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健康ライブラリー > 人も犬も高齢化「犬の老化の色々なサイン」日々のチェックを大切に。

人も犬も高齢化「犬の老化の色々なサイン」日々のチェックを大切に。

愛玩動物救命士
若林 亜希子
[記事公開日]  [最終更新日]
犬が教えてくれる老化のサインに気が付いていますか?
さまざまなサインを見逃さないようにして、
年齢や体調、今の状態にあった生活をさせてあげたいですね。

チェック項目や簡単にテストする方法など、飼い主が確認しておけることをご紹介します。
[ 目次 ]
人も犬も高齢化「犬の老化の色々なサイン」日々のチェックを大切に。
「高齢化って人間みたい」
「そもそも犬の高齢って何歳のことを言うの?」
「シニア犬って何犬?」
「うちの子もそんな歳?」

私の周りでこんな声を聞こくことがあります。
ふざけているように聞こえる単語もありますが、犬を飼ったことのない人や詳しくない人もいて、
「シニア犬って何犬?」と言う質問には、吹き出しました。

このページを見ていらっしゃるひとは、さすがにこの質問をするひとはいないと思いますが、
「犬の高齢期(シニア期)に入ってきたかどうか?」を理解しておくことは、
お互いにとって大切なことですよね。

■犬の高齢化って?

人間の社会では高齢化が着々と進み、この問題は更に深刻に成って行くテーマの1つです。
私たちと共に暮らす犬も、昔に比べて長生きするように成りました。

長生きしてくれることは、飼い主としてはとっても嬉しい事ですが、
ルックスや行動、体の機能、様々な変化が現れてきます。

医療の発展やフードの進化のお陰で、昔にはなかった悩みが増えてきているのが現状です。
歳をとることは、人間にも犬にも起きる当たり前の事。

犬は「歳とったなぁ。脳トレ頑張ろうかな」「筋肉つけなくちゃ。」なんて、
自分自身で決めることは出来ません。
しかし飼い主の心がけ次第で、老化の進行を遅らせて
高齢になっても、元気に過ごさせてあげることは出来ます。

人も犬も高齢化「犬の老化の色々なサイン」日々のチェックを大切に。

■高齢になる=老化が進む

「老化(ろうか 英: ageing、aging)とは、
生物学的には時間の経過とともに生物の個体に起こる変化。

その中でも特に生物が死に至るまでの間に起こる機能低下やその過程を指す。
老化は、加齢、エイジングと言い換えられる場合もある。」
(ウィキペディアさんより)

と、何やら当たり前のような。
それでいて、改めて活字で見ると初めて見た文のような気もします。

言葉って意外と深くこだわらず、使っているものですね。
深く読みすぎると、遺伝子レベルのお話に成って行きますので、
ここはもう「皆さんが理解されている老化」と言う事で進めていきましょう。

老化って、少し抵抗がある言葉ですが、そんなにガッカリする必要はないと思います。
だって『老化は産まれた瞬間から、みんな平等に始まっている』と言えるのかもしれませんよね。

人も犬も高齢化「犬の老化の色々なサイン」日々のチェックを大切に。

■老化が現れ始める時期

病院や本などには「7歳から9歳」と書かれていることが多いです。

ペットフードなどにも「7歳~用」とか「9歳~用」とか書いてありますよね。
私は「まだまだ若いよ。そんなに変わってないよー。」と思っていたのですが、
一般的に「7歳~9歳のこと」を指します。

犬の7歳は人間の44歳~54歳前後に該当します。
人間ならまだまだバリバリに働ける年齢ですよね。

しかし無理が効かなくなってくるお年頃とでも言いましょうか。
髪の毛は、量が減ったり白髪が出てきたり。皮膚はシミやシワが増えてきたり。
見かけの変化に加えて、少しの事で疲れたり、徹夜をしたら3日位調子が悪かったり。
日ごろから「老化のサイン」を感じてしまうし、健康面でも色々と不安が出てきたりする年齢ですよね。

人の中年期に該当する犬たちも「7歳~9歳頃」から、徐々に老化のサインが出始めます。
そして「10歳~12歳頃」の本格的な高齢期(シニア期)に入り、様々な疾患も増えてきます。

実際には、犬種や個体によって寿命も老化のスピードも異なります。
自分の飼っている犬種の平均寿命と、人間の平均寿命の年齢に当てはめて、
年齢換算する方法もありますので、参考にして確認しておくことをお勧めいたします。

人も犬も高齢化「犬の老化の色々なサイン」日々のチェックを大切に。

■見た目に現れる老化

内臓は見えなくても、毎日一緒にいるからこそ解る「見た目」
老化のサインとして、気づきやすいところですね。

毛が少なくなったり、白い部分が増えて来たり。
人間と一緒ですね。
おヒゲやマツゲも白くなったりします。
初めて知った時は「マツゲがぁ白い。エクステ?」って驚きました。
そして「眼」も良く見てくださいね。白っぽくなっていませんか?

