ペットロス ~いつかは訪れるペットとの別れ~
人よりも寿命の短いペット達はほとんどの場合、私たち飼い主よりも先に旅立ってしまいます。そうなってしまった時、私たち飼い主の心はいったいどうなってしまうのでしょう。寿命の短いペット達に今何をしてあげられるのでしょうか。
ペットロスとは
「ペットロス」とは直訳すれば「ペットを失う」ということですが、ペットを亡くしたという飼い主の体験自体やそれによる悲しみのことを言います。
ペットとの別れはさまざまで、寿命によるもの、長年闘病をした末のこともあれば交通事故・心臓発作・迷子や脱走などによる突然のこともあります。悲しいことに安楽死を選ばなければならない状況での別れのこともあります。
どんな別れであったとしても、愛する家族の一員との別れはとてもつらいですよね。ペットロスはペットを亡くした飼い主であれば誰でも経験することだと思います。その中にはそのつらい気持ちが重症化してしまい、心の病や身体的な病気を患ってしまう人がいます。こういった症状を「ペットロス症候群」と呼びます。
ペットロス症候群の症状・期間
ペットロス症候群の症状や症状の強さは人により異なります。
症状例:
●深い悲しみ
●後悔の念に駆られ、自分を責める
●涙がとまらない
●何もやる気がおきない
●眠れない
●食欲が出ない、または食べ過ぎる
●ペットの写真を見れない
●一緒に歩いたお散歩道を歩けない
●過呼吸
●亡くなったペットの姿が見えたような気がしてしまう など
このような状態が続く期間も人それぞれで一晩泣いて次の日から元気になる人もいれば、数カ月から何年にも渡って続いてしまう人もおられます。
症状が長く続いたり、症状が重くなってしまう場合はペットロスの相談窓口や病院に相談してみるのが良いでしょう。
どんな人がなりやすいのか?
ペットロス症候群はどんな人でもなる可能性はあります!
その中でもペットと接する時間が長く、ペットへの依存心が強い人が重症化しやすいと言われています。このようなペットとの関係性や飼い主それぞれの性格の他、ペットとの別れ方もペットロスと大きく関係していると言えます。
例えば不慮の事故や心臓発作等による突然の別れとなってしまった場合、なぜこうなってしまったのか、私がもっと早く気づいてあげていれば防げたのではないか、と後悔が残ってしまうことがあるでしょう。それに対し、高齢や病気で長年介護を必要とする生活をしているペットが亡くなってしまった場合、悲しいことに違いはありませんがよく頑張ったね、という優しい気持ちになれるのではないでしょうか。これは飼い主の心の準備ができていたこと、後悔なく最愛のペットと最期を過ごせたことでそう思えるのだと思います。
別れが悲しいことは当然ですが、重症化させないためには後悔のない生活を心がけることが大切です。
ペットロス症候群の人との接し方
もしお友達や会社の同僚、ご近所さんなど自分の身近な人がペットを亡くされ、ペットロス症候群に苦しんでおられた時どんなふうに接すれば良いのでしょうか。
元気になってもらいたい一心で言った一言が悲しみを深くさせてしまうことがあるかもしれないと思うとどう言葉をかけてあげればよいのか大変難しいと思います。
まずここで言えるのは、相手を励まそうとしない!ということです。
立ち直ってもらいたいという思いで自分の意見や体験を話そうと思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、ペットとその飼い主との関係はその人たちにしか分からないものなので他人の事と比べてしまうと反感につながってしまうこともあります。
自分が話すのではなく、話を聞いてあげることが大切です!
ペットロスに限らず何か悩みがあるとき、誰かに話を聞いてもらっているうちに気が紛れてくるということがありますよね。内に溜め込まず、感情を言葉、涙として表に出せるような環境を作ってあげましょう。
今できること
ペットロス症候群が重症化してしまう人は亡くなったペットに対して何かしらの後悔がある方が多いです。
考えたくはありませんが、ペットとの別れはいつやってくるか分かりません。筆者である私も飼い犬を突然亡くした経験があり、動物看護師として働いていた動物病院では別れの現場をたくさん見てきました。
その経験から皆様にお伝えしたいこと。
それは「一緒にいれる今この時を大切に過ごして欲しい」ということです。
たくさん遊び、たくさん思い出を作って下さい。そして健康面に異常があったときに早く気づいてあげられるよう、健康な子も若い子は1年に1回、シニアの子は半年に1回は病院で健診を受け、健康状態を把握してあげることをお勧めいたします。
いつかは訪れる別れ、その日までできる限りのことをして後悔のないよう楽しい時間を過ごして下さいね。
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