犬の腸閉塞(ちょうへいそく)って、どんな病気?
この記事では、犬の腸閉塞の症状や原因、診断・治療・予防方法、注意することについてまとめました。
腸閉塞とは?詳しく解説
消化管の内容物が物理的に腸を通過できなくなってしまった状態を腸閉塞,またイレウスともいいます。急性の激しい嘔吐を何度も繰り返し、元気と食欲が消失してしまいます。異物を飲み込んだために発生する,異物性の腸閉塞はよく認められており、異物以外では、腸にできた腫瘍による閉塞や腸の運動性が低下する事による通過障害なども知られています。消化管が完全に閉塞した状態のまま時間が経つと、命にかかわる事もあり、どの犬種にも起こりうる病気です。
症状は?
・嘔吐
・食欲不振
・元気消失
・腹部の痛み など
完全に腸が閉塞されているか?いないか?また閉塞の起こっている部位によって症状の現れ方や程度に違いがありますが、主に上記のような症状が現れます。
原因は?
・異物
(石,木片,ボール,ビニール,骨,おもちゃの一部,トウモロコシの芯など)
・大量の腸管内寄生虫
・腫瘍
・腸重積,腸捻転,ヘルニアの疾患 など
さまざまな原因がありますが、異物によるものが犬では多いです。
※腸重積(ちょうじゅうせき)とは?
腸の一部が隣接する腸内にはまり込んでしまう状態をいいます。
※腸捻転(ちょうねんてん)とは?
腸がねじれ、激痛を伴う急性の病気です。
診断方法は?
・身体検査
(腸内の異物,腸の重積,または腸管内へのガスや液体の貯蓄による腸管拡張を確認できる事がある。)
・超音波検査
・血液検査(※全身状態を把握するうえで重要!)
・X線検査 など
上記などの検査を行い、診断されます。
治療はどのように行う?
・外科手術
・内視鏡手術(食道と胃の間でつまっている場合)
・点滴(術後,脱水に対する治療として)
<がんや炎症による閉塞の場合>
病気,種類,消化管の部位などから、外科手術を行うか?薬物治療をするか考えられます。
(※)異物による腸閉塞は緊急疾患なので迅速な診断と治療が何よりも大切です!
予防はできる?また注意することは?
・消化不可能で飲みこむ可能性のあるもの(おもちゃ,食べ物 など)
を生活している環境に置かないようにする。
・お散歩の際にも石や木片など、落ちているものを口にさせない。
万が一、誤って口にしたとしても、うんちと一緒に出てくるか,吐き出すだろうから大丈夫!そう考えることもあると思いますが、その大丈夫という想いが一歩間違えると、とても危険性の高い出来事になってしまいます。愛犬がおもちゃなどで遊ぶとき、常に目を離さず、飼い主さまがおもちゃの管理をしてあげましょう。
またあってはならない事ですが、もしかして腸閉塞の症状かな?と病院の診察を受ける際は、症状を細かく説明して(症状をメモしておくのもGOOD!)獣医師とのコミュニケーションも診察を受けるうえで大切になるかと思います。
1匹でも多くのワンちゃんが健康で楽しい生活を送れますように。
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