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犬の問題行動の予防と治療「飼い主」が出来ること

愛犬飼育管理士
千草由美
[記事公開日]  [最終更新日]
犬との生活の中で、頭を抱える問題が「犬の困った行動」です。犬の問題行動には、必ず原因があります。それを理解し原因を排除していくことで、問題行動が収まるケースも少なくありません。
犬の問題行動は予防できるのか、その解決策はどういうものなのかをお話しします。
[ 目次 ]
犬の問題行動の予防と治療「飼い主」が出来ること
犬と一緒に生活をしていく上で、問題となるのが犬の困った行動です。「困った行動」は、あくまで人間側の言い分で、犬にとっては困るような行動ではありません。

犬の問題行動とはどんなことがあるか、またその行動をやめさせることは出来るのでしょうか。犬の問題行動をやめさせるにはどうしたらよいか、その解決方法をお話しします。

犬の問題行動とは

犬の困った行動は生まれた時から必ず起こるわけではありませんが、生まれた時や育った環境によって起こることもあれば、人との関わりによって起こる行動もあります。

問題行動には

・攻撃…遊んでいて強く噛む、人や動物が通ると吠える、唸る、噛みつく等

・排泄…してほしくない場所に排泄をする、わざと目の前でする、隠れてする等

・無駄吠え…意味もなく吠え続ける、攻撃による吠え等

・分離不安…家族に愛着が深すぎて姿が見えなくなると不安になり吠える、破壊等

・恐怖症…怖いものに対して吠える、隠れる、噛む、失神、排泄等

・不適切な性行動…来客や家族にマウンティングをする

・食糞や異嗜…糞を食べる、タオルや靴下を噛んで食べる等

・過剰な興奮…大きな音に興奮して吠える、よだれを流す

・常同行動と強制行動…自分のしっぽを追いかけ続ける、急に歩き回る等

・偏食…同じものばかりを食べる、人の食べているものだけを欲しがる

と多くの問題行動があります。

これらには、全て原因があり理由があります。

攻撃行動には、犬の「縄張り」の関係があります。自分のテリトリーに侵入してきたものは全て敵とみなし、人や動物に容赦なく吠えることや飛び掛かるようなトラブルを起こします。

これは、犬にとっては当たり前のことですが、人と生活をともにする犬にはしてほしくない行動になってしまいます。

また、分離不安においては、あまりにも家族との時間が多いことや、犬を優先した人の行動が問題で起こることがあります。閉ざされた部屋の中で過ごしていて、他の犬や人とのコミュニケーションが少ないと家族に依存するようになります。

更に、家族が犬を可愛がるあまり、犬のことを優先して考えて行動することも問題に繋がります。

不適切な性行動においては、犬にとっては当たり前のことなのです。犬はオスメス関係なく、マウンティング行為をします。

それは、優劣を示す行動であり、遊びの一環でもあります。子犬の頃からマウンティングはしますが、成犬の場合ではしない方が異常といえます。

問題となる「マウンティング」は、先に示した「優劣を示す」時にすることです。人にマウンティングをする理由に優位性行動と見られた場合は、問題となり直ちに直さなければいけません。

このように、犬の問題行動は人に対してのこれらの行動が問題視されるのです。

犬の問題行動の予防と治療「飼い主」が出来ること

犬の問題行動の予防法

犬の問題行動を予防することは出来ます。問題行動を起こさない犬にするためには、性格や性質の良い親犬を繁殖させることが重要になります。

無駄吠えやトイレのしつけなどは、遺伝が関係しているケースが多いです。例えば、親犬がトイレをしっかりと覚えて排泄も失敗しないのであれば、その性質が遺伝して生まれてくる子犬もトイレのしつけをしやすい、又は教えなくてもトイレやシートで排泄が出来ます。

攻撃的な親犬から生まれる子犬の多くは攻撃的な素質を持つ場合があります。繁殖させる人が親犬とする犬の性格や性質をよく理解して、良い性格や性質の犬だけを親犬とするのなら、問題の起こす子犬を減らすことが出来ます。

遺伝の他に、環境の問題があります。いくら良い素質の子犬だとしても、環境が悪ければ問題を起こしやすい犬に成長してしまいます。

狭いケージに一日のほとんどを過ごさせ極端な生活をした犬は、刺激が少なく社会性や基本的行動ができなくなります。そうならないために、運動や他の犬とのふれあいや遊び、人とのふれあいもたっぷりと経験させる環境が大切です。

犬の問題行動の予防と治療「飼い主」が出来ること

犬の問題行動の治療法

問題行動の治療には、時間をかけて犬の行動を観察することから始まります。そして、飼い主から犬の普段の行動や生活環境、今までの経過を聞くことも必要です。その上で、どのような治療が必要かを診断します。

治療法は環境の改善に始まり、ホルモン療法や薬物療法、そして行動の修正などを犬の状態によって行います。

ですが、薬物療法は副作用もあり、むやみに使用するには危険が伴います。多くの場合は薬を使わずに、環境の改善や行動を修正することで治まっていくことを行っていきます。

犬の問題行動の予防と治療「飼い主」が出来ること

犬に問題行動を起こさせないために飼い主ができること

子犬または成犬を迎え入れてから問題が起こる、または迎え入れる前から問題行動があった場合、飼い主にできることはあるのでしょうか。

問題行動の予防として、いくつかあります。

まず、整った環境を与えることです。食事、運動、清潔にするなどは当然ですし、食欲や排泄の回数などの観察も必要です。

また、毎日遊んであげる、話しかける、撫でてあげる、散歩に行くなどで、多くの場合で予防が可能です。

そして、「マテ」や「フセ」、「ハウス」のしつけはとても大切です。これは、遊びの中で覚えさせると有効な手段になります。

まず、遊んであげることになりますし、話しかけるということも出来ます。そして、「マテ」と言ってそれが出来た時、ご褒美におやつを与えることや褒めることで、犬が「喜び」と「達成感」を味わうことが出来ます。

また「マテ」と言われたら「マテ」の行動をしようと思うのです。

そうしていく間に飼い主と犬との絆が生まれ、「新聞をとってきて」と言われれば取ってくるような愛らしい犬に成長出来ます。

しかし、これにも注意点があります。それは、同じ場面や状況だけで命令をしないということです。

ごはんの前にだけ「マテ」をさせ、他の時はさせないことを続けると、「マテ」の後は「ごはん」という結び付けをし、報酬を期待するだけの行動になります。

あらゆる場面で「マテ」をさせることが重要なのです。散歩の時に信号待ちで「マテ」をさせる、玄関でチャイムが鳴ったら「マテ」をさせる等いつでもどこでも出来ることが大切です。

そうすることで、何もなくても「マテ」が出来る犬になり、飼い主や家族の命令に従える犬に成長出来ます。

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