季節の変わり目、換毛期に注意したい猫の病気2つ
毎日のブラッシングや掃除は大変ですが、放っておくと猫の体に病気を引き起こすこともあるんです。
換毛期に注意したい2つの病気と、予防方法について解説します。
この時期の抜け毛は生理現象なので心配いりませんが、きちんとケアしてあげないと病気の原因になることもあります。
正しい抜け毛ケアで換毛期を乗り切りましょう。
そもそも換毛期ってなに?
猫の換毛期は、一般的に年2回あります。
1回目は暖かくなってくる3月から4月ごろ、2回目は涼しくなってくる10月から11月ごろです。
猫の毛は、換毛期以外にも生え変わっているのですが、気温が変化するこの季節は、全身の毛がいっせいに生え変わります。
秋になると、通気性のいい夏毛が抜けて、フワフワした冬毛が生えてきます。
自分の抜け毛で病気に!?
猫は、自分で毛づくろいをする動物です。
ざらざらした、いわゆる「猫舌」で全身をなめることで、体を清潔に保ったり、体温を調整したり、リラックス効果があるといわれています。
ところが、ざらざらした舌で毛づくろいをすると、舌に絡まった毛を飲み込んでしまうことがあります。
飲み込んでおなかの中にたまった毛は、毛玉になって吐き出されるのですが、中には、うまく毛玉を吐き出せない猫もいます。
この毛が、病気の原因になるのです。
開腹手術になることも!毛球症に注意
飲み込んで吐き出されなかった毛玉は、どんどん胃や腸の中に溜まっていきます。
こうして、溜まった毛玉が胃腸を刺激して、消化不良や食欲不振、嘔吐などの症状を引き起こすのが、「毛球症(もうきゅうしょう)」です。
毛球症の症状は、1日に何度も吐く、下痢をする、おなかを触ると痛がる、などです。
また、悪化すると腹膜炎を起こし、発熱することもあります。
毛球症がひどくなった場合には、手術をして毛のかたまりを取り出すことになります。
そうなる前に、なるべく予防してあげたいですよね。
毛球症の予防方法は、まず、こまめなブラッシングです。
特に長毛種の猫は毛が絡まりやすいので、換毛期はいつも以上に丁寧にブラッシングしましょう。
また、消化器官の働きを促進して、毛球を便と一緒に出す効果のある、毛玉ケア用のフードも効果的です。
同じように、消化器官の働きを促すといわれている「猫草」も効果がありますが、猫によって好みがわかれるので、食べさせるのに苦労するケースもあるようです。
飼い猫に合った方法を選びましょう。
抜け毛は皮膚トラブル・膿皮症の原因にも
抜け毛は、体の中だけでなく皮膚にもトラブルを引き起こすことがあります。
換毛期に起こりやすい皮膚トラブルの一つが、「膿皮症(のうひしょう)」です。
膿皮症は、皮膚にいる細菌、「ブドウ球菌」が増えすぎて皮膚に湿疹ができる病気です。
ブドウ球菌は普段は猫の体に影響はありませんが、何かのきっかけで増えすぎることがあります。
そのきっかけとして挙げられるのが、
・強すぎるブラッシングで皮膚が傷つく
・ブラッシング不足で皮膚が蒸れる
などです。
膿皮症になると、ニキビのようなぶつぶつができたり、赤み、かゆみ、かさぶたなどの症状が出ます。
虫さされや普通の肌荒れと区別するのは難しいので、「もしかして!?」と思ったら動物病院で検査を受けましょう。
膿皮症と診断されたら、抗生物質の内服、薬用シャンプーを使った入浴などで治療します。
治療は長引く場合もあり、長ければ1ヶ月~3ヶ月ほどかかります。
膿皮症を防ぐためにも、ブラッシングは大切です。
適切にブラッシングを行うことで、抜け毛が落とされ、皮膚の蒸れが予防できます。
ただし、ブラッシングのし過ぎで皮膚が傷つくと、そこからブドウ球菌が増えてしまうことがあるので、優しく行います。
ブラッシングを上手に行うコツ
換毛期の猫のブラッシングにはコツがあります。
ブラッシングには専用のコーム・ブラシを使います。
猫がブラッシングを嫌がる場合には、比較的嫌がられにくい首や頭の後ろからスタートするといいでしょう。
嫌がらないようになってきたら、徐々にお尻、手足、おなか、しっぽ、とブラッシングを進めていきます。
一度ブラッシングで痛い思いをさせてしまうと、そのままブラッシング嫌いの猫になってしまうことがあるので、猫が嫌がらないペースで進めます。
また、毛玉ができているときには、無理やり引っ張らず、毛玉を切ってしまうか、トリマーに頼んだ方が安全です。
どうしてもブラッシングを嫌がるときは、おやつをあげながらブラッシングしたり、猫の体を撫でるように使えるミトン(手袋)タイプのブラシもおすすめです。
換毛期のブラッシングの頻度は、短毛種の猫で週に2、3回、長毛種なら毎日が理想的です。
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