猫の巨大結腸症の診断と治療
獣医師
久保井 春希
[記事公開日] [最終更新日]
[ 目次 ]
猫の特発性巨大結腸症は、便秘を主訴として来院される猫ちゃんの60%以上を占める疾患とされています。
結腸管腔内外の疾患など二次的な巨大結腸の診断を行い、内科治療に十分反応が見られなければ外科手術適応となりますのでこの記事を参考にしていただければと思っています。
結腸管腔内外の疾患など二次的な巨大結腸の診断を行い、内科治療に十分反応が見られなければ外科手術適応となりますのでこの記事を参考にしていただければと思っています。
巨大結腸症とは?
巨大結腸症とは、様々な原因により結腸から便が排泄されずに腸内に蓄積し、その結果としておこる結腸の機能障害の総称です。
二次的に巨大結腸を引き起こすことが知られている病気は、外傷による骨盤の変形癒合が原因で起こる骨盤腔の狭窄や異物や腫瘤による結腸の閉塞性疾患、会陰ヘルニアがあります。
ですが、猫の巨大結腸の多くは特発性であり、結腸の神経機能障害に由来するのではないかと言われています。
猫の巨大結腸症の診断は?
発症の多くは中年齢〜高年齢に多くみとめられ、1〜15歳齢までと幅広く、平均発症年齢は5〜7歳です。
身体検査では脱水の評価や腹部触診による硬い便の触知、直腸検査で骨盤腔の広さや腫瘤の有無、便の性状を評価します。
腹部レントゲン検査にて、糞塊が貯留して重度に拡大した結腸を確認しておきます。加えて、骨盤骨折や癒合の有無も評価しておきます。
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