猫の複数飼育にむけて!先住猫と新しい猫の顔合わせの仕方を解説。
それでも猫が独りぼっちでお留守番する時間が長いと、寂しいのではないか?
と考える方も多いようです。
猫は基本的には単独で行動する動物なので、複数飼育(多頭飼育)には色々な注意が必要です。
この記事では猫の複数飼育する前に知っておいて欲しい、猫の性質や必要な環境、相性の良い組み合わせ、顔合わせの手順について解説していきます。
結論を言うと「猫の相性次第!」なのですが、無理のない複数飼育を目指して、人も猫も幸せライフを送れるようにしましょう。
完全に単独で暮らしているわけでは無く、程よい距離感をもって他の猫と交流することも猫の生活には大切なようです。
まずは猫が複数飼育に向いているのかどうかを理解するために、野生の猫の生活について解説していきます。
猫はグループ行動を好むのか?
野生の猫は独りで狩りをして、一日に10回から20回の食餌をとっています。
小さな獲物(虫や小鳥、トカゲやカエル、ネズミなど)なので、複数で狩りをする必要はなく、食餌は他から邪魔されない環境で独りで食べています。
それでも常に独りでいるわけでは無く、猫の集会のように集まってコミュニケーションを取る姿も見かけます。
挨拶がわりにグルーミングをして、すこし離れた位置でお昼寝や毛づくろいをして、休みます。
血縁関係のあるメス猫であれば、同じ縄張りを共有することもあるようですが、基本的には縄張り内を守って生活していて、常時一緒にいることはありません。
このような猫の性質をしっかりと理解した上で、猫の複数飼育を開始しましょう。
猫を複数飼育するために必要な環境
上記で述べたように、猫は縄張りを意識しながら生活する動物です。
兄弟や姉妹、親子であれば生まれた時から一緒なので、かなり親密に生活することもあります。
それでも未避妊猫や未去勢猫であれば確実に、縄張り意識が強くなってしまうので、中性化(不妊化)手術は必ず行いましょう。
全く血縁関係もなく、年齢差もある猫が仲良く暮らせるのでしょうか?
答えは『相性と環境次第』です!
相性は、もうどうしようも無いので人間はせめて環境を整えてあげましょう。
複数飼育に必要な環境を具体的に以下にあげます。
・トイレは飼育頭数+1個を設置し、全てが別の部屋に置く
・ご飯を食べる場所は同じところではなく、他の猫とは離れた場所
・水飲み場も複数個所設置し、ご飯とトイレとは違う場所に置く
・それぞれの猫が、邪魔されずに落ち着いて過ごせる居場所(寝床)を置く
・できればそれぞれの猫用の三段ケージを、別の部屋に設置する
2匹の猫を飼うのであれば、トイレは3つ以上、三段ケージは2つ設置となります。
かなり場所を取りますね。。。。
部屋は3つ以上ないと不可能でしょう。
相性が良い猫同士でも、この環境が本来は必要です。
狭い部屋に、猫は複数で食餌や水場もトイレも1つ、というのは猫にとって激しいストレスです。
2頭目の猫を飼う前に、飼える環境を整えられるのか判断しましょう。
複数飼育に向いている猫とは?
