猫がカエルを飲んだ⁉︎ なにが起こるの?
うちの猫がカエルと楽しく遊んでます。パクリ、ゴックン。
猫がカエルを飲んだ⁉︎ お腹もなんでもないし、いったいなにが起こるのでしょうか。
猫がカエルと出会ったら...。
猫がカエルの筋肉にいるマンソン裂頭条虫を食べることで感染します。
マンソン裂頭条虫は猫に寄生しても、ほとんど症状はないといわれています。猫の重症例では下痢、栄養障害、削痩、幼若動物の場合、発育不全などが起こることがあります。
このためマンソン裂頭条虫の診断には糞便検査が行われますが、1回の検査では虫卵が検出されないことがあります。糞便検査は、日を改めて複数回行いましょう。
駆虫薬
マンソン裂頭条虫にはプラジカンテルという駆虫薬を使用します。瓜実条虫や猫条虫と同じ薬ですが駆虫に必要となるプラジカンテルの投薬量は多く、飲み薬では飲ませるのが大変なので、注射液を皮下注射する方法がほとんどです。
マンソン裂頭条虫が1回の駆虫で落とせないこともよくあるので、必ず再度の糞便検査を行い、駆除できたことを確認することが大切です。駆除が終わって、また屋外でカエルを食べると寄生しますので猫を屋外に出すことは控えましょう。
マンソン裂頭条虫を避けたい
猫がマンソン裂頭条虫が寄生する原因となるカエルは屋外で出会う機会が多いです。
つまり完全室内飼育をしていればマンソン裂頭条虫が猫に寄生することは、ほとんど起こらないと言えます。屋外にいた野良猫を保護したら糞便検査をしましょう。トイレの片付けは手袋をはめて、念入りに行いましょう。
マンソン裂頭条虫の姿
1882年にパトリック・マンソンがアモイで人間の死体から孤虫を発見し、1916年に山田司郎が人体に寄生していた孤虫を犬に与えて成長させ、成虫が裂頭条虫であると突き止めました。マンソン裂頭条虫 (Spirometra erinaceieuropaei)とは、動物界 扁形動物門 条虫綱 真性条虫亜綱 擬葉目 裂頭条虫科 スピロメトラ属 マンソン裂頭条虫 のことです。
マンソン裂頭条虫の成虫の体長は1-2m、体幅約1cmです。体の変節は1000個以上であり、その前方は未熟片節、後方は成熟片節からなります。成熟変節に存在する虫卵は長径50-70μm、短径30-45μmの褐色です。左右非対称のラグビーボール状で一端に小蓋を有し、1個の卵細胞と多数の卵黄細胞を含んでいます。
マンソン裂頭条虫の生活環
糞便とともに虫卵は外界に排出され、水中で孵化してコラシジウムに発育し第一中間宿主に寄生します。
第一中間宿主はケンミジンコです。ケンミジンコが第ニ中間宿主に食べられます。
第二中間宿主はカエル、ヘビ、亀、スッポンなどです。第ニ中間宿主はマンソン裂頭条虫が筋肉に寄生している状態で終宿主に食べられます。
終宿主は猫、犬、タヌキ、キツネ、ヒトなどです。終宿主は糞便に虫卵を排出します。
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