狩猟本能から攻撃的に吠える犬は飼い主もこの攻撃的な無駄吠えに加勢しているのではないかと感じるでしょう。
恐怖心や警戒心から吠えている場合は、飼い主もパニック状態を起こすほど危険が迫っているのではないかと考えます。また恐怖心でパニック状態にある犬の場合、頼るべき存在である飼い主が厳しい口調、怖い表情で犬を見つめていれば頼る相手を失ってしまいなおさら追い詰め得られた心境に陥ります。
このようにこれまで当たり前とされてきた無駄吠えの対処法は必ずしも効果的な方法ではないという事を知っておく必要があります。
具体的な行動指示で簡単に解消
なかなか改善しない犬の無駄吠えに効果的な方法が具体的な行動し指示を出すことです。
例えば、玄関チャイムの過剰に吠えたてている犬に向かって「ダメ」と声をかけ叱る
という対処法を講じている場合、今後は「ハウス」と声をかけてみましょう。
この時、決して厳しい口調、怖い表情で「ハウス」と言ってはいけません。出来る限り優しい声で、ハウスの傍に立ち、オヤツなどで誘導をしてもよいでしょう。
愛犬が指示に従いハウスへ入ったら即座にオヤツを与え多いに誉めてあげます。
実はこれだけの簡単な方法で無駄吠えを解消することが出来ます。
この仕組みは、
・犬は「ダメ」という言葉の意味を理解していない
・パニックを起こしている犬に安全地帯であるハウスの存在を思い出させ、避難をうながす
・無事避難出来たことで飼い主さんから褒めてもらえる
という流れです。
犬はお座りと言われれば座り、おいで呼ばれれば飼い主の傍へ行きます。散歩と聞けば嬉しそうにはしゃぐでしょう。つまり飼い主の発する言葉の意味を理解し、その後に起こる行動を予測することが出来ます。どうすればご褒美をもらう事が出来るかもしっかりと認識できています。
でも「ダメ」という言葉はその後にどのような行動を起こせばいいのかまるで理解できていません。そのため飼い主が何度叫んでもかえってパニックを強めるだけです。犬にとって「ダメ」は人間であれば意味をなさない言葉を近くで叫ばれているようなとても不快な言葉でしかありません。
でも「ハウス」と言われば自分のハウスへ戻るよう指示をされていると理解でき、行動に移すことが出来ます。ハウスに向かって歩く時は当然吠えることを止めるので、自然と無駄吠えを止めさせることにつながります。
この時に掛け声は
・おいで
・抱っこ
・フセ
など愛犬が理解し行動出来る言葉であれば何でも同じ効果があります。吠える以外の行動を取るように指示を出せばよいのです。
愛犬の無駄吠えにどんなに苛立ちを感じているときでも、ハウスやおいでという指示に愛犬がスムーズに従った以上は決して叱らずに大いに褒めることもこの方法を成功させる秘訣です。
定着するまではおやつを活用
条件反射的に吠え、興奮状態にある犬にはなかなか飼い主の言葉が耳に届かないものです。
そのような場合はあらかじめハウス付近に容器に入れたオヤツやピーピーと甲高い音のするおもちゃを用意しておきます。
愛犬が吠え始めたらオヤツの容器を振ったり、おもちゃを鳴らして愛犬の注意をひきつけます。そのうえで言葉をかけ誘導しご褒美を与えます。
日ごろあまり食べ物に関心を示さない犬の場合は、カシャカシャと音のするビニール袋を用意し、愛犬の関心を引く方法も手軽で効果のある方法です。
この時に与えるおやつはあくまでも愛犬の誘導用なので与える量はごく少量で構いません。ビスケットであれば粉状に砕き、手のひらで少量を舐めさせる程度で十分です。ごく少量であれば一日に数回このしつけを繰り返しても肥満の心配もせずに済むでしょう。
ゼロは無理でも限りなくゼロに近づけることが目標
犬のしつけにおいて吠えている犬を瞬時に黙らせるというテクニックはもっとも難易度が高い技法です。静かな犬に吠えるようしつけることは簡単ですが、瞬時に黙るという逆の行為は犬の体の構造的にも難しいのです。ごく一部の警察犬や使役犬でのみ可能とも言われるほどです。
つまり家庭の玄関先で吠えたてている愛犬を即座に黙らせることはなかなか難易度が高いのです。
無駄吠えが起こる原因は犬自身の本能、犬種の特性、社会化不足、性格など様々な要因が合関係していることもあり成長後に完全にリセットさせることは不可能です。
でもともに家族として生活をする中で、近隣に迷惑をかけることの無い様に、家族にストレスを与えることの無い様にコントロールすることは必要です。
その為には無駄吠えをゼロにすることはできなくても、出来る限り吠える回数を減らす様取り組む必要があります。
愛犬が吠えているときに掛け声、行動指示を変えるだけで無駄吠えを大幅に短縮させることが出来るのでお困りの際はぜひこの手法に挑戦してみてください。
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