最も問題が起きにくいのは、血縁関係のある猫同士です。
同腹(同じお母さんから同じ出産で生まれた)の兄弟姉妹猫は、小さな頃からずっと一緒にいるので、そのまま複数飼育(多頭飼育)することがスムーズにできます。
血縁関係がない場合では、せめて子猫同士であれば慣れる可能性も高くなります。
子猫は成猫に比べて物事を受け入れに寛容(すぐに慣れやすい)傾向にあるからです。
社会化期(慣れやすい時期)である生後3か月前がお勧めです。
複数飼育で問題になるのは、先住猫が成猫で、新しい猫が血縁のない子猫の場合です。
特に相性が悪いのは、未去勢のオスの成猫と、未去勢のオスの子猫でしょう。
未去勢のオス猫には縄張り意識が強くあります。
そこに知らない子猫がやってきても、仲良くする考えなどはなく、本能的に排除しようとします。
酷いケースでは、飼い主さまが見てないところで先住のオス猫が新入りの子猫を嚙み殺してしまったことがあります。
猫の組み合わせには十分に注意しましょう。
ただ、猫の個性はそれぞれで大きく違うので、去勢してあるオス猫でとても優しい子もいます。
逆にメスの猫でも性格がキツイ猫もいます。
そのため、一概にオスだから、メスだからと判断することは出来ず、実際の相性が大切となります。
そして相性が良いのかどうかを確認するのが、猫同士の顔合わせです。
次は実際にどうやって顔合わせをするのか解説します。
先住猫と新しい猫(新入り猫)の顔合わせの手順
1)最初の1週間は気配だけをお知らせする
新入り猫専用の部屋に必要なグッズを揃えて、ケージには布をかけて安心できる環境を整えておきましょう。
先住の猫は入れないことが大切です。
最初の1週間は先住猫との顔合わせはせずに、別の部屋で過ごすようにします。
この状況でも先住猫は『何か知らない匂いが入って来たぞ!』とわかっています。
匂いや気配だけを先住猫にお知らせしてみて、反応を見てみましょう。
2)2週目は匂いに慣れてもらう
まだ顔合わせはしません。
次はお互いの匂いが付いたものを交換して部屋に置きます。
以下のようなモノを交換して部屋に入れてみましょう。
・使っていたベッドを交換してみる
・濡れたタオルで猫の体を拭いたものを、それぞれの部屋に入れてみる
・ご飯の皿を交換して入れてみる
また相手の匂いが付いたタオルで、猫の体を拭いてみましょう。
激しく嫌がるようであれば無理をしてはいけません。
受け入れてくれるようであれば相性は良いかもしれません。
そして、この匂いの付いたものの近くにオヤツやフードを置いてみましょう。
相手の匂いにも動じずに、しっかりと食べることが出来れば安心です。
逆に相手の匂いがある場所で食べないのであれば、まだ慣れていない、あるいは相性が悪い可能性があります。
1週間、匂いの近くでごはんをあげてみて、食べないようであれば次のステップに進むのは難しいかもしれません。
さらに食べられるようになるまで1週間ほど様子をみる期間を追加しましょう。
3)次の1週間は見えるけど近づけない距離で
ついに遠巻きに顔合わせします。
相手の匂いに慣れてきて、自由行動している先住猫が新入り猫の部屋の前まで来るようになったら、新入り猫をケージに入れて、部屋のドアに隙間(猫の通れない幅)を作ります。
先住猫は目視で新入り猫を確認できるけれど、近くには行けない状況です。
新入り猫はケージの中にいる状況が必須です。
この状態で、お互いが緊張したり怒ったりしていないか見てみましょう。
大丈夫そうであれば、この状況でオヤツやごはんをあげてみて食べるのかどうかをみます。
食べるならだんだんと境界線の近くに食餌の位置を移動してみましょう。
これで、食べるのであれば、お互いの存在を許容できると考えます。
食べないのであれば、これから先の関係性は上手くいかない可能性があるので、同居は厳しいかもしれません。
4)最後のステップは新入り猫をケージから出してみましょう
新入り猫を専用の部屋から5-10分出して自由にさせます。
お互いが見える位置でオヤツやご飯をたべてみましょう。
緊張せずに食べてくれれば、『相手の猫が見える⇒おいしいものが貰える!』という良い印象がついてくるでしょう。
問題がなければ、新入り猫が自由にする時間を増やします。
1カ月ほどかけて、同じ空間にいる時間が増えればOK。
この時にケンカや体調不良が出るのであれば、別々の部屋にいる時間を増やしましょう。
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