犬の「元気がない」症状とは

病気が隠れている可能性があります。

犬の元気がない時は、様々な原因が考えられます。

環境の変化、遊び過ぎなどの疲れなどで元気がなくなってしまうことがありますが、一過性のものと言って良いかと思います。

息苦しい、痛みがある、体の自由がきかない、食欲が無い、嘔吐、下痢などの何らかの原因がある場合は注意が必要です。

犬の「元気がない」症状の考えられる病気（原因）とは

何らかの症状があり元気がない

苦しそうで元気がない時は、心疾患により肺水腫、肺炎などを引き起こしている可能性があります。
心疾患が進行すると肺水腫を引き起こします。肺水腫とは、本来空気が出入りする肺に水が溜まってしまう状態です。呼吸困難、頻呼吸が見られ、努力呼吸をおこなうための特徴的な姿勢をとります。
ウイルス、細菌、真菌などが原因で肺炎が引き起こされます。細菌性肺炎が最も多く見られますが、多くの場合は基礎疾患を抱えています。咳、発熱、活動性の低下、食欲不振などが見られ、進行すると呼吸困難が見られます。

痛みがあって元気がない時は、椎間板ヘルニア、変形性関節症などを引き起こしている可能性があります。
椎間板ヘルニアには頚部と胸腰部があります。頚部椎間板ヘルニアでは、頚部痛、四肢の歩行異常などが見られます。胸腰部椎間板ヘルニアでは、背部痛、両後肢の歩行異常、深部痛覚の消失などが見られます。
変形性関節症とは、関節軟骨の変性と破壊、骨の増生を伴う進行性かつ非感染性の関節疾患のことを言います。関節が腫れ、運動機能が損なわれるため、脚を地面につかなくなることがあります。

嘔吐が見られ元気がない時は、急性膵炎、急性腎不全などを引き起こしている可能性があります。
急性膵炎とは、何らかの原因によって膵臓が炎症を起こした状態のことを呼びます。食欲不振、活動性の低下、嘔吐、下痢、腹痛などがよく見られます。全身的な炎症反応を引き起こし短期間のうちに死亡してしまうこともあります。
急性腎不全は嘔吐を繰り返し、元気や食欲が低下します。急性腎不全は、脱水などによる腎血流の減少、腎臓自体の障害、尿路の閉塞、などが原因で引き起こされます。腎臓への障害の原因としては、毒物、薬物、感染が挙げられます。

下痢が見られ元気がない時は、炎症性腸疾患、水害分泌不全などを引き起こしている可能性があります。
炎症性腸疾患とは、慢性腸症のうち免疫抑制薬に治療反応を示すものを呼びます。主な症状としましては、活動性の低下、小腸性下痢、大腸性下痢、嘔吐、体重減少、腹痛などが認められます。
膵外分泌不全とは、膵腺房細胞の萎縮や破壊によって膵酵素の分泌能力が９０％以上失われることで消化不良を生じる疾患です。便の量が増え、体重は減少します。典型例では小腸性下痢が見られ、脂肪便が見られることもあります。

お腹が膨らんで元気がない時は、胃拡張胃捻転症候群を引き起こしている可能性があります。
胃拡張胃捻転症候群とは、何らかの原因によって拡張した胃が捻転を起こす疾患の総称です。致死率が高く、緊急の処置が必要な疾患です。

ワクチン接種後

ワクチン接種後に元気がない時は、アナフィラキシーショックを引き起こしている可能性があります。
アナフィラキシーショックは、全身性で発症する、重篤もしくは致死的な過敏症反応です。ワクチンのみではなく、毒物、昆虫、食物、薬剤などが原因で引き起こされる可能性があります。
顔面の腫脹や蕁麻疹、消化器症状、循環不全などを引き起こします。

夏場

夏場に元気がない時は、熱中症を引き起こしている可能性があります。
熱中症は、高温多湿環境下において、高体温および脱水によって生じる全身性の疾患です。
熱中症の症状としては、発熱、頻呼吸、頻脈、粘膜のうっ血や充血などが挙げられます。より重篤になりますと、虚脱、運動失調、嘔吐、下痢、流涎、意識消失などが認められます。

犬の「元気がない」症状の好発品種について

全犬種で好発します。

あらゆる犬種で見られます。

犬の「元気がない」症状の予防方法について

予防できる場合もあります。

なるべく環境の変化が無いようにする、疲れ過ぎる前に遊びを終わらせる、などの対策をとるようにしましょう。

病気に関しては、早期発見、早期治療が必要です。

犬の「元気がない」症状の治療方法について

原因となる病気を治療しましょう。

「元気がない」ということに対する特効薬はありません。元気がなくなった原因を究明し、その原因に対する治療をおこないましょう。