犬の健康に役立つ食材豆知識~里芋~
優秀な栄養成分ガラクタン
里芋には、炭水化物とタンパク質の複合体であるガラクタンが含まれています。このガラクタンは、里芋のネバネバの元となる成分で、水溶性食物繊維の一種です。免疫系に働きかけるガラクタンは、脳細胞を活性化する働きやコレステロールや血圧を下げる効果が期待できます。また、免疫力を高めてくれることからがん予防や感染症予防に効果があるとされています。さらに、たくさん食べても脂肪にならない成分としても知られています。
里芋に含まれている粘液酸は内蔵の強い見方!
里芋に含まれている粘液酸にはさまざまなチカラがあります。ネバネバの元であるぬめり粘液酸は、唾液腺ホルモンの分泌を促進してくれるので、消化を助け、胃や腸の粘膜を保護、お腹の調子を整え、肝臓や腎臓の働きを良くしてくれる作用があります。また、タンパク質の消化・吸収を高めてくれるので、胃腸の働きを活性化させます。また、腎臓や肝臓の働きを助けてくれる役割もあります。お腹を壊したり、生まれつきお腹の弱い犬たちには、この粘液酸が強い見方となってくれるはずです。
マンナンの力もある里芋
里芋のネバネバ成分のもう一つがマンナンです。こんにゃくにも入っていることで知られているマンナンは、正確にはグルコマンナンと呼ばれる水溶性の食物繊維の一種です。マンナンは、腸内の善玉菌を増やし腸内環境を整えてくれることから便秘解消に役立ちます。また、血糖値の上昇を抑制する効果やコレステロールの低下にも役立つことがわかっています。人だけではなく犬のダイエットにも役立つ食材が里芋と言えます。
カリウムはいも類の中でトップクラス
体内に存在する最も多いミネラルであるカリウムは、ナトリウムの排泄に役立つほか、心臓機能や筋肉機能の調節、神経系統の伝達、細胞の浸透圧の維持などの役割を果たしています。カリウムが不足(低カリウム血症)すると、手足の麻痺などの症状が出ます。また、カリウムは多すぎると不整脈、頻脈などの脈拍の異常、手足のしびれ、筋力の低下、吐き気などの症状が出ます。カリウムは多すぎても少なすぎても体に悪影響を及ぼしますが、適度な摂取によって血液サラサラ効果が期待でき、心臓疾患予防につながります。
生ではあげないで!
里芋を生で食べることはないと思いますが、里芋にはシュウ酸という成分が含まれています。里芋を扱うと手がかゆくなったり、口のまわりが赤くただれたりするのもこのシュウ酸のためです。このシュウ酸によって生で食べたり、体質に合わない犬が食べると中毒症状が現れることがあります。嘔吐、呼吸困難、ヨダレがダラダラ出る、麻痺、けいれん、口内炎などの症状が出た場合は中毒症状を疑いすぐに動物病院に連れて行きましょう。なお、どんな食材でも、初めてあげる時にはまず少量から試してみて様子を見ましょう。
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