「高齢犬の認知症」遊びと散歩で楽しく過ごそう
高齢犬の認知症とは?
犬の認知症は、「高齢性認知機能不全」と呼ばれています。だいたい11歳ごろから症状が現れる高齢犬が多く、年を重ねるにつれて増えていくと言われています。
よくみられる症状が、
・撫でられるのを嫌がる
・家の中をぐるぐる意味もなく歩き回る
・狭いところに入って、後ずさりできない
・家具などものにぶつかる
・ぼんやり宙を見つめている
・慣れている場所で迷子になる
・昼間ぐっすり寝て、夜吠える
・今までできていたのに粗相をする
・攻撃的になる
などです。
これらの症状が出たら。「歳だから仕方ない」とあきらめず、まずは動物病院を受診してください。認知症の診断だけでなく、視力の低下、聴覚の低下、他の病気がないかなどもチェックしてもらうことが大切です。
高齢犬の認知症は刺激を与えることが大切
認知症は残念ながら、完全に予防したり、治療したりすることはできません。しかし食事の改善やサプリメントの服用、飼育環境を整えるなど適切な対応をすることで、進行をゆるやかにすることは可能です。
特に遊びや散歩は愛犬の脳や心への刺激になります。認知症になる前からも、そして症状が出てからも、愛犬の状況に応じた遊びや散歩を取り入れていくことをおすすめします。
認知症の高齢犬におすすめの遊び
高齢犬の負担にならない遊びで刺激を与えましょう。若いときのように、ひっぱりっこやフリスビーキャッチのような激しい遊びができなくなってきています。
遊ぶときは愛犬をほめることを忘れないでください。上手にできたときは、もちろん、うまくできなくても「いい子だね」とやさしく声をかけてあげましょう。
◆オスワリやオテは毎日
基本的なしつけである、「オスワリ」「オテ」「マテ」も立派なゲームです。毎日続けてください。1日のうち、5分程度で十分です。朝ごはんや夕ご飯のとき、おやつを与えるときに行うとやりやすいでしょう。
◆おやつ宝探しゲーム
犬は探索することが大好き。探すという行為は大きな刺激になります。コングなど、フードやおやつを入れられるおもちゃを使って、宝探しゲームをしましょう。
いくつか用意して部屋のあちこちに隠し、愛犬に探索させましょう。おもちゃの大きさは、誤飲を防ぐためにも愛犬のサイズにあったものを選んでください。
◆かくれんぼゲーム
飼い主さんがカーテンなどに隠れて、愛犬に探させるゲームです。隠れながら愛犬の名前を呼ぶだけ。あまり長く隠れると不安になるので、見つけられないときはほどほどで登場してあげましょう。見つけられても、見つけられなくてもたっぷりほめてください。
◆どっちに入っている?ゲーム
飼い主さんがどちらかの手におやつを握って、どちらに入っているか愛犬に匂いを嗅がせて当てさせるゲームです。匂いを嗅ぐ能力「嗅覚」の衰えは、視力や聴覚の衰えに比べて、ゆっくりだと言われています。視力や聴力が衰えたり、足が弱ったりした愛犬にもおすすめのゲームです。
散歩は欠かさないで
認知症が進行しても、毎日の散歩は、欠かさないようにしましょう。散歩に行くことで筋力の衰えや運動機能低下を予防することができますし、寝たきり予防にもなります。
ただし、たくさん歩かせたり走らせたりすることがいいわけではありません。負担にならないよう、愛犬の状況にあった距離やコースを選び、適度な運動をすることが大切です。
散歩コースを見直すポイントは、
・元気でも、階段や段差を嫌がる
・階段や段差で足が震える
・帰宅後、ぐったりしている
・途中で歩くのを嫌がる
などです。
体調不良や足などに痛みがあることもあるので、動物病院を受診することも忘れないでください。
◆散歩日光に当てるメリット
朝や昼間、散歩に出かけ、愛犬をしっかり日光に当てることで、睡眠パターンの改善が期待できます。昼間寝てばかりで夜鳴いてしまうという愛犬は、意識して外に出して日光に当てましょう。
◆暑さ寒さ対策を
高齢犬は、若いときに比べて体温調節の機能も低下しています。夏の熱中症対策や冬の寒さ対策にも今まで以上に気遣ってあげましょう。夏は早朝や夕方に、冬は暖かい日中の散歩がおすすめです。
◆首輪はハーネスに
高齢になると途中でよろけることもあります。その際首輪にリードを付けていると、首に負担がかかってしまいます。大型犬が座り込んだ場合は。起こすだけでも大変です。身体をしっかり支えられるハーネスを装着すると安心です。
◆歩けなくなったら、抱っこやカートで
足が弱って歩けなくなっても外に出してあげましょう。小型犬なら抱っこで大丈夫です。落とさないように、犬用の抱っこホルダーを使ってもいいでしょう。重くて大変という場合は、カートに入れて散歩します。
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