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ノミ、ダニが増えてくることが及ぼす猫への影響

動物看護士
玉城 義丈
[記事公開日]  [最終更新日]
ノミやダニの特性を知り、それらが寄生することで猫に及ぼす影響、症状、病気を把握しましょう。また、寄生されないための予防策についてもご紹介いたします。
[ 目次 ]
ノミ、ダニが増えてくることが及ぼす猫への影響
春になるにつれノミやダニが活性化し、徐々に増えるようになってきます。このことが原因となり、猫の健康状態を脅かし、最悪の場合人への感染や死に至るケースもでてきます。今回は、そういったノミやマダニが及ぼす猫への影響と予防策をご紹介いたします。

ノミ、ダニの特性

ノミやダニが及ぼす影響について知るためには、まずそれぞれの特性を知る必要があります。まずはノミの特性から見てみましょう。

・ノミの特性

ノミは世界中に多くの種類が存在し、あらゆる動物に寄生する外部寄生虫です。呼吸することによる二酸化炭素や体熱によく反応する傾向があり、1mmから3mm程度ある体調の100倍ほどの跳躍力によって寄生し、吸血します。
幼虫の場合は見られることは少ないですが、成虫になると動物の血液を好むようになります。ノミの吸血速度は速く、寄生初日から体重の10倍、数日後には15倍量(約10~15ul)を吸血するといった情報も報告されております。家具の下やソファー、ベッドなどによく生息し、猫が好んで過ごすスペースと同じようなところにいる傾向があります。


続いてダニの特性ですが、ダニはいたるところで寄生します。屋外における木や草花、室内外であっても、人が家の中に持ち込んでしまったことが原因となる寄生など、あらゆる形で寄生します。室内で飼っている猫よりは、外へ出る猫の方がダニに寄生されやすいことが言えます。

・ダニの特性

ダニは湿度60~80%、温度25度前後、フケや食べかす、カビ等のダニにとっての栄養源があればどのような場所でも繁殖します。特に春から活動が活発になるマダニを筆頭に、ヒゼンダニ、ネコツメダニといった多くの種類が存在します。湿度が高い状態での繁殖率が高いといったことがあげられます。

ノミ、ダニが増えてくることが及ぼす猫への影響

ノミ、ダニが及ぼす猫の病気・症状

ノミによる猫への、代表的な影響として

1. 刺咬による痒み
2. 瓜実条虫症 ※1
3. アレルギー性皮膚炎 

といったものがあげられます。
(※1瓜実条虫症は、飼い主が行うグルーミング等によって、偶発的にノミを飲み込んでしまうことにより、小腸で成虫になることで起こってしまうものです。無症状であることもありますが、下痢を引き起こすこともあり、特に幼齢時期においては多く寄生されることで、激しい下痢、削痩、栄養失調、脱水等の症状が出る場合もあります。)そのほかにも、ノミの吸血による貧血症状がみられることもあります。

ダニによる猫への代表的な影響では

1. 重症熱性血小板減少症候群(発熱、嘔吐、下痢などの消化器症状)
2. ライム症(神経、関節、循環器などに影響)
3. 猫ヘモバルトネラ症(重度の非再生性貧血、赤血球の産生が行われていない状態)

が主にあげられます。上記であげたそれぞれの疾患では、命の危険性が脅かされるものもあり、生活の質の低下につながります。また、症状の軽度、重度問わず、猫にとって多大なストレスがかかってしまうことに繋がり、ストレスが原因となって様々な病気にかかってしまうリスクも高まってしまいます。猫だけの症状だけでなく、人に感染するものもあるため、十分な対策をすることが望ましいでしょう。

ノミ、ダニの寄生を予防するには

1.ノミ、ダニの薬を処方してもらう
 市販でも猫に効くノミやダニの薬を手に入れることができます。しかし、やはり病院で処方してもらう方がおすすめです。市販でのノミ、ダニに関するグッズ、例えばノミ取り首はなどでは、局所にしかあまり効果がないものも存在します。しっかりと予防したいのであれば、病院へ足を運ぶことの方が、結果的に費用も抑えられ、効果も期待できるといえるでしょう。病院へ行くことのメリットはそれだけではなく、知らずのうちに寄生されていた場合、適切な処置、アドバイスを頂けるケースも少なくありません。ノミ、ダニの中途半端な駆除では、元の状態に戻ってしまいます。しっかりと完全予防、完全駆除するためには、動物病院へ行くことをお勧めいたします。

2.定期的なブラッシングをする。
 体内に入り込んでしまう以前の状態であれば、定期的なブラッシングだけでも効果があります。特に外に出る猫の場合、ダニを付けてきてしまう場合もありますので、帰ってきたタイミングなどでブラッシングしてあげるとよいでしょう。

4. シャンプーをする。
 基本的に猫はシャンプーを必要としませんが、シャンプーをすることもノミやダニの寄生から守ってくれる対応策の一つであるといえます。ただし、マダニが体にかみついている場合などは注意が必要です。ブラッシング時にも言える事ではありますが、無理に身体から取り除こうとしてしまうと、食いついている部分が身体に残ってしまい、炎症を起こしてしまう場合があります。しっかりと猫の身体を観察してからシャンプーするようにしましょう。

5. すでに規制されている場合
 速やかに動物病院に行き、獣医師に診てもらうようにしましょう。寄生虫の成長段階においても、薬の効果が違ってきますので、自身で判断することは好ましくありません。

まとめ

室内外か外に出るかといった違いに関わらず、ノミ、ダニにいつ寄生されるかわかりません。特に暖かくなってくるにつれ、ノミやダニが活性化するだけでなく、女の子猫は発情期が来ます。女の子をめぐった男の子猫同士の喧嘩も増えることで、感染リスクが増えますので、しっかりと寄生されないための予防をすることが重要になってきます。

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