美味しいそうなブドウ。ちょっと待って! 犬の命に関わる危険です。
いろんな種類もあって美味しいそうなブドウ。飼い主さんも楽しみにいただいてるブドウをそばで見てる犬が食べたそうです。でも、ちょっと待って‼︎ 食べたら危険です。ブドウは命に関わる病気になってしまうのです。
ブドウの中毒はいつから知られているのか
犬にブドウは危ない。この話はアメリカの犬のブドウ中毒が2001年に報告されたことが始まりです。
犬43頭が腎機能障害を発症し半数の犬が急性腎不全で死亡したというものでした。
そのあと日本でも、ブドウやその皮、レーズンでも死亡した症例が報告されています。
ブドウは何粒が、ダメなのか?
体重1kgあたり大きなブドウ1粒、レーズンなどは18粒と言われています。犬種で言えばチワワなら1粒、トイプードルなら2〜3粒、柴犬なら3〜4粒、ラブラドールレトリバーなら6〜7粒という感じです。
しかし本当に1粒以下で中毒を起こさないのか、ブドウの皮を除けば大丈夫なのか、ブドウの何が中毒を起こすのか、まだくわしいことはわかっていません。わかっているのは犬にブドウを与えてはいけないことだけです。
ブドウ中毒の症状
ブドウを食べた数時間で嘔吐、下痢、腹痛、水をたくさん飲む、食欲不振、おしっこが出ないなどが見られます。なかには症状がまったく起こらない犬もいますが、あとで急性腎不全になるのが恐ろしいです。まず動物病院に行く前にブドウを食べてしまった時間、ブドウの種類、量を確認してください。
動物病院で何を治療されるの?
催吐処置または全身麻酔+胃洗浄で、消化器からブドウを体外に出します。
その間に血液検査を行い、腎臓の数値BUN、cre、血清中のリン、カルシウム、炎症マーカーCRPが正常値よりものすごく悪くなり、急性腎不全が診断されます。
超音波検査で両側の腎臓が正常よりずっと高エコーに見えます。
尿カテーテルを設置して、尿量を把握します。急性腎不全の犬は尿が作れないことがほとんどです。
腎機能の改善を狙ってビタミンなどを足して静脈点滴を行います。またドパミンを静脈点滴に使って血流を増やしたりします。
血液透析療法によって犬の急性腎不全を治すことはできるのですが、血液量が少なく毎日機械に繋ぐことは現実的ではありません。
予後
予後も犬によってさまざまです。
害が少なく入院しなかった症例、
ドパミンを静脈点滴に使っても治療に一切反応せず数日以内に死亡する症例、
2週間たち生き残ったが慢性腎不全の後遺症が残り、処方食を食べ、毎日皮下点滴を行う症例がいます。
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