シッポが上がらない?コールドテール症候群とは?
犬のシッポの役割とは?
まずは、犬のシッポの役割についておさらいしましょう。犬のシッポには、感情表現、コミュニケーション、バランス維持、体温維持といった大切な役割があります。では、主なシッポの役割について簡単にご紹介します。
・感情表現やコミュニケーションとしてのシッポ:ちぎれるほど振っている時はうれしいとき、細かく動かしているときは警戒しているときといったシッポを振るという表現以外に、シッポの高さでも感情を表しています。シッポをピンと高く上げているときは警戒しているとき、逆にシッポを股の間に入れているときは恐怖を感じているときなどがあります。さらに、振る動作と高さの組み合わせで、そのときの感情を表しているときもあります。犬は、シッポを動かすことで、私たち飼い主や出会った犬にシッポで感情やコミュニケーションを伝えているのです。
・バランス・方向転換を取るためのシッポ:犬のシッポは、走っているときや泳いでいるときなど複雑な動きをするときには、方向転換をするための舵としての役割やカラダのバランスをとる働きをしています。
・体温維持のためのシッポ:寒いときに犬が丸まっているのは、シッポで鼻先を覆い体温を逃さないようにしているのです。
犬のシッポには、想像以上にたくさんの役割があります。
コールドテール症候群について詳しく!
前述のように、犬はあらゆる場面でシッポを活用していることがわかりますね。そんなシッポが、力なく垂れ下がったままになったことはありませんか。垂れ下がったままだけではなく、シッポを追いかけてくるくる回ったり、落ち着きなくソワソワしたり、上手におすわりできなかったりと、自分でシッポが思うように動かせなくなることがあります。そんな症状が見られたら、コールドテール症候群を疑いましょう。コールドテール症候群は、シッポの付け根部分にある筋肉が炎症を起こすのではないかと言われていますが、はっきりとは解明されていません。また、泳いだ後や雪山などで遊んだ後に多く発症するため、冷えも関係していると考えられています。発症すると犬はとても痛そうにしていますが、通常は3日〜1週間程度で元のシッポの状態に戻ります。
コールドテール症候群の原因は?
コールドテール症候群は、たくさん泳いだ後や雪山で遊んだ後などに発症しやすい症状です。はっきりとして原因は解明されていませんが、冷えによるもの、シッポの動かし過ぎによるものが関係していると言われています。特に、レトリバーやポインターなどの大型の猟犬犬種に発症例が多く、小型犬ではあまり見られないこともコールドテール症候群の特徴とされています。また、遺伝的な要因もあると言われているので、親や兄弟犬が発症した場合には注意が必要です。
コールドテール症候群は予防できる?
残念なことにコールドテール症候群は、発症の原因がはっきりと解明されていないことや、症状に関するデータが少ないため、動物病院へ連れて行っても獣医師ですら気がつかないことが多い症状です。ただ、発症を避けるために、長時間泳がせないようにする、冷たい水や雪での遊びの時には時間を区切って遊ぶなどの工夫が効果的です。また、一度発症したことがある場合は、繰り返し発症する可能性もあるので、十分に注意をしてあげましょう。特に、泳ぐことが大好きなレトリバーは、体が冷えていないかを確認しながら遊ぶことをおすすめします。
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