小型犬って成犬でも小さいので、犬を飼っていない人から見たら
「小さい=仔犬」と思うかたが多くいるのですが、
よく「毛」や「皮膚」「眼」を見ると、シニアかどうかが解ると思います。

人も犬も高齢化「犬の老化の色々なサイン」日々のチェックを大切に。

■行動に現れる老化

老化が進むと日常生活での行動に変化が出てきます。

犬も年齢を重ねると関節機能や筋力の低下で行動がスローになります。
そして、今まで出来ていた行動が出来なくなるのは老化のサインです。

飼い主さんの声に反応しなくなったり。
大好きなご飯なのに、ワクワクしなくなったり。
最初は「あれ?元気ないけどどうしたのかな?」くらいに感じるかもしれませんね。

そして、おトイレに間に合わなかったり、
感覚器の機能低下のため、シーツからはみ出してしまうことが増えたりします。

わざとじゃないので、叱らないで下さい。
犬には「失敗」という概念はありません。本人は一生懸命、普通におトイレをしています。

シニア期や病気に成ってしまったときなどは
「ウンチやおしっこが出て、それだけで嬉しい」そんな風に思うときがあります。
食べて排泄するって凄く大切なんですよね。

私は「今日も良いウンチだねー。ココでしてくれてありがとう」なんて声をかけています。

現在の年齢によっては、パピーのときのように、また新たに躾をするのも良いかもしれませんね。
シニア期終盤のような年齢や状態でしたら、新しい事を学ぶというのはかなり大変なことです。
おトイレの場所を大きくしたり、増やしてあげたりして、対応していく方が良いかなと思います。

人も犬も高齢化「犬の老化の色々なサイン」日々のチェックを大切に。

■あてはまるかチェックしてみましょう

《 見た目編 》

 〇おヒゲやマツゲが白くなってきた。
 〇全体的に毛が減ってきた。
 〇お口の周りの毛が抜けている。
 〇眼が白く濁ってきた。
 〇目ヤニが増えた。
 〇口臭が変わってきた。臭くなってきた。
 〇イボのようなものが皮膚にできている。
 〇太ってきた&痩せてきた。
 〇鼻が乾きやすくなってきた。
 〇前は出ていなかったのに舌が出ている時間が増えた。

《 行動編 》
 
 〇前は登れていた段差が上がれなくなった。降りられなくなった。
 〇階段やドア、段差がある前で躊躇している。
 〇つまずいたり、転んだりすることが増えた。(意外とケロッとしていますが)
 〇狭い所に入りたがるようになった。
 〇寝ている時間が多くなった。
 〇トイレの場所は理解しているが間に合わなかったり、はみ出したりしている。
 〇排泄するのに時間がかかる。
 〇普通に触ったりしても「ハッ」と言う感じでビックリするときがある。
 〇食べるのが遅くなった。散らかして食べる感じが増えた。
 〇呼んでも来ない。気づくのが遅い。

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■ワンちゃんにテストをしてみましょう

《 聴力テスト 》
   ↓
  犬に気づかれないように後ろ側に回り、鈴や、おもちゃのプキュプキュなどを鳴らしてみましょう。
  紙袋のガサガサも良いですね。
  (風圧が出ないように注意してくださいね)

《 視力テスト 》
   ↓
  犬の頭の上から、ガーゼやコットン、ティッシュなど(軽くて小さいもの)を落として、
  眼で追うかを調べましょう。
  左右に振って、横に追うかも一緒にチェックです。
  (美味しいものだと、眼より先に臭いで解ってしまいますのでダメですよ。)
   
《 嗅覚テスト 》 
   ↓
  こっそりとドッグフードやお気に入りのおやつを手に握っておき、
  鼻の近くに持って行き、クンクンと鼻を動かすかどうかを確認しまょう。

人も犬も高齢化「犬の老化の色々なサイン」日々のチェックを大切に。

■まとめ

高齢になると色々な機能が衰えてきますが、これは病気ではなく自然なことです。

「一般的な時期」として年齢を書きましたが、
人間でも犬でも老化現象が現れる時期には、かなりの個人差が有ります。

そして、この老化現象が起こる時期に重要な影響を与えるのは、
若い頃からの食生活であると言われています。
仔犬の頃から、年齢に応じた食事を与えたり、適度な運動を続け、
健康管理を怠らないようにしてワンちゃんを守ってあげたいですね。

「え? もうシニア犬だよ。じゃあもう遅いの?」
そう思ったひとが居るかもしれません。

いえいえ。いつからだって大丈夫!
数日でも数分でも、長く一緒に居たいと思っている飼い主さんは
今からでも、良いと思ったことを積極的に取り入れて下さい。

私自身、そうでした。
出遅れてしまっても、今から出来ることを一生懸命やれば良いと思います。
その気持ちは愛するワンちゃん達にきっと伝わります。
飼い主さんの心を読み取ってくれるのが、ワンちゃんの素晴らしい能力です。

大切なのは、飼い主さんの ”小さな気づき” です。

日々のチェックが、いざと言うとき役に立ちます。
そして、少しでも「何か変だな。」と思ったら「歳だから仕方ないか…。」と安易に思わずに
動物病院でしっかり観てもらって下さいね。


★飼い主の皆さんと大切なワンちゃんが、1日でも1分でも、長く一緒に過ごせますように★

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