猫とのコミュニケーションの秘密
猫は自分の名前を理解している?
猫の名前を読んでみても、振り向くときやそっぽを向いているときなど、自分の名前を理解しているのかどうか、わからないといったことはございませんか?
ご安心ください。人の言葉をしっかりと聞き分けることができるとは言えませんが、何となく自分の名前を呼ばれているな、といった程度で理解しています。さらに言えば、2匹、3匹と多頭飼いしている場合でも、それぞれの猫の名前をお互いの猫は理解している可能性もあるといわれております。
名前を呼んでも振り向かないことは多々ありますが、理解していないのではなく、反応してもメリットがない、眠たいといったことがあげられます。それでも飼い主が呼んでいるのに反応しないのは悪いな、と考えることもあり、尻尾でくりくりと返事することも多いようです。
飼い主の声もわかるの?
こちらもきちんと聞き分けることができるといえそうです。ある大学で、何のかかわりももたない他者の声を複数回、数人にわたってスピーカーから音声を聞かせ、猫の反応を見るといった実験が行われました。はじめは聞きなれない声に反応する行為がみられましたが、次第に慣れが生じ、猫の反応が薄れていきました。反応が弱くなってきたところで飼い主の声を聞かせると、その声には強く反応するといった結果が見られました。
猫は生活環境が大事だといわれておりますが、飼い主の声にも安心を覚え、心地よい空間の一部として認識しているようです。飼い主の声は環境の一部ですので、声を聞くとより安心、リラックスすることができるでしょう。
実は愛情深い?
犬ほどなつかないと思われがちな猫ですが、人の赤ちゃんに対しては無類の我慢強さを発揮します。赤ちゃんが多少乱暴に猫に対して行動しても、よしよしと何もされていないかのように振る舞います。人の赤ちゃんだけではなく、自分以外の子猫にも優しい目で見守ることが分かっています。
成長環境にもよりますが、人という存在に対しても、縄張りの取り合い対象としてみることはなく、犬や鳥などに対しても、社会期にともに生活した相手ならば、共存して生活することができます。
そばにいるだけで立派なコミュニケーションになる
犬は人、猫は家につくといわれていますが、猫にとっても飼い主の存在はとても大きいものになっています。人の赤ちゃんのようにいつもそばにいないと不安になるということはありませんが、飼い主が長時間猫との関りを持てないことがあると、普段よりのどをゴロゴロと鳴らして甘える時間が長くなったということが分かっています。ゴロゴロと音が鳴るメカニズムはいまだにわかってはいませんが、飼い主が大きな存在であることは間違いないと言えるでしょう。
ただ単に、ご飯をくれるからなついている訳ではなく、飼い主が愛情を注いだ分だけ、一緒に生活できていることに幸せを感じています。猫の愛情表現の一例として、近くでまとわりつく行為、目が合うとゆっくりと瞬きする行為、用事をしているとかまってほしいと邪魔してくる行為などがあげられます。
すぐに気分が変わってしまう?
よく猫は気分屋といわれていますが、生き物によって時間の感覚が異なることが原因となっているようです。一般的には、身体の小さな動物程時間が長く感じるといわれており、人にとっての1~2分は、猫にとってそれ以上に感じていると考えられています。
嬉しそうだから撫でていると、プイっとどこかへ行ってしまうのは、満足したからもういいよと言っているのかもしれませんね。
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