食べているものに何が入っているか確認してますか?
知り合いから「手作り食が良いよ」と言われても、「時間がなくて難しいから、内はペットフードをあげているよ」という方も多いはずです。
そのあげているペットフードを自信を持って選んでいけるように、何が入っているかを確認してみましょう。
いつも買っているフードの袋で見てみましょう
市販されているペットフードには、平成21年より「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律」(ペットフード安全法)により、必ず以下の表示が定められています。
■表示が義務付けられている項目
「名称・品名」・・・犬用か猫用か、などを記載してます。
「賞味期限」・・・表記された保存方法にて保存した場合、栄養価・品質をメーカーが保証できるとされる期限を年月日で示します。
「原材料名」・・・フードに入っているすべての原材料・添加物の記載がされています。
「原産国名」・・・フードの最終加工の国が表示されています。原材料の調達や、一次加工の国は記されておりません。
「事業者名及び住所・製造者」・・・責任を持つ事業者の種別(輸入・製造・販売)と共に、名称・住所が記されています。
■ペットフード業界で設定された消費者が選択できるように表示している項目
「用途」・・・総合栄養食・間食、療法食、その他の目的食として、含まれている栄養成分が何を目的としているかを示します。
「内容量」・・・製品の正味量や、個数などが示されます。
「与え方」・・・個体差を考慮し、一日に与える量・回数の目安が示されます。
「成分」・・・栄養成分や水分量が記載されています。
これらの表示がどこに書いてあるか、見つかりましたか?
では、「原材料名」に注目して見てみましょう。
何がどれだけ入っているのか
原材料をちゃんと見ようと思っても、なんだか難しい言葉が並んでいるので、見るの諦めちゃうなんて人は多いのではないでしょうか。
安心してください。見慣れていないうちは全部見る必要はありません。
最初に書いてある5個の材料名のみを見てみましょう。
以下にランダムに調査したフードから、記載順のはじめから5個の原材料を書き並べてみます。いずれもチキン使用と広告されている総合栄養食を選んでみました。
商品A 猫用・・・チキン、米、コーングルテンミール、家禽ミール、小麦粉
商品B 猫用・・・肉類(チキンミール、チキンエキス、家禽ミール)、とうもろこし、植物 性タンパク、大麦、油脂類(鶏脂)
商品C 犬用・・・トウモロコシ、小麦、トリ肉(チキン、ターキー)、動物性油脂、コーングルテン
商品D 犬用・・・肉類(チキンミール、家禽ミール)、とうもろこし、小麦、動物性油脂、 乾燥ビートパルプ
商品E 犬用・・・肉類(チキンミール、チキンエキス、家禽ミール)、とうもろこし、植物 性タンパク、大麦、油脂類(鶏脂)
確かに全部チキンが入ってはおります。しかし「チキン・チキンミール・チキンエキス」とチキンが付くだけでもいろいろ種類があることがわかります。
そしてこの記載の順番に注目してください。原材料表示欄は使われている原材料の多いものから順番に記載するルールがあります。
そのため、商品Cでチキンを食べさせていると考えていたとすると、より多くのトウモロコシや小麦といった穀物を食べさせていたことになります。
なぜ最初の5個の原材料を確認したのか、これは大半のメーカーにて、9割以上の成分となるものが最初の5個の原材料であるからです。もちろんその割合の正確な比率は、大半のフードメーカーでは公開しておりません為、不明です。
もちろん、一部のメーカーさんは配合割合を正しく記載しているところもあります。
チキンミール?家禽ミール?って何が違うのか
肉の種類として、チキンと記されている場合、にわとりのお肉となります。ターキーは七面鳥です。
ではチキンと、チキンミールの違いはなんでしょう。
「チキン」・・・にわとりの肉部。一般的な鶏肉です。
「チキンミール」・・・にわとりの頭や足、骨、羽、内蔵など、鶏肉を取り除いた部分を加工した乾燥粉末。
「家禽ミール」・・・にわとりの他、うずら、アヒル、カモ、七面鳥などの家禽の頭や足、骨、羽、内蔵など、鶏肉を取り除いた部分を加工した乾燥粉末。
ミール類は、高品質なミールも存在しています。骨や羽が含まれず、高品質な部位から高タンパク・コラーゲンを取得する目的に入れられているものもあります。
しかしながら、廃棄していたものを有効活用としてペットフード化している現実も少なからずあり、消化に悪いものが存在することもあります。
どうでしょう。あなたが思っていた通りの原材料でしたでしょうか。
チキンでもないコーングルテンミールのグルテンって何?
コーングルテンやコーングルテンミールとの表記が先の原材料の所にありました。
これはとうもろこしから、でんぷん質であるコーンスターチを精製する時に残される副産物です。でんぷん質が取り除かれる為、タンパク質の含有量の多いグルテンが作られます。これを肉に見立ててグルテンミートとして使用しているのが、コーングルテンミールです。
同じような名前ものものとして、ベジタリアンの方が肉を避けるためにに大豆から作られた大豆グルテンミートを使用されていることはよくあります。
この大豆とトウモロコシの大きな違いは、トウモロコシには、脳内の癒やしの成分と言われるセロトニンに必要な「トリプトファン」が少ないということです。よってこのコーングルテンミールを中心に作られたフードではセロトニンが体内でうまく作られず、イライラするなどのストレスの高い性格が現れやすくなるともいえます。
コーングルテンでは、アレルギーの発生を促進しやすい成分ともいわれます。できるかぎり避けたほうがよい成分ともいえるでしょう。
ちょっと見つけてみたいフードの表示
チキンミールを用いず、必要な部位を原材料に使用しているフードでは、以下の表示をしているフードがあります。
犬用フード・・・チキン生肉、チキンレバー生肉、チキンハート生肉、ニュージーランド緑イ貝、チキンボーン
このフードでは、レバー、ハート(心臓)といった内蔵を部位別に判断し原材料として含めているものとなります。
愛するペットたちは、生活習慣の違い、環境の違い、運動量の違い、種類の違いなどなど、必要とする栄養分が異なります。
それを栄養素の視点だけでなく、ちょっと裏面を確認してみるだけで、原材料の違いを比べてみましょう。今、元気に過ごすために。そいて将来の病気の発生リスクを下げるための一歩になるでしょう。
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