犬と猫が食べるものは違う?食べ方などの基本をおさらいしよう
犬の食性の特徴とは
犬の食性は「肉食に近い雑食」です。これは雑食といっても肉など動物性の食べ物の方が多い、ということですね。
「雑食」とは、肉などの動物性の食べ物、植物性の食べ物、どちらも食べることです。犬は肉しか食べないイメージがあるかもしれませんが、実は植物性のものも食べています。人参やキャベツなどを食べたがる愛犬もいるのではないでしょうか?
犬の要求するたんぱく質量は人より多いのですが、脂肪:炭水化物:たんぱく質の割合は似ています。そのため犬に肉だけをひたすら与えていると、栄養を満たすことができなくなってしまいます。
犬歯で肉類を噛んで裂き、穀物は臼歯ですりつぶして食べるという雑食動物の形状をしています。人とは異なり、臼歯でも肉が裂くことができるように山型になっていることも特徴です。すりつぶして食べるといっても、人のように顎を左右に動かすこともできません。
猫の食性の特徴
猫は完全肉食動物です。そのため猫は、動物性たんぱく質の要求量が高いという特徴があります。
必須アミノ酸である「タウリン」「アルギニン」を少量しか生成できないため、肉など動物性食品から摂取するためです。アラキドン酸という、脂肪酸も体内で合成することができません。
また植物に含まれるカロテンをビタミンAに変換できないという特徴もあるため、動物性食品を食べることが大切です。
逆に考えると肉類を食べることで、タウリンやアルギニンなどを摂取できるから、体内での生成が少量になったともいえるでしょう。
とはいえ全く穀類など炭水化物が利用できないわけではなく、適正な量なら消化することができます。例えば、ドライキャットフードに含まれる炭水化物は35%程度となっています。
猫の歯を見れば、先のとがった犬歯が非常に発達していることがよくわかると思います。臼歯もすりつぶして食べるというより、肉を噛みちぎって食べるのに適しています。猫の歯をよく見ると、上下の臼歯のとがったところが、ギザギザのはさみのように互い違いになっていることがわかります。
犬と猫、食べ方も違う
犬と猫では食事の摂り方や肉の好みも異なります。
・犬は一度にたくさん食べる動物
犬は群れで狩りをして食事をする動物です。とはいえ毎回狩りが成功するわけではありません。さらに群れの中での順位にしたがって、分ける必要もあります。
そのため毎回十分な食事にありつけるわけではなく、急速に、そして一度にたくさん食べる「貯め食い」をすることが特徴です一般的に犬は夜間の食事をしないため、1日2食という食事パターンが適しています。
愛犬が、おやつや骨を埋めようとするのを見たことがありますか?これは食べ物を貯蔵する犬の習性です。そのため、腐肉や冷たい肉も食べることができます。もちろん腐った肉をわざわざ与えないでくださいね。
・猫はちょこちょこ食べ
猫は小鳥やねずみなど小動物を「単独で狩っては食べる」という習性があります。そのため、一度にたくさん食べるのではなく、少量のフードを分けて食べたがることが特徴です。狩りは、夕方や真夜中、明け方にも行うため夜間も食事をします。
狩ったばかりの肉を食べるため、犬と異なり温かい肉を好みます。食の細い猫に、フードを温めるとよく食べるようになることがあるのはそのためです。
・甘いものが好き?嗜好の共通点や違い
多くの犬は甘い食べ物が大好き。そのためケーキやクッキーなどのお菓子も食べたがります。一方猫は甘みを感じることありません。人工甘味料なども犬は好みますが、猫は嫌うようです。苦いものは犬も猫も苦手ということは共通点です。
犬も猫も、離乳食のころにいろいろなフードを食べておくと、好みの幅が広がるようです。さまざまなフードを食べさせておくと、入院や災害時などいつものフードが食べられないときでも食事が摂りやすくなる傾向にあります。
犬や猫のわがままに合わせないことと、下痢や消化不良にならないように気を付けながら、嗜好の幅を広げておくといいですね。わからない場合は獣医師に相談してください。
犬のフードを猫に、猫のフードを犬にはNG
犬と猫では、必要な栄養素が異なります。そのため犬にキャットフードを与えると、タンパク質が過剰になり栄養過多になってしまいます。逆に猫にドッグフードを与えれば、タウリンなどが不足して栄養不足に陥ってしまうでしょう。
どちらも体調に大きく影響を与えることになります。犬にはドッグフードを、猫にはキャットフードを与えることが大切です。もし欲しがっても与えないようにしましょう。どちらも飼っている場合は、食事は別の場所で食べさせるなどの工夫が必要です。
食事の摂り方も異なります。極端な話ですが、犬にちょこちょことほんの少しずつ食べさせようとすれば、お腹が空いてしまうでしょう。猫に一度にたくさん与えようとしても、残してしまうはずです。犬や猫の食性にあった与え方をするように気を付けましょう。
食べてはいけない共通の食品がある
食性の異なる犬と猫ですが、大切な共通点があります。それは「与えない方がよい、注意すべき食品」があるということです。特に人が好んで食べるものが多く、与えないことはもちろん、目を離した隙に食べられないように注意する必要があります。
代表的なものが、玉ねぎや長ねぎ、ニンニクやニラ、ブドウなどです。ねぎ類は取り除いても、スープなどに成分が溶け出しているので要注意です。
そのほかコーヒーやチョコレート、ココアなどがあります。すぐに大きな害がなくても、塩分濃度の高い、ハムやウィンナーなど加工食品なども危険です。
犬と猫は食性が異なるだけでなく、人とも大きく異なるということをしっかり認識しておくことが重要です。
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