犬の腸活について~腸内環境が寿命を決める~
腸活とは、腸内環境を整え、腸内細菌のバランスを保つことで心身ともに健康でいられる身体づくりを目指そうとするものです。
この活動は、私たち人間のみならず実は犬にも非常に大切なことであるというのがわかってきました。
そこで、今回は犬の腸活について、腸内環境を整えるとなぜ健康寿命が延びるのかをお伝えします。
小腸・大腸それぞれの役目とは?
人にも犬にも、腸は「小腸」と「大腸」の二つの臓器があります。
この二つの臓器は、どちらも「消化」に関わる臓器ですが、それぞれが違う役割を持っています。
まず小腸ですが、ここでは胃で消化された食べ物を、栄養分とそうでないものに分け、栄養分を身体のエネルギー源として、水分を膀胱に、そして固形物(カス)を大腸に送る役割をしてくれています。
大腸は、小腸で選別されたものを更にふりわけ、水分をここで吸収し、残りカスを大便として体外に排出するという役割があります。
また、小腸は選別作業だけでなく粘膜免疫をつかさどる重要な役割もしています。
ですので、ここの機能が狂ってくることでアレルギー性皮膚炎や、アトピー、涙やけなどの皮膚疾患を起こす原因になります。
どうして腸内環境を整えると寿命を延ばすことになるの?
生物の身体は、すべての臓器がそれぞれ関係しており、いわば「繋がっている」と言えます。
東洋医学では、心臓と小腸、肺と大腸がそれぞれ密接にかかわっているとされています。
ですので、心臓に疾患がある場合は心臓のケアとともに小腸のケアをすることで治りが早いと言えますし、肺などの呼吸器系が悪い場合は、同時に大腸のケアをする方が効果が表れるのが早いのです。
どの臓器ももちろん重要なのですが、心臓は生命維持装置ともいえる臓器で、肺は外から空気を取り入れエネルギーに変える役割をしています。
ですので、この4つの臓器を効果的にケアすることで健康で長生きできる体づくりを目指せるということなんです。
具体的に何をすればいいの?
小腸も大腸も、内部が粘膜で覆われています。
腸を丈夫に保つということは、具体的にはこの粘膜の状態をよくしてあげればいいのです。
また、腸内細菌のバランスももちろん重要です。腸内細菌には、ビフィズス菌などで知られている「善玉菌」と「悪玉菌」の2種類があります。
この2つの菌のバランスですが、善玉菌3に対して悪玉菌1がベストバランスで、悪玉菌が0でもダメなのです。
さて、腸内の粘膜を良好に保つ方法ですが、簡単な方法はぬるぬるしたものを食べさせてあげることです。納豆やオクラ、山芋、里芋もいいですし、発酵食を与えるのも良いでしょう。
ヨーグルト、納豆、みそ(少量)も効果的ですし、腸内環境を整えてくれるサプリメントを与えるのも良いですね。
食べ物だけではダメ!運動も重要
腸活が健康寿命を延ばすことと関係があることは、おわかりいただけましたよね。
しかし、どれだけ良いものを与えても、臓器が作用してくれないと全く意味がありません。
そこで重要なのが、良いものを体内に取り入れるだけでなく、運動をして臓器をしっかり機能させることが大切になってきます。
腸は、脳への神経伝達物質であるセロトニンを作る役割もしていますが、その割合は実に90%!ほとんどのセロトニンが腸で作られていることになります。また、脳は筋肉を動かすための組織であり、筋肉と腸で体温の約半分が生成されてもいます。
つまり、適度な運動や散歩をさせることで、脳と筋肉が活発に働き、歩くことで腸が刺激され動きもよくなります。腸を健康に保つことで、脳も健康に保つことが可能になります。
腸内環境が整っているかの判断はどうするの?
腸活を始めると、まずうんちが変わってくるのがわかります。
場合によっては、最初の方は下痢をしてしまったりすることもありますが、多少緩い場合は特に心配はいりません。
これは、デトックス期間といって体内に残っている悪いものを、まず外に出してリセットしようとする身体の働きからくるものですので、むしろ出し切ってしまったほうが良いでしょう。
また、腸内環境が整ってくると不思議なことに、うんちの臭いも変わってきます。
腸内バランスが良い犬のうんちは、実はさほど臭くなく、顔をそむけてしまうような嫌な臭いがしないのです。
これらのことを踏まえて、腸内環境が整っているかどうかを判断するには
・うんちの形や大きさはどうか
・うんちの臭いはどうか
の2点を観察してください。
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