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うちのこが認知症?犬の認知機能不全症候群について知りましょう

獣医師
藤井ちひろ
[記事公開日]  [最終更新日]
かわいいうちのこ、いつまでも子犬みたいって思っていたけれど気づけばだいぶ年を取ってきたなーと思うこともありませんか。今までみたことないような様子もあっったので、お散歩仲間に話したところ「それって認知症じゃない?」!。
愛犬が認知症なんて・・・とびっくりされるかもしれませんが、そもそも犬の認知症ってどんなことになるのか急に不安になってきませんか。

今回は正しく認知症を知ることで、今後必ずやってくるシニアの時間を快適に過ごすための準備をしましょう。
[ 目次 ]
うちのこが認知症?犬の認知機能不全症候群について知りましょう
認知症という言葉を聞いたことはありますか?人では非常によく知られている、脳の老化により様々な症状が見られる病気です。
動物の認知症は正式には認知機能不全症候群と呼ばれ、犬の認知機能不全症候群は人間の認知障害と似ている点が多いと言われています。

よく見られる行動としては
・排泄の失敗
・よく吠える
・コミュニケーションがうまく取れなくなる
・迷子になる
・うまく寝れなくなる
そして部屋の隅で動けなくなるなどが挙げられます。

そんなことになるなんてどうしたらいいのか、不安になるばかりでは大変ですよね。
シニアの時間を快適に過ごすため、正しく認知機能不全症候群を理解しましょう。

認知症を知りましょう

■発症年齢
犬では11歳から12歳の犬の約28%、15歳から16歳の犬の約68%が、少なくとも一つ以上の認知低下の兆候を示すという報告があります。

■発症しやすい犬種
日本の調査では日本犬系の雑種が50%、柴犬が34%、中型の日本犬が1.6%、そして紀州犬が0.3%と報告されています。つまり認知障害の症状が出た犬のうち84%が日本犬という結果です!
また日本犬以外ではヨークシャーテリアの発症が一番多いとも報告されています。
これは日本の調査ですが、海外の調査ではマルチーズが比較的多く、知られています。

しかしこれは、そういった犬種が比較的長生きしてくれるといった結果と結びついていることが考えられ、結局のところ年を取るとどの犬種でもみんな認知機能低下になるという意見もあります。

■認知機能不全症の診断
多くの場合飼い主さんが愛犬の行動の変化に気づきます。
その一方で正常、ただ「年をとった」だけと思っているため、病気と認識されていない症例も実はたくさん降ります。進行が非常にゆっくりのためなかなか気づかないこともよくあります。

■認知症の兆候
DISHAと言われる以下の五つに分けられます。

・Disorientation 見当識障害:いつもいる慣れているはずの環境で迷ってしまう、間違った場所を通ろうとしたりして行き止まりになってしまう、壁や物の前で立ち尽くしてしまう、自分でこぼしたフードやおやつを見つけることができない、家族やよく会うはずの犬が分からなくなる

・Interaction 相互反応変化:犬同士の挨拶行動がなくなる、なるべく家族との接触を避けようとする、イライラしたり怒ったりしやすくなる、逆に過剰なまでに飼い主さんと離れるのを不安に感じるようになる

・Sleep-wake cycle 睡眠あるいは行動の変化:日中寝てばかりいるようになり、夜中に起きていることが多くなる

・House-soiling House-training 排泄・しつけの変化:トイレトレーニングを忘れてしまう、トイレの場所を間違える、失禁する、以前はできていた「お座り」「待て」などのコマンドがわからなくなる

・Activity 活動性の変化:音や光・においなどへの刺激の反応が低下する、グルーミングなどの自己管理行動が減る、目的もなくうろうろする様子が見られる、同じ場所を何度も回る、何も無いはずの空中をじっと見る、目的のない吠え

■実際起きていること
・脳の変化:脳が萎縮したり、循環する血液量が減ったり脳神経細胞が少なくなってしまいます
・神経伝達物質の変化:全体的に量が減ってしまうことで神経伝達機能や活動が低下してしまいます

うちのこが認知症?犬の認知機能不全症候群について知りましょう

認知症の治療法

認知症は完治されるものではありません。治療の目的はその進行を緩やかにして、飼い主さんペットの両方の生活の質の向上を目指すことです。

■環境修正
簡単に言うと犬に優しい環境を整えるということです。

・トイレ 自分で行きやすく快適な広さを確保しましょう
・足元 滑りづらく引っかかりづらいように滑り止めやマットを敷きましょう
・行動範囲 犬の混乱を防ぐため家具の模様替えや大きな医療は控えましょう
特に視力が弱くなってしまっている犬には、なるべくぶつかりづらく障害物のないまっすぐな道を用意してあげましょう


■行動修正
ストレスの少ない環境で心身ともに良い刺激を与えることが良いと考えられています。

・今までできたことができなくても、犬を叱らないこと
なぜ怒られているのか理解できず、ストレスを与えてしまうだけです

・体に負担のかからない程度の適度な運動をおこないましょう
長い時間をかけるより、短い時間を何度も行うほうが負担は軽くなります

・優しく声かけをし頻繁にトイレに連れて行きます
子犬のころのように、もし成功したら盛大にほめてあげましょう、いくつになってもほめてもらえることは犬にとって大きな喜びです

・おやつやフードを用いた知育トイで遊んだり、優しいマッサージを行うことで、脳や体に刺激を与えましょう


■栄養学的補助
脳の細胞は常に酸化により失われると考えられています。細胞は皆ダメージを受けるとされていますが、特に脳はその損傷を受けやすいため、それを防ぐ作用がある栄養学的なサポートは高齢犬の認知症の症状の改善に良い影響を与えると考えられています。

・DHA
・EPA
・中鎖脂肪酸
・アルギニン
・ビタミン B 群
これらを豊富に含むフードやサプリメントを正しくとることが、脳の細胞を守ると考えられます。


■薬物療法
・認知障害の薬
・漢方薬
・不安を和らげる抗不安薬
・スムーズに眠りやすくするための睡眠導入薬
・興奮を抑えるための鎮静薬

そのほか血流を修復したり睡眠のリズムを整えるようなサプリメントも試されています。

うちのこが認知症?犬の認知機能不全症候群について知りましょう

認知症と上手にお付き合い

認知症は予防すること、そして早期発見と早期治療が一番大切と言われています。

うちの子にかぎって・・・と様子を見すぎたため、症状が重く夜鳴きでどうしようもない状態になってから治療を開始するのではできることに限りがあり、またサプリメントや効果の弱いお薬では症状が改善しないこともあります。その結果体に負担のかかる強い薬で抑え込むしか方法がなくなってしまうのです。

犬が7歳を超えたら一度は動物病院で認知機能をテストし、予備軍であれば早期にサプリメントや栄養学的に治療を開始することを検討しましょう。
飼い主とワンちゃんの生活の質を下げることなく、快適で楽しいシニアペットライフを楽しみたいですね。

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