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犬の外耳炎。症状や予防法、なりやすい犬種まで合わせてご紹介

動物看護士
宮井 智美
[記事公開日]  [最終更新日]
犬が耳をしきりに気にして掻いていたり、耳を傾けたりしている姿を目にしたことはありませんか?その症状、もしかすると外耳炎になってしまっているのかもしれません。外耳炎は犬にとって割と身近な病気です。今回は外耳炎についてご説明していきます。
[ 目次 ]
犬の外耳炎。症状や予防法、なりやすい犬種まで合わせてご紹介

外耳炎とは?

犬の耳は外耳と中耳、そして内耳という3つの部分に分けられています。
外耳炎は、このうち耳の穴から鼓膜までの部分の外耳と呼ばれる部分に炎症が起きてしまう事を言います。

外耳炎の大きな原因となっているのは細菌の繁殖です。
通常時にも存在している細菌が、梅雨時期など湿気がこもりやすい時期や、耳が垂れていて通気が良くない場合に異常繁殖してしまうことで発生します。

その他にも植物片などが外耳に刺さってしまったり、耳掃除をしすぎてしまったり、耳ダニが繁殖してしまったりという外部刺激も外耳炎の原因になり得ます。

重度になると鼓膜まで炎症が広がり、さらに奥の中耳や内耳の部分まで及んでしまう事があります。そうなると中耳炎や内耳炎という状態に陥り治療が困難になることが多いため、外耳炎は早期での治療が大切です。

犬の外耳炎。症状や予防法、なりやすい犬種まで合わせてご紹介

外耳炎になりやすい犬種

外耳炎は全ての犬種で発症する可能性がありますが、中でもシーズーやマルチーズ、キャバリアなどの耳が生まれつき垂れている犬は、耳の通気性が悪いため細菌が繁殖しやすく外耳炎になりやすくなっています。

なかでもコッカースパニエルは耳の皮膚が厚く、炎症を起こした際に耳道が塞がってしまい重症化する場合があります。重症化すると耳道切除などの外科的処置が必要になることもあるでしょう。

またアトピー性皮膚炎や食物アレルギーも大きく関係していると言われており、アトピー性皮膚炎・食物アレルギーの犬では約80%が外耳炎を併発していると言われています。

そのためアトピー性皮膚炎になりやすい犬種である柴犬やシーズー、トイプードルやフレンチブルドックなども注意が必要です。

外耳炎の症状

犬の外耳炎では強い痒み、そして炎症により痛みが出ることが特徴です。痒みから犬はしきりに耳を気にするそぶりを見せ、足で耳を掻いたり、床に擦りつけたりといった動作が見られます。

炎症がひどくなってくると痛みが出てくるため、耳の中を見ようと耳を触ると怒ったり耳の根元に触れると痛がったりする事があるでしょう。

また耳を掻き壊してしまい、後ろの部分の皮膚がただれてしまう場合もあります。

外耳炎になると多くの場合悪臭を放つ耳垢が多く排出されるため、耳の近くからひどい臭いを放ちます。また耳垢が耳の内側にへばりつき、不衛生な状態になっていることも多くあります。

さらに炎症が進むと、頭を傾けるような症状を表すことがあります。ここまで症状が進んでしまうと、外耳のさらに奥である中耳や内耳まで炎症が起こっていることも多くあるため注意が必要です。

外耳炎の診断と治療

外耳炎を診断するためには、まず耳鏡やオトスコープという機械を使い耳の中を観察していきます。オトスコープは耳の中をカメラで撮影しながら画面で確認が出来るため、非常に便利な機械です。

耳の中を観察して炎症の状態や耳垢の様子を確認し、外耳炎の診断を行います。

外耳炎の治療では、まずはしっかりと耳の中を洗浄します。必要に応じて耳垢の中の細菌の種類を確認するため、顕微鏡の検査や細菌の培養検査が行われるでしょう。

耳垢が付いたままだとどんどん細菌が繁殖してしまうので、耳用の洗浄液でしっかりと洗い流します。耳の中を洗浄した後は、細菌に対する薬が入った点耳薬や炎症を抑えるためのステロイド入り点耳薬などが処方されるでしょう。

しかしこの時点で炎症がひどく、耳を触られるのもひどく嫌がる場合や少しの刺激で出血してしまう場合には炎症に対する治療が先に行われることもあります。

その場合、点耳薬だけでの治療だと効果が足りないこともあるため、同時に抗生剤やステロイド剤の内服薬で治療することもあるでしょう。

外耳炎の予防法

犬の外耳炎の予防のためには、何より耳の中を清潔に保つことが大事です。

垂れ耳の犬はもちろん、立ち耳の犬でも定期的に耳掃除を行い、細菌の繁殖を抑えるようにしましょう。トリミングを行っている犬は、シャンプーの際に入り込んだ水分が湿気を発生し外耳炎を引き起こしてしまう事もあるため、トリミングの際は必ず耳掃除も一緒に行うようにしましょう。

しかし犬の耳掃除は耳道も狭く、なかなかおりこうにさせてくれる犬の方が少ないでしょう。無理して力を込めて掃除してしまうと耳道を傷つけてしまい、それが外耳炎の原因となってしまう事もあります。

そのため自宅ではティッシュで軽く拭う程度に留めておき、定期的に動物病院やペットサロンで耳掃除を行ってもらうと良いでしょう。

耳の通気性を良くするために、耳の内側をバリカンで短く刈ってしまう事も効果的です。毛が密集しているとそこで菌が繁殖しやすくなってしまうため、毛を短くしておくことで衛生的に保つことが出来ます。

また、一度外耳炎を発症すると繰り返しやすくなってしまいます。そのため定期的な耳掃除とともに、耳の中の状態をしっかりとみてあげましょう。外耳炎を予防する点耳薬を定期的に付けることも効果的です。

外耳炎は治療が長引くことも多く、飼い主にも犬にも大きな負担がかかります。一度外耳炎にかかってしまったら、獣医師と相談しながらしっかりとケアを行ってあげましょう。

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