改正動物愛護法とは?令和元年6月に改正されたその内容は?
動物愛護法とはペットが不適な環境で飼育・販売されることを防ぐ法律ですが、どのような内容が改正されたのでしょうか?
適切な飼育のための改正
動物愛護法により、飼い主は飼育するペットの習性や特性を踏まえた飼育をするように努めなければなりません。今回の改正で飼育条件の明確化が条文に追加されました。ペットの暮らすゲージの広さ、温度などを法律により明確に示すことができるようになったのです。現時点では具体的な数値は示されていませんが、近いうちに条文に追加されることが予想されます。私たち人間と動物では環境に対するちょうどいいが異なります。愛するペットには快適な生活を送って欲しいですよね。一度、彼らのちょうどいいを知ってみましょう。より良い暮らしを送る助けになるはずです。
多頭飼育崩壊を防ぐための改正
アニマルホーダーとは、個人の飼育できる限界を超えてペットを飼育する飼い主のことを指します。多頭飼育崩壊を引き起こしてしまう原因の一つであり、飼育されている動物の無秩序な交配を引き起こす原因でもあります。今回の改正でペットを飼育する飼い主には無秩序な交配を防ぐ義務があると明文化されました。無秩序な交配はペットに放置という不幸を生み出し、飼育崩壊につながります。全てのペットが愛情に満ちた明るい生活を送れるように願わずにはいられません。
動物虐待を防ぐための改正
残念なことに動物虐待に関係する事件は後を絶ちません。動物愛護法では、わんちゃん・ねこちゃんは命のある動物でありみだりに傷つけ苦しめてはならないと明記されています。いままでの動物愛護法でも動物虐待に対する罰則がありました。今回の改正によって5年以下の懲役又は500万円以下の罰金という厳罰化がなされています。また、今回の改正で獣医師による動物虐待の通報が義務化されました。
ペットの販売に関する改正
ペット、特にわんちゃん・ねこちゃんには幼年期に社会化期という成長過程があります。わんちゃんで生後6~8週間、ねこちゃんで生後5~7週間が社会化期にあたると言われています。社会化期のわんちゃん・ねこちゃんは母親や兄弟・姉妹との遊びを通じて社会性を身に着ける期間であり、社会化期に親から引き離されたわんちゃん・ねこちゃんは不安症状などの異常行動を起こす可能性が高まるとされています。
今回の改正によってペットショップは生後56日(生後8週間)を超えないわんちゃん・ねこちゃんの販売・展示を行うことができなくなりました。よちよちと歩く小さな子犬・子猫はとてもかわいいですよね。ペットショップからお迎えする新しいパートナーは、飼い主と10年以上の人生を共に歩みます。社会化期をしっかり経験したわんちゃん・ねこちゃんはかわいい以上の魅力を見せてくれるはずです。
ペットショップ関連施設に関する改正
パピーミル(子犬工場)というショッキングな言葉があります。悪徳なペットショップ・ブリーダーが安く、たくさんの子犬・子猫を手に入れるために劣悪な環境に動物を閉じ込め、繁殖させる施設を指します。今回の改正によって飼養施設の構造・規模、環境の管理、繁殖の方法等の基準が明確にされました。ペットショップ・ブリーダーで動物を取り扱うための資格として第一種動物取扱業者という資格があります。仮にパピーミルのような劣悪な環境で動物を飼育している業者があった場合、第一種動物取扱業者の資格を剥奪することができるようになりました。私たち飼い主がペットという伴侶と出会うために、ペットショップ・ブリーダーは大きな助けになります。だからこそ、子犬・子猫のお父さん・お母さんの幸せに生きる権利を守らなければなりません。
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