動物病院での「身体検査」について
獣医師
班目美紀
[記事公開日] [最終更新日]
[ 目次 ]
視診
まずは、診察室に入ってきた時の様子を見ていきます。
顔つきは元気そうか、ふらついたりはしていないか、見た目だけでも、気づくことのできることは多々あります。
目:充血、黄疸、目脂
耳:汚れ、腫れ、赤み
口:貧血、口内炎、歯石や歯肉炎
この辺りを重点的に確認しています。
体重測定
前回の診察時と比較して、体重に大きな変化がないかを確認することも、とても大切です。
ダイエットなどの食事の変化がないのにもかかわらず、体重が減っているということがあれば、血液検査や超音波検査など、詳しい検査をお勧めすることもあります。
体温測定
動物病院では、肛門から体温計を入れて直腸体温を測定することが多いと思います。
犬の標準体温
小型犬:37.8〜39.2℃
大型犬:37.5〜38.6℃
猫の標準体温:38.0〜39.2℃
と、言われています。
病院まで歩いて通院している場合や、興奮度合いによっても、体温は上がりますので、標準体温から少しでも外れていると問題なのではなく、あまりにも体温が高いもしくは低いといったことがあれば、何かその原因があるのではないかと考えます。
獣医師は、動物のことについては詳しいですが、普段のその子の様子についてはわかりません。そのため、適切な診断・処置を行なうためには、いつもその子の様子を見ている飼い主さんの視点がかかせません。
ちょっとした変化であっても、しっかりと獣医師に伝えるようにしましょう。
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