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小型犬の「膝蓋骨脱臼(パテラ)」とは?原因や対処法を解説!

愛玩動物飼養管理士
古川諭香
[記事公開日]  [最終更新日]
犬は体の大きさによって、かかりやすい関節疾患が異なります。
そこで今回は小型犬に発症しやすい「膝蓋骨脱臼(別名:パテラ)」の症状や治療法などを詳しく解説。
飼い主さんができる予防法もチェックしてみてくださいね。
[ 目次 ]
小型犬の「膝蓋骨脱臼(パテラ)」とは?原因や対処法を解説!

膝蓋骨脱臼(パテラ)とはどんな病気?

別名「パテラ」とも呼ばれる「膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)」は膝のお皿(膝蓋骨)が外れ、後肢の骨や筋肉にゆがみが生じる病気です。
症状は片肢に現れることが多いですが、中には両脚に見られる子もいます。

この病気は膝蓋骨が肢の内側にずれる「内方脱臼」と外側にずれる「外方脱臼」に分けられますが、小型犬は内方脱臼を発症するほうが多いでしょう。
中でもかかりやすい犬種はトイ・プードルやチワワです。

脱臼は生後4~5ヶ月以降に見られることが多く、成長につれて、さらに膝蓋骨がずれていきます。

膝蓋骨脱臼(パテラ)の原因は?

この病気の原因はまだ詳しく解明されていませんが、高い場所からの落下や交通事故によって起こるとされています。
また、生まれつき膝関節周りの筋肉や靭帯に異常があり、成長にしたがって症状が現れ始めるケースもあるので、先天性疾患でもあるともいえるでしょう。

●症状はグレード1からグレード4に分けられる
膝蓋骨脱臼は症状によって、グレード1からグレード4に分けられます。
症状はグレード1が最も軽く、病気が進行するにしたがってグレードも上がっていきます。

<グレード1>
無症状であることが多く、日常生活にも支障をきたしません。
目立った変化がないため、早期発見が難しく、飼い主さんが気づかないうちに症状が進行していってしまう場合もあります。

<グレード2>
たまに、ケンケンをするように足を浮かせながら歩きます。
しかし、飼い主さんが外れた関節を元の位置に戻してあげれば、正常に歩けるようになるでしょう。
この場合も日常生活に支障をきたしません。

<グレード3>
常に脱臼している状態ですが、こちらも外れた関節を元に位置に戻してあげれば、歩くことができます。
しかし、しゃがんだ姿勢のまま歩いたり、足を引きずったりするようになるため、日常生活に少しずつ支障が現れ始めるでしょう。

<グレード4>
常に脱臼していて、飼い主さんの力では外れた関節を元に戻してあげられなくなります。
痛みは感じませんが、骨が変形してしまっているので、膝を曲げながら歩くようになったり、足を浮かせながら歩いたりします。
そして、中には全く歩けなくなってしまう子もいるので、日常生活を送るのが困難いになるでしょう。

膝蓋骨脱臼(パテラ)の治療法は?

膝蓋骨脱臼は長く放置していると、その状態のまま筋肉が固まってしまいます。
こうなると、膝蓋骨を治療しても筋肉が伸びきらず、完治させることが難しくなるので、できるだけ早期治療を行っていくことが大切です。

治療法としては薬やサプリメント、レーザを使った内科的治療と手術による外科的治療があります。
ただし、手術を行う場合は関節の骨を削る必要があるため、シニア期を迎える前に「変形性関節症」を患ってしまう可能性が高くなることがあるといわれています。
ですから、手術はメリットとデメリットを獣医師とよく相談したうえで行うようにしましょう。

膝蓋骨脱臼(パテラ)の予防法は?

先天性の膝蓋骨脱臼は予防が困難ですが、落下や交通事故による外傷性のものは生活環境を見直すことで予防できます。
そして、この病気は進行の予測や早期発見が難しいからこそ、飼い犬が生後4~5ヶ月を過ぎたら、膝蓋骨をレントゲンや触診で診てもらいましょう。
チワワやトイ・プードルは膝蓋骨がお米くらいの大きさで、飼い主さんが自己判断するのが難しいので、獣医師にしっかりと診察してもらうことが大切です。